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「ムービーマービーアワード2021」ノミネート作品①『ヤクザと家族 The Family』遂に出逢ってしまった、運命の3人。日本映画はここから変わる。

ムービーマービーが読者の皆様と共に毎年ベストな1本を決める最もユーザーフレンドリーな映画賞「ムービーマービーアワード」。今回は、昨年末からTwitterで募集した作品と、ムービーマービー編集部が選出したノミネート作品、計14本の中から今年度の「ぜったい面白い映画大賞」を決定します!

【詳しくはこちら!】ムービーマービーアワード2021「ぜったい面白い映画大賞」を決定します!アンケートに答えた方には“映画1年分”をプレゼント!

 

ノミネート作品①
『ヤクザと家族 The Family』
遂に出逢ってしまった、運命の3人。日本映画はここから変わる。

私は2021年最も面白かった映画として、「ヤクザと家族 The Family」を推します。

何が素晴らしいかって、、、。

普通、世の中の映画を感情で表現すると「泣ける」「笑える」「ハラハラドキドキ」とか、「興奮する」「心温まる」「考えさせられる」だとか、まあせいぜいそんなもんでしょう。

いやエンタメなどというものは、それでもいいのかもしれないのです。

しかしこの「ヤクザと家族」を見終わった後の感情はそれらのどれとも違う。「考えさせられる」などという言葉ではとても追いつかない、様々な感情が全部ないまぜになって襲ってくるという、まるで「人生そのもの」をどさっと心の中に置かれる感覚の映画なのです。

だから多くの人は「この気持ちをどうしたらいい?」と2、3日、人によっては1週間くらい残ってしまうという映画なのです。

それほど、主人公のヤクザ・綾野剛演じる山本のドラマは壮絶で哀しくて、愛おしい。

私はこれまで綾野剛について、演技のうまい役者という認識はあったんですが、この映画の彼は特別です。

きっと、藤井監督との出会いが彼に何かをもたらしたのでしょう。二人が接触することで、予想以上の化学反応が起こったと思います。

綾野剛は10代から30代まで、ヤクザ・山本の20年の歳月を演じるのではなく、生きた。まるでドキュメンタリー映画の主人公のように山本(決して綾野ではない)はそこに存在しているのです。

そして驚くのは、主演だけでなく脇役にいたるまで「一世一代」の演技をしているということなのです。舘ひろし、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗。。思い出すだけで胸アツな男達はどうやって作られたか?

綾野・藤井の尋常じゃない空気がなせる業かと思います。

さらに驚くのは、エンドロールです。これがヤバい。まるで映画全体をもう一度噛み締めるかのような主題歌「FAMILIA」のサウンドと、画面に現れる歌詞(歌詞が気持ちにぐさぐさ入ってきます)。きっとこのエンドロールが最終的に誰かの人生を受け止めてしまった、というずっしり感につながっていると思います。

なんと、この感覚には続きがあって、本作をご覧になった方にはもれなく、主題歌「FAMILIA」のMVは見て頂くことをオススメします。これでトドメです。私は嗚咽を押さえられませんでした。完全にやられます。

Millennium parade(ミレニアムパレード)の常田大希に主題歌を依頼をしたのは綾野剛のリコメンドがあったと記憶しています。でも実際、常田大希がしたことは、映画の主題歌などではなく、映画作りですよね。「ヤクザと家族」は音楽によって倍の存在になったと思います。

綾野、常田、藤井。遂に出逢ってしまったこの3人。私は日本の映画界に一閃の光が差し込むのを感じました。3人にとってこの映画は記念碑的な作品であり、日本映画界はもっとこの奇跡を讃えるべきだと思います。特に綾野剛については、賞レースのライバル状況を考えると、控えめに言ってもあらゆる映画賞で最優秀男優賞を獲るべきだと思います。

もっともっと、このコンビネーションの作品が見たいと思います。

文:たんす屋(神社好きの中年Youtuber)

 

【キャスト】
綾野剛、舘ひろし、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗 ほか

【スタッフ】
監督・脚本:藤井道人
音楽:岩代太郎
主題歌:millennium parade「FAMILIA」
配給:スターサンズ
©2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会

公式サイト:https://www.yakuzatokazoku.com/

 

★応募はこちらから!!
投票期間:1月17日(月)~2月4日(金)

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