MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

デビッド・クローネンバーグ監督の次回作『The Shrouds(原題)』にレア・セドゥが参加決定

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

 

ボディ・ホラーの巨匠、デビッド・クローネンバーグの次回作『The Shrouds(原題)』に、『007』シリーズのボンドガールとしても知られるレア・セドゥが出演することが米The Playlistによって報じられた。セドゥは、クローネンバーグの最新作である『Crimes of the Future(原題)』に続いての出演となる。現時点で明かされている他のキャストは、クローネンバーグが過去『イースタン・プロミス』などでタッグを組んだバンサン・カッセルのみだ。2人はフランス人俳優だが、クローネンバーグによればこれはフランス映画ではないという。

本作のプロットは、妻を亡くし悲しみに暮れるビジネスマンのカーシュ(カッセル)が、死者と繋がれる装置を作るというもの。それだけ聞くと幽霊と交信できる装置を想像しがちだが、そこはクローネンバーグ、こちらの想像を軽く超えていく。タイトルにある「shroud」とは、死に装束のことだ。この装置は死に装束に付けて、愛する者が腐敗していく様子をリアルタイムで観察できるスグレモノであるらしい。本作の世界ではこの装置が国際的なビジネスとなっていくが、同時に複数の墓が破壊されるという事件が起こり始める。犯人探しをする中で、カーシュは自身のビジネス、結婚、妻への忠誠について見直していく…。九相図を彷彿とさせるような内容だが、カーシュは愛を再認識するのか、それとも現世の感情から解放されていくのか?

驚くべきことに、本作はクローネンバーグにとって非常に個人的な作品で、自伝的な要素も含まれているようだ。クローネンバーグにはこれまでに二度結婚している。最初の妻マーガレットとは、7年の結婚生活の末に子どもの親権を巡って争い合い、泥沼の離婚劇となってしまった。この体験は、『ザ・ブルード/怒りのメタファー』(1979)に大きな影響を与えている。離婚の2年後には2番目の妻キャロリンと再婚し、今や父親譲りの才能を活かし悪趣味ホラー映画監督として活躍している息子ブランドンが誕生。キャロリンは2017年に66歳で亡くなっており、クローネンバーグは約40年連れ添った彼女を看取っている。本作に影響を与えているのは、キャロリンの可能性が高そうだ。

英Screen Dailyのインタビューで、クローネンバーグは「8年前に映画制作を諦めかけていた」と明かしている。その詳しい理由は不明だが、確かにコンスタントに作品を発表してきた彼は『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(2014)以降沈黙していた。そして今年、8年ぶりに発表された『Crimes of the Future』が今年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門でお披露目された。その際には、米Deadlineのインタビューでクローネンバーグがその過激な描写のために「開始5分で退場者が出る」と予想していた通り、退場者が続出。しかし終わってみれば、6分を超えるスタンディングオベーションを受けた(ちなみに、昨年最高賞のパルム・ドール受賞作『TITANE/チタン』はクローネンバーグの影響を大きく受けている)。

これまで何度も、テクノロジーが肉体に与える影響を生々しくグロテスクに描いてきたクローネンバーグ。映画監督として復活を果たした彼は今では、『Crimes of the Future』のタイトルにかけて、「もっと多くの映画を作ることで、もっと多く“未来の罪”を犯したい」と話している。自身の作品が持つ強烈さについて認識しながらも、「アーティストとして自己検閲はできない」というスタンスも保っており、今後も観客の臓腑を揺さぶる作品を発表し続けていくことが期待される。『The Shrouds』は、来年の春よりトロントで撮影が開始される予定だ。

ソース
https://theplaylist.net/the-shrouds-david-cronenberg-describes-his-next-film-with-vincent-cassel-lea-seydoux-as-autobiographical-20220921/
https://www.screendaily.com/news/lea-seydoux-to-join-cast-of-david-cronenbergs-the-shrouds/5174687.article
https://deadline.com/2022/05/david-cronenberg-cannes-crimes-of-the-future-1235018996/

 

■関連記事

Netflixドラマ『バイオハザード』、シーズン1で打ち切りに…。

『トップガン マーヴェリック』のハングマン役俳優、『X-MEN』参加の噂を否定!

「エスター」前日譚『Orphan: First Kill(原題)』のポスター・予告編が解禁!

『ジョーカー』続編、公開日が決定!

A24製作の傑作ホラー『X エックス』の前日譚『Pearl(パール)』ポスター&予告編

『ハロウィン』シリーズ最終作『Halloween Ends(原題)』の予告編が解禁!3部作はどのように幕を下ろす?

話題の台湾ホラー『呪詛』、続編制作も決定済み! ユニバース化の可能性も!?