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『マトリックス レザレクションズ』公開記念!ムービーマービー編集部が『マトリックス』への思いを語る!<第4回>「1999年、『マトリックス』を目撃したあの夏。」

いよいよ今週末より17年ぶりのシリーズ最新作『マトリックス レザレクションズ』が公開となります。今やSF映画の金字塔とも言えるマトリックスシリーズの最新作ということで、シリーズのファンはもちろん、多くの映画ファンも一目置く、この冬一番の話題作であることは間違いないでしょう。

しかし100%楽しみかと言われると、そこはまたそれぞれ違う思いあるでしょう。「なぜ今になって続編なんか?」、「あの時完結したはずでは?」、「なぜローレンス・フィッシュバーンは出ない?」こんな疑問を抱くファンは多いはず。それに、古参の映画ファンが「映像革命をも新した傑作」と思う一方で、若い世代にとってはそもそも『マトリックス』という作品自体を知らない人も多いはずです。一口に『マトリックス』と言っても、世代や環境によってこの最新作に対する想いは様々でしょう。

そこで今回、ムービーマービでは最新作『マトリックス レザレクションズ』の公開に際して特別企画を実施。編集部20代〜50代のライターが、それぞれが胸に抱く『マトリックス』への想いを語ります!

第4回:「1999年、『マトリックス』を目撃したあの夏。

文:稲生D(共感シアター)

1999年公開の『マトリックス』にはたくさんの思い出があります。この作品のすばらしさは観れば一目瞭然ですし、今回は作品の内容よりも、僕自身が熱狂した公開当時の熱量などをお伝えできればと思います。

僕が上京してきたのがまさに第1作が公開された1999年。23歳で見た作品です。そのことでよく覚えているというのもありますが、何より覚えているのが『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』が公開された夏であるということ。

『マトリックス』の全米公開が春、日本は9月11日だったので、日本人は「キアヌがなんか変なSFに出るらしい」、「なんかめちゃくちゃヒットしてるらしい」という雑誌などの情報だけで半年待たなければなりませんでした。そして夏に世紀のビッグイベント『ファントム・メナス』を挟んだものだから、一度頭の中から完全に『マトリックス』のことを忘れてしまい、何度も『ファントム・メナス』を観てグッズやらペプシキャップを集めまくってるうちに、あっという間に公開が迫っていたのをよく覚えています。

1作目を見たのは池袋のシネマサンシャインで、公開2週間前の先々行オールナイトでした。当時はハリウッド大作をかなり早く観ることができたんです。良い制度でしたね。当時は座席指定なんて素敵なものはなく、良い席を確保するために3時間以上前から映画館に並びました。

これも非常によく覚えているのですが、当時キアヌは1994年の『スピード』でブレイクして以降、目立った出演作品がない時期でした。キアヌ自身が明かしていますが、1997年の『スピード2』出演を断ったせいで20世紀フォックスを出入り禁止になっていた頃です。僕自身『スピード』が一番好きな映画ということもあって、彼のキャリアにかなり注目していたので、久しぶりにキアヌが大作映画に出るということでテンションMAXで公開日を迎えました。

ちなみに、当時のキアヌは今のようにガンアクション、格闘アクションというイメージはありませんでした。さらに監督も謎のオタク兄弟(今は姉妹)だし、「キアヌがカンフー&ガンアクションをやる、それもマジメに」という事前情報を知り、「カンフーなんてできるんだろうか・・・」と、一抹の不安を持ってスクリーンの前に座ったのを覚えています。

ここで1999年の映画の流行をおさらいしておくと、香港パワーがハリウッドを席巻していた頃です。ジョン・ウーやジャッキー・チェンがハリウッドに進出し、『フェイス/オフ』や『ラッシュアワー』など次々と名作が誕生していました。ハリウッドのアクション映画は拳銃打ちまくり、カンフーで戦いまくりな時期でした。

そんな中、ついに目撃した世紀の映像革命『マトリックス』は、人生でもとても強い記憶として残る最高の映画体験のひとつでした。攻めすぎたデザインでめちゃくちゃ読みづらいパンフを買い、一緒に観た友達とハイテンションで映画館をあとにしました。帰宅して、ネタバレ回避で読まずにとっておいた特集映画雑誌、そして超読みづらいパンフを狂ったように読み耽り、劇中でオマージュされた作品もレンタルして鑑賞。

ウォシャウスキー監督は、日本のアニメはもちろん、香港映画、過去の名作から聖書に至るまでの要素を映画の中に詰め込んでいましたし、ドアの番号にまで意味を持たせていました。一度見ただけではとてもじゃないけど追いきれなかったので、雑誌などで考察情報を集め、3~4回は映画館で観たと思います。

公開から5か月後には、字幕も吹き替えも入っていない、英語のスクリプトが付属した完全英語版のDVDが発売。1カ月待てば字幕入りが発売されるのに、即予約購入し、英語の辞書片手に繰り返し再生しました。そして日本語対応のDVDも当然購入して、またヘビーリピート…。公開前後に発売されたムック本なども買漁りました。今考えると第1作『マトリックス』だけでいくら使ったんだろう…。

とにかくこれまでの映画人生でもトップクラスにハマった映画であり、映画人生を豊かにしてくれた大切な1本です。

今、このCGで何でもできてしまう時代に1999年の『マトリックス』を見直してみても、その面白さは全く色褪せていません。映像技術が進化した分、売りだった映像美よりもストーリーの面白さが際立ちます。斬新な世界観が面白いストーリーとマッチして、応援したくなる主人公にワクワク感が止まりません。やはり大事なのはストーリーなんだなと改めて認識しました。

いよいよ『マトリックス』シリーズ最新作『マトリックス レザレクションズ』が公開です。18年も経って新作が見られるなんて、映画ファンは続けておくものですね。きっと映画を見ながら、あの熱狂した日々を思い出すことでしょう。

 

【関連記事】

第1回:「いつも大きな作品の影に隠れていた『マトリックス』という映画」

第2回:「物語の“よみかえ”を教えてくれたあの作品が、今ここに“よみがえ”る!」

第3回:「マトリックス避けと日本文化の影響」

第5回:「人生劇場から、宣伝劇場へ」

 

 

【作品紹介】
目に見えるものが真実とは限らない。あなたが疑ったこともないこの[世界]は、本当に[現実]なのか?未来を選ぶとき、あなたの世界は一変する。何を信じるべきか、自分の目で見極めろ。全世界で空前の社会現象を巻き起こしたアクション超大作の新章、ついに登場。もし世界がまだ「仮想世界=マトリックス」に支配されていたとしたら、もし主人公ネオが救世主ではなかったとしたらーー!いま、新たな未体験の世界に飛び込む覚悟はあるか?

【キャスト】
キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス、ジェイダ・ピンケット・スミス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、プリヤンカー・チョープラー、ニール・パトリック・ハリス、ジェシカ・ヘンウィック、ジョナサン・グロフ、クリスティーナ・リッチ

【スタッフ】
監督:ラナ・ウォシャウスキー

公式サイト:matrix-movie.jp
公式Twitter:@matrix_movieJP #マトリックス #マトリックス復活

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12月17日(金)より全国公開!