「ムービーマービーアワード2021」ノミネート作品⑥『マトリックス レザレクションズ』一度世界を変えたシリーズが、再び世界を変える。いや、すでに変わり始めている。
ムービーマービーが読者の皆様と共に毎年ベストな1本を決める最もユーザーフレンドリーな映画賞「ムービーマービーアワード」。今回は、昨年末からTwitterで募集した作品と、ムービーマービー編集部が選出したノミネート作品、計14本の中から今年度の「ぜったい面白い映画大賞」を決定します！
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ノミネート作品⑥
『マトリックス レザレクションズ』
一度世界を変えたシリーズが、再び世界を変える。いや、すでに変わり始めている。
ハリウッドでは毎年のように、数十年前に終わっていたはずのシリーズのリメイク作品や続編(または前日譚)が作られています。この『マトリックス レザレクションズ』も18年ぶりの続編ですが、過去の栄光にすがり単なる儲けを狙っただけのそこらへんの映画とはひと味もふた味も違いました。
本作のストーリーは元々、監督のラナ・ウォシャウスキーが両親や親友という近しい者の死に打ちのめされた経験から生まれたものだそうです。主要人物のネオとトリニティーも前作のラストで死んでしまったはずですが、悲しみを乗り越えるためにレザレクション(復活)させました。フィクションは現実から生まれ、そして現実を変容させるもの。ただのSFアクションとして本作を観た場合、もしかしたら若干物足りなさを感じてしまうかもしれません。当然ですが前作までの世界観を引き継いでいるので、1999年当時、最初に『マトリックス』を目にした時のような衝撃を受けることは不可能だからです。もしこれが初めての『マトリックス』体験だったとしても同様でしょう。『マトリックス』に影響された他の作品を観た経験があるはずだからです。我々は、すでに『マトリックス』が変えてしまった現実に生きているのです。“代わり映えしない”理由はもうひとつあります。なぜなら、本作はこれまでと“360度”違うから。一周回った上で、最初と同じ方向を見据えているから。
「最も個人的なことが最もクリエイティブなことである」。これは『パラサイト 半地下の家族』でパルム・ドールを受賞したポン・ジュノ監督に勇気を与えた、巨匠マーティン・スコセッシの言葉です。トランスジェンダーとして生きるラナと妹のリリーの思いは、映画『マトリックス』となって世界を変えました。そしてまた、本作は救世主と呼ばれたネオのようにラナ自身をもレザレクションさせ、再び現実世界に変化を与えようとしています。しかしネオは、ひとりで全てをなしえたわけではありません。トリニティーもまたネオの救世主だったのです。やはり、本シリーズは最初から最後まで同じ話…いえ、360度違う話をしていたのです。そう、“AI”についての話を。
【キャスト】
キアヌ・リーブス、キャリー＝アン・モス、ジェイダ・ピンケット・スミス、ヤーヤ・アブドゥル＝マティーン２世、プリヤンカー・チョープラー、ニール・パトリック・ハリス、ジェシカ・ヘンウィック、ジョナサン・グロフ、クリスティーナ・リッチ
【スタッフ】
監督：ラナ・ウォシャウスキー
公式サイト：matrix-movie.jp
(C) 2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED
★応募はこちらから！！
投票期間：1月17日（月）～2月4日（金）
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