読者がおススメするバットマン作品は！？「ベスト・オブ・バットマン」／クリストファー・ノーラン監督の描くシリアスなルックが魅力『バットマンビギンズ』

2022.03.07

読者投稿コーナー「レコメン広場」がスタート！記念すべき第1回は、『ザ・バットマン』公開記念「ベスト・オブ・バットマン」！これまでに映像化された全てのバットマン作品で、1番思い入れのあるタイトルを大募集しました！バットマンへの情熱やこだわり、切ない思い出など、バットマンへの熱い想いを綴って頂きました！

⬛︎投稿者：リノス屋 さん

『バットマンビギンズ』

私とバットマンとのファーストタッチは、私が小学校の低学年の頃、父親がレンタルビデオで監督ティム・バートン、主演マイケル・キートンの、その名も『バットマン』を借りてきたのがきっかけだった。

『最新・最強・最速のヒーロー / ザ・フラッシュ』やトロマ映画の名作『悪魔の毒々モンスター』等、とにかく〈ヒーローもの〉と見れば借りて来てくれた時期があった。『バットマン』もそんな並びで借りてくれたと記憶している。そして、初めて観た時の感想は…「暗い」、「変身じゃなくて着替えてるだけじゃん」、「変な人が出てる(後に、ジャック・ニコルソンの演じるジョーカーだと知る)」だった。

小学校低学年のキャパシティでは、理解し難い部分の方が多かった。しかし、そうは言いつつも同時にダークで奇妙な世界観に惹かれつつあった！その証拠に、カルビーのスナック菓子のおまけとして付いていたバットマンのカードを集め、お祭りの屋台でバットマンのお面を買い、バットマンのコミック調の絵柄が入ったバスタオルを愛用する等、気付けばそこそこハマっていた。

そして、能動的にならずともバットマンが自ずとアプローチをかけてくる。テレビを点ければ、アニメ版のバットマンが放送され、今でいう『午後のロードショー』では、昔のテレビシリーズの映画版を放送していた(※内容は全く覚えていないが、バットマンの足にサメが食らいついている映像は今でも印象に残っている)。更に、日曜洋画劇場で『バットマンフォーエヴァー』や『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』が放送され、ネオンライトに蓄光塗料の輝く世界観にも魅せられた。当時の筋肉スターであり、ドル箱スターでもあったアーノルド・シュワルツェネッガーの参戦にもいろんな意味で驚いた！

…前置きが長くなってしまったが、ここから本題を書かせていただく。私が一番好きなバットマン、それは『バットマンビギンズ』だ！

『Mr.フリーズの逆襲』公開から8年、私は既に成人年齢を過ぎていた。バットマンという固有名詞もたまに耳にするくらいで、私の人生においてバットマンは、もはや過去の物に成り果てていた。そんな中、この作品の予告編を目にすることとなる。目に飛び込んで来たのは、これまでのシリーズとはまるで違い、シリアスな雰囲気が漂うリアルなアクションシーンの連続だった。私の心の中は、すぐさまバットマンに対する思いが再燃！暫くして待ちに待った本編を観る、そしてその感想は…「なるほど～…つまらなくはないな…」、「なんか疲れたな～…」だった。

これを書いている今となっては分かる事だが、後に続編の『ダークナイト』で完全に確立されるこの新シリーズの世界観に、私自身、当時は許容できる程のキャパシティが備わっていなかった。小学校低学年の頃、幼い故に『バットマン』に対して備わっていなかったキャパシティだが、今度は逆に、数あるバットマンを観てきた経験から来る固定観念がそうさせた。

しかし、そうは言いつつも同時に、クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマン、リーアム・ニーソン、渡辺謙らによる名だたる顔ぶれと画力に惹かれ、今までに登場したそれとは全く違う重量感のあるバットモービルに興奮を覚え、クリストファー・ノーラン監督の描くシリアスなルックに魅力を感じた。結果的に大好きな作品になったのである。

最新作の『ザ・バットマン』も、私に例のごどく許容できるキャパシティが無いかもしれない？しかし、例のごどく何処かに惹きよせられ、結果的に好きになるであろうと信じ、映画館へと向かおうと思っている。