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【第36回東京国際映画祭】前田敦子&高良健吾&松本優作監督が登壇『連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~』舞台挨拶レポート!前田敦子、濃密で幸福度の高い撮影でも「現場の記憶はないです(笑)」

36回東京国際映画祭のTIFFシリーズ部門に出品された『連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~』の第3話「非常線の女」の舞台挨拶が実施され、主演の前田敦子、高良健吾、松本優作監督が登壇した。

世界のOZU”と称され国内外で高い評価を受け続ける映画監督・小津安二郎。今回、生誕120年を記念して初期サイレント映画6作品を奇才な映画監督6名によってオムニバス形式で現代リメイクされた。第3話「非常線の女」は、昼と夜の顔を持つ女性が不良ボクサーと暗黙街で生きる姿を描く異色作となっている。

日本を代表する映画監督・小津安二郎のリメイク作品を手掛けたことについて松本監督は、「最初にこのお話を頂いた時に、正直自分なんかでいいのだろうかと思い迷いました。でも、調べていて当時小津監督が『非常線の女』を撮ったのが29歳の頃で、僕がお話を頂いた時と同い年だったということもあり、何かご縁を感じました。リメイクをさせて頂ける機会は一生にないチャンスかもしれないと思い、ぜひ挑戦したいと思いやらせて頂きました」と語った。また、リメイクするにあたって「90年前の作品を現代にリメイクしていく点では、設定を大幅に変える部分があり正直難しいと思いました。ただ、オリジナルで描かれているテーマ性は今にも繋がる普遍的なものだと感じまして、真っ当な世界で生きようとする男女のもがき苦しむ姿というのを大切にしながら作りました」と本作への想いを語った。

昼間は歯科助手の仕事、夜は恋人らと悪事を働く謎めいた主人公・時子を演じた前田は「現実世界ではなかなかない設定だったので、私も正直最初は自分が演じて大丈夫なのかと不安でした。ですが、皆さんが凄く作品を熟知してセリフが入った新しい『非常線の女』を凄く真剣に作られているのがすぐに伝わってきたので、これは食らいついて行くしかないと思いました。」と本作へ参加する覚悟を語った前田。撮影について聞かれると「撮影現場の記憶はないです(笑)撮影が7日間という決まりがあって、その中で撮影しなければならなかったので、凄く濃密で幸福度は高かったんですけどね」と撮影を振り返った。

時子の恋人でありボクシングに挫折した不良グループのリーダーを演じた高良は「役の性格的な部分は台本に書いてある通り忠実にやったのですが、ボクシング経験者ということで自分もプライベートでボクシングを3年間くらいやっていて、やっと仕事に活きて嬉しかったです」と喜びを語った。共演経験の多い前田と高良。再共演について前田は「共演者の皆さんが高良さんにどんどん惚れていく姿をいつも現場で見ているのですが、今回はまさに高良さんのカッコ良さはピカイチの作品だったのでそれを間近で見つつ、先輩としてはもちろん尊敬しているのですが凄く仲良くさせて頂けているので、ちょっと小っ恥ずかしい役ではありました」と語った。高良は「僕は、前田さんには絶大な信頼と安心感があって、なんか前田さんと居るとふざけられますよね(笑)カメラが回っていない時はふざけた話ができて、心許せる女優さんです」と印象を語った。

最後に、松本監督は「今回のリメイク版『非常線の女』をきっかけに、過去の小津さん作品を知って頂けるような機会になればいいなと思いますし、本作で言うと前田さんや高良さんをはじめ出演者の方のお芝居が凄く大好きなのでそこを是非見て頂けたらなと思います」と語り舞台挨拶は終了した。

<第3話「非常線の女」>
90年前の1933年に公開された『非常線の女』。『朗かに歩め』、『その夜の妻』に連なる小津監督ギャング三部作の一つで、田中絹代が演じる昼と夜の顔を持つ情婦が不良なボクサーと暗黒街で生きる姿を描く異色作。監督を務めるのは、30歳にして『ぜんぶ、ボクのせい』や『Winny』などの話題作で国内外から注目を集める俊英・松本優作。当時29歳の小津が監督した『非常線の女』のリメイクに挑む。また、『死刑にいたる病』や『そこのみにて光輝く』の高田亮が脚本を担当し、現代版の和製ノワールの世界を描き出す。主演を務めるのは、一人二役をこなしたWOWOW「連続ドラマW-30 ウツボラ」など2023年も数多くのドラマや映画に出演する前田敦子。昼は歯科助手の仕事をする一方で、夜は恋人の拓実らと美人局など悪事を働く謎めいた女性・時子を演じる。その恋人で荒々しさと繊細さを合わせ持つ拓実役には高良健吾。挫折した元ボクサーという役柄に挑む高良のボクシングシーンも必見。時子のグループから弟・ユウキを抜けさせようと拓実に近づく彩役を片山友希。また、グループのメンバーで拓実と行動をともにする海斗役には前田旺志郎。そして、時子が働く歯科の患者で介護施設の経営者・岡崎役を渡辺いっけいが演じる。お金の力を使い、嫌がる時子にしつこく言い寄る。この他にも、田中俊介、中井友望、白鳥晴都、二ノ宮隆太郎、山本一賢、近藤芳正、吹越満といった若手からベテランまで個性豊かな俳優陣が共演することも決定した。時子(前田敦子)は昼に歯科助手の仕事をする一方で、恋人で元ボクサーの拓実(高良健吾)らと美人局など悪事を働く日々を送っていた。ある日、拓実は仲間のユウキの姉・彩(片山友希)に弟を巻き込まないで欲しいと頼まれる。その願いを一蹴するが、凛とした彼女の姿を目にして惹かれていく。そんな拓実の異変を知った時子は不安を抱き、彩に接触するが…。

出演:前田敦子、高良健吾、片山友希、前田旺志郎、渡辺いっけい /田中俊介、中井友望、白鳥晴都、二ノ宮隆太郎、山本一賢、近藤芳正、吹越満

原作:『非常線の女』(原作:ゼームス槇、脚色:池田忠雄、監督:小津安二郎)
脚本:高田亮
監督:松本優作
音楽:遠藤浩二
企画・プロデュース:徳田雄久
プロデューサー:堤口敬太 原克子 勝木孝
製作:WOWOW 松竹
©WOWOW/松竹

公式サイト:https://www.wowow.co.jp/detail/185014

 

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