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「瀬田ミナコのシネまんぷく」第16回:ラストシーンに鳥肌ゾクゾク!ジョーダン・ピール監督の社会派ホラー『アス』

共感シアター「KIQ STATION」のキャスターとしてもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!

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■今回の映画:『アス』(2019)

怖い怖い怖い、、!!オバケ系じゃない怖いのは好きだぞ!と思いワクワクで見始めましたが、想像以上に怖かったです。。そして、2度面白い映画でした、、!!

今作の監督、ジョーダン・ピールのことは『ゲット・アウト』を観て知り、なんとも言えない違和感とその違和感の正体を知った時のゾクゾクがとても良かったのでアスも観てみることにしました。

ストーリーを一言で言うと、自分と同じ姿をしたクローン達が殺しにやってくる。というものです。

物語の主人公アディは、幼い頃遊園地で迷子になり、彷徨った先で自分と瓜二つの少女に出会います。それからずっと、その少女に狙われているような強迫観念に囚われながら大人になったアディは、夏休み、夫と子供と共に幼少期を過ごした別荘へと戻ってきます。そしてあの迷子になった遊園地へ再び訪れた日の夜、自分達と瓜二つの家族からの突然の襲撃に遭います。政府の都合で生み出され、廃棄され、地下でひどい暮らしをしてきたクローン達は、地上にいる自分たちの片割れを強く憎み、ついに襲撃に乗り出したのです。

前半の方がホラー要素が強くて、後半の方がサスペンス要素が多いように感じました。前半の方が得体の知れないものへの怖さがあり、敵が人間なのか化け物なのかすら分からないし、目的も分からないので不気味です。後半はクローンである「テザード」達も人間で普通に死ぬんだ、という事が分かってくるのでホラー的怖さは減ってきます。が、、ラストシーンには鳥肌が立ちました!

どんでん返し!と言われていたオチは、なんとなくそんな気がしていたオチだったので、そこに驚きはありませんでしたが、アディの微笑んだ顔が素晴らしい怖さで、分かっていたのにゾクゾク来ました。アディ役のルピタ・ニョンゴ、演技すごすぎです!!

この映画の主要登場人物はみんな、地上の自分とクローンとを、一人二役で演じてますが、それぞれちゃんと別の人に見えるから凄いです。特にルピタ・ニョンゴ演じるアディとクローンのレッドは、本当に別の人間に見えました。歩き方など体の動かし方すらも使い分けていて、すごいを通り越してちょっと怖いです、、笑

作中では、アディの家族は皆、自分のクローンは自分で殺します。自分と同じ姿の人に殺されるのも怖いですが、自分で自分を殺すほうが怖いなぁなんて思いました。頭がおかしくなってしまいそうですね。

さてクローンの事を作中ではテザードと呼んでいますが、このテザードの存在について、それは無理があるんじゃない?と思う設定が色々ありました。おかげで怖さ半減だし、嘘っぽくて残念だなぁと思って観ていました。壮大な設定にしすぎて収集つかなくなっちゃったのかな?とさえ思いました(監督ごめんなさい笑)なぜそこだけそんなに適当なんだ?ともやもやしたので、少しこの作品について調べてみました。

するとすぐに社会派ホラーというワードが出てきました。貧富の差などの社会問題を描いていると知ったとき、映画の見方が全く変わりました!すぐにもう一度頭から映画を見直しましたが、社会派映画として引き込まれました!途中「お前たちは誰だ?」という問いに対してテザードが「アメリカ人だ」と答えるシーンがあります。ジョーダン・ピールの凄さが詰まった印象的なセリフだと思いました。

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テザードの設定に無理があるな、と感じたのも納得です。社会の闇ともいえる部分をテザードとという姿にして描いただけで、彼らが現実味のある存在かそうでないかは重要じゃなかったんだなぁと二回目で分かりました。

アメリカの社会問題や、ジョーダン・ピール監督への知識があるかないかで全く違う映画にみえる作品でした。私は無知で、一回見ただけではこの映画の描きたい事まで自力では辿り着けませんでしたが、同じ映画を全く新鮮な気持ちで二回も楽しめたので、それはそれで良かったのかも知れません!

Film Title: Us

伏線の回収も見事で、なんなら伏線だと気付かず観ていた部分も沢山なので、2回と言わず5回くらいは余裕で見返せる映画なんじゃないかと思います。ここに書ききれないほどに社会への指摘やメッセージの込められた作品で、改めてこの監督すごいな、と感じました。

余談ですが、アディの旦那さん、好きです。空気読めなくて、凡人感満載で。娘には寒がられるパパで、良いイライラと気の抜けるシーンを作ってくれるナイスキャラだと思いました!

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さぁ今回は、子供のアディが迷子になったあの日、手に持っていたりんご飴を作りました!

マイケル・ジャクソンの黒いスリラーTシャツと、真っ赤なりんご飴がちょっと不気味なシーンです。アメリカにもりんご飴ってあるんですね!

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まずはりんごを水であらいます。皮ごと食べるのでしっかり洗ったら割り箸をさしておきます。

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深めの鍋に砂糖、お水、食紅をいれて火にかけます。

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充分な熱さになったら火を止めて飴が固まる前に急いでりんごに絡めていきます。もたもた、グリグリやると綺麗にコーティングできないので、一回しで全体にかかるように集中です、、、

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クッキングシートに並べて完成です!

真っ赤でかわいい!けど映画の中だとこの赤さがなんだか怖いんですよね~

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実はりんご飴って食べたことなくて。人生で初めて食べました。飴が甘くてパリパリしていてりんごはジューシーで、とても美味しかったです。

ごちそうさまでした。

 

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『アス』の瀬田ミナコ的評価は、、、

星3.9!!!

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今回取り上げた作品はコチラ!

監督・脚本:ジョーダン・ピール

キャスト:ルピタ・ニョンゴ、ウィンストン・デューク、エリザベス・モス、ティム・ハイデッカー

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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
今後の公開予定作品:映画「種まく旅人〜華蓮(ハス)のかがやき〜」
その他:共感シアター「KIQ STATION」でキャスターとしても活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta

 

『瀬田ミナコのシネまんぷく』これまでの連載記事はこちらから!
https://moviemarbie.com/special/cinemanpuku_index/

 

※瀬田ミナコが出演中の「KIQ STATION」アーカイブ動画はこちら!