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映画には時折主役を喰ってしまうほど、強烈なインパクトを残す脇役が存在する。もちろん物語が進むうえで大切なのは主役の存在なのだが、その周りにいるキャラクターの個性が豊かであればあるほど、映画の楽しさも増える。そこで今週の「今夜何観る」は存在感が抜群すぎる脇役映画を特集。彼ら脇役がいるからこそ、映画の良さが引き立つのだ。

『レオン』(1994)

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ナタリー・ポートマンの出世作品として有名なこの映画だが、ある意味でそんなポートマンと同じぐらいの強烈なインパクトを残しているのがゲイリー・オールドマンだ。作品によって全く違った顔を見せる、まさにカメレオン俳優の名がふさわしい彼だが、本作でも狂った演技を見せている。

この映画で彼が演じるのは麻薬捜査官でありながら、自らも麻薬に手を染める悪党。女や子供も容赦なく殺すが、クラシック音楽が好きという、なかなかに変わっている人物だ。ゲイリー・オールドマンが演じたこともあってか、優雅な雰囲気を醸しながらブチギレた時のギャップが強烈で、そこが最高なのだ。鼻歌を歌いながら容赦なく殺す姿は恐怖でしかないが、彼が演じるとそれがクールに見えるから不思議だ。

直近の代表作『ダークナイト』シリーズでは正義感にあふれるゴードン警部を演じていることもあってか、それを知っていて見ると、その演技の振り切り方が強烈で、さらにインパクトが強くなるこの映画。レオンのクールさ、マチルダの可愛さを上回る、名脇役であり名悪役と言えるだろう。

＜ストーリー＞
家族を惨殺された12歳の少女マチルダは、隣の部屋に住む殺し屋レオンに助けを求める。戸惑いながらもマチルダに救いの手を差し出すレオン。そこから二人の奇妙な共同生活が始まった。弟の仇を討ちたいというマチルダにしかたなく殺しのテクニックを教えるレオンと、読み書きもできないレオンに文字を教えるマチルダ。やがて二人の間には父娘とも恋人ともつかない愛情が芽生えていくが…。

＜キャスト＞
ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン　ほか

<スタッフ>
監督・脚本：リュック・ベッソン
製作：パトリス・ルドゥー
製作総指揮：クロード・ベッソン
撮影：ティエリー・アルボガスト
音楽：エリック・セラ

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