「ムービーマービーアワード2021」ノミネート作品⑪『マリグナント 凶暴な悪夢』 集大成にして最高傑作。ジェームズ・ワンよ、あなたがナンバーワンだ!!
ムービーマービーが読者の皆様と共に毎年ベストな1本を決める最もユーザーフレンドリーな映画賞「ムービーマービーアワード」。今回は、昨年末からTwitterで募集した作品と、ムービーマービー編集部が選出したノミネート作品、計14本の中から今年度の「ぜったい面白い映画大賞」を決定します!
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ノミネート作品⑪
『マリグナント 凶暴な悪夢』
集大成にして最高傑作。ジェームズ・ワンよ、あなたがナンバーワンだ!!
映画を観ていると、「思ってたのと違う」と感じることがありますよね。『マリグナント』はジャーロ(猟奇ミステリー)なので「連続殺人鬼の正体は誰か」という謎を解き明かす物語なのですが、それが明かされるのは実は終盤ではなく中盤。おそらく、多くの観客の犯人予想の方向性自体は正解と大きく違わないのではと思いますが、その提示のされ方があまりにもぶっ飛びすぎていて、「予想していたけど予想外」なんて感想になるのではないでしょうか。ホラーのはずなのに、最終的にはアクションシーンばかりが記憶に残っています。間違いなく、これまでミステリー、ホラー、アクションを撮ってきたジェームズ・ワン監督の集大成と言える作品です。
ジェームズ・ワン作品は大体観ていますが、彼に対してはこれまで「それなりに好き」という印象しかありませんでした。そもそも出会いが良くなかったのでしょう。一時期、筆者は「どんでん返しが素晴らしい映画こそ最高」という考えを持っていて、彼の代表作『ソウ』はよく「どんでん返しがすごい」と語られるので相当期待していました。そして、ありえなさそうな結末ばかりを予想しながら観ていたらそれがたまたま的中してしまい、「なーんだ」と少し落胆しました。第一印象には良くも悪くも大きな影響力がありますね。その後、彼は『ワイルド・スピード SKY MISSION』を撮ることになりますが、撮影期間中に亡くなってしまった主役のひとりポール・ウォーカーと我々との永遠の別れをラストシーンで描き、そのあまりにも完璧で美しい表現に震えました。ポール・ウォーカーの退場は予想通りの結末ですが、その描き方は予想を遥かに超えていました。今から思えば、それすらも『マリグナント』に繋がっていたのですね。
『ソウ』と『SKY MISSION』の好き度を平均して「それなりに好き」になったわけですが、この『マリグナント』のおかげでジェームズ・ワンは個人的に大注目の監督となりました。過去作へのオマージュも悪くないですが、映画には常に新しいものを見せてほしいという思いがあります。過去に流行ったジャーロの型を用いながら新たな表現を提示し、自らの過去を振り返りながらも新境地に達したジェームズ・ワンは、その気持ちに見事応えてくれました。次回作であるDC映画『アクアマン』の続編『Aquaman and the Lost Kingdom(原題)』にも期待しかありません。目指せ、打倒マーベル!!
【ストーリー】
間近で恐ろしい殺人を目撃する悪夢体験に苛まれるマディソン。その連続殺人が現実世界でも起きていく。彼女の秘められた過去につながる“凶暴な悪夢”の正体=Gとは!?
【キャスト】
アナベル・ウォーリス、マディー・ハッソン、ジョージ・ヤング、マイコール・ブリアナ・ホワイト
【スタッフ】
監督:ジェームズ・ワン
脚本:アケラ・クーパー
原案:ジェームズ・ワン、イングリット・ビス&アケラ・クーパー
製作:ジェームズ・ワン、マイケル・クリアー
製作総指揮:エリック・マクレオド、ジャドソン・スコット、イングリット・ビス、ピーター・ルオ、チェン・ヤン、マンディ・ユウ、レイ・ハン
2021年/アメリカ映画/原題:MALIGNANT
(C)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/malignant/
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投票期間:1月17日(月)~2月4日(金)
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