「瀬田ミナコのシネまんぷく」第17回:自分らしく!自由に!暴れまくるハーレイに釘付け!『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』
共感シアター「KIQ STATION」のキャスターとしてもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!
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■今回の映画:『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』(2020)
日本の「お祭り騒ぎハロウィン」の時期に、仮装する人が急に増えたキャラクター、ハーレイ・クイン。皆さんの仮装でビジュアルだけはかなり前から知っていました。笑
私がアメコミ映画にはあまり詳しくないからなのか、前作スーサイド・スクワッドは、残念ながら私には合わず(ハーレイは悪エロカワで良かったですが)正直、今作も観ようか悩みました。
が、いざ見てみると、今作は前作とはまた全然違った印象で面白かったです!
ハーレイ・クインは、日本でも知名度の高い悪役アメコミキャラ、ジョーカーの彼女。ジョーカーの女という特権で、好き放題に暮らしていましたが、なんとジョーカーと破局。これからは自立した女になろう!と新しい生活を始めた矢先、ジョーカーの後ろ盾がなくなったことで、恨みを買っていた沢山の相手から命を狙われる身になります。ハーレイの命を狙うヴィランズの1人、ブラックマスクにつかまってしまったハーレイは、ブラックマスクが探しているダイヤを見つける代わりに命を助けてもらう約束をします。そして、ダイヤを飲み込んでしまった少女キャスと出会い行動を共にします。女刑事、ブラックマスクの店の歌手、復讐に燃える女暗殺と、色んな背景を持つ女性たちと手を組み、キャスとダイヤと自分のために大暴れするストーリーです!
兎にも角にも、ハーレイが可愛いです!!フェミニズムな要素の多い、奥の深い映画でもありますが、とにかくまず言いたいのは、ハーレイがかっこよくてお洒落で最高!ということです。それだけで観る価値あります。ファッションやメイクも可愛いのですが、武器やアクションシーンのセットもカラフルです。また爆発が色とりどりの花火だったり、、と映画全体を通してハーレイ・クインカラー全開!という感じで良かったです。
物語はハーレイが後から語っているという形で進んでいくので、時系列がぐちゃぐちゃです。彼女の「話したいところから話していくねー!」というテンションで進んでくので、途中よく分からなくなりかけます。笑
おかげで前半はたるんでしまった印象ですが、一応ちゃんと話が分かる絶妙な加減ですし、この映画はハーレイ・クインカラー全開!自由に好き勝手にやるぜ!という所が魅力だと思うので、分かりづらさはありますが、私的には好きな演出でした。
アクションシーンは、なんだかショーを観ているような感覚になりました!武器も色んなものが出てきますし、スケート靴履いてみたり、遊園地のアトラクションの中で戦ったりと、バラエティ豊かです。また、ハーレイをはじめとする女性登場人物達の、しなやかでアクロバティックなアクションは女性の素敵なところと、強さとが現れていました。
美脚から繰り出される強烈なキック、、かっこいい!!
さて、ここからはフェミニズムな要素のお話ですが、この映画でびっくりしたのは、出てくる男性達がことごとく悪い奴に描かれていてる事です。かなり極端で驚きました。男性がみたら「男にだって良い奴いるし!性別だけで分けようとしてるのはそっちじゃないか!」と不満が出そう、、なんて思いました。あくまで映画の中で、そして、女性解放のテーマを描くのに、女性達がクズ男どもをなぎ倒していく!という感じになっただけだと思うのですが、色んな男性の感想も聞いてみたい所ですね。
主人公ハーレイは主人(ジョーカー)から離れて自立していきます。ブラックマスクの店の歌姫ブラックキャナリーは「小鳥ちゃん」と呼ばれ、ナメられて所有物のようになっているところから、少女を守るためブラックマスクを裏切ります。女刑事モントーヤは、大事件を解決するも手柄を横取りされる事が続き出世出来ずにいます。完全にパワハラですね!そして復讐に燃える女暗殺者ハントレスは、自分の家族を殺したマフィアの男の1人に情けをかけられ助けられ、暗殺者へと育った女性です。復讐心に囚われて生きてきたハントレスですが、この映画の最後には復讐を終わらせ、モントーヤとブラックキャナリーと共に、悪と戦うチーム「BIRDS OF PREY」を結成します。
題名にもなっているこの言葉、直訳すると「猛禽類」です。籠の中の小鳥ちゃんなんかじゃないのよ、鳥は鳥でも私たちは猛禽類なのよ!!って感じで良いですよね。組織や誰かに従属しなくたって、たくましく生きる彼女たちにぴったりです。
他にもいろんなところに女性が対等に扱われないシーンやセリフが出てきます。そんな奴らをバタバタとなぎ倒していく姿は爽快です!
監督も脚本も女性で、ハーレイ役のマーゴット・ロビーも制作に加わっており、今彼女たちが作りたい映画を自由に作った!という印象です。もしかしたら女性よりの偏った部分があるかもしれませんが、映画なんだもん!フィクションなんだもん!希望が詰まってていいじゃないか!こんな映画があってもいいよね!と思いました。そんな映画でありながらちゃんとエンタメ作品になっているのがすごいところですね!
さて今回は、ハーレイがジョーカーとの破局宣言後に朝ごはんに選んだエッグサンドを作りました!
ハーレイが全財産を出してでも食べたかったお味。思い返せば、出てきた男性の中で1人だけクズ要素のほぼ無かったのがこのエッグサンドを作ってくれるサルさんです 笑
なんとこのサルを演じているブルーノ・オリバーがレシピを公開しているではないですか!せっかくなのでそのレシピを元に作っていきます!
鉄板は流石にないのでホットプレートで。まずは卵2個。卵が焼けていく瞬間って本当に美味しそう。
そしてベーコン!レシピ通り油控えめで焼いていきます!
パンもホットプレートで焼いて、溶かしたバターを塗っていきます。
そして!チーズ!これ大事!映画でもチーズはポイントのようでした。
最後にチリソースを少々。全部重ねたら袋に包んで食べやすいようにカットして完成です!!
パクッと一口食べて驚き!!めちゃくちゃ美味しい!!!想像を超えてきました。
ありふれた食材だけなのに、味付けもたいしてしてないのにどうした!っていうくらいに美味しいです。チリソースもいいアクセントになっていて、最高でした。
最後に、映画のラストシーン、やっとこのエッグサンドにありついて、一口食べた後、こちらにウインクしてくるハーレイ可愛いので必見です!!
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』の瀬田ミナコ的評価は、、、
星3.6!!!
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今回取り上げた作品はコチラ!
監督:キャシー・ヤン
キャスト:マーゴット・ロビー、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ユアン・マクレガー
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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
今後の公開予定作品:映画「種まく旅人〜華蓮(ハス)のかがやき〜」
その他:共感シアター「KIQ STATION」でキャスターとしても活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta
『瀬田ミナコのシネまんぷく』これまでの連載記事はこちらから!
https://moviemarbie.com/special/cinemanpuku_index/
※瀬田ミナコが出演中の「KIQ STATION」アーカイブ動画はこちら!
- 「瀬田ミナコのシネまんぷく」第16回:ラストシーンに鳥肌ゾクゾク!ジョーダン・ピール監督の社会派ホラー『アス』
- 「瀬田ミナコのシネまんぷく」第18回:スター・トレックが観たくなる!愛とユーモアが溢れるロードムービー『500ページの夢の束』