【第34回東京国際映画祭】橋本愛にイザベル・ユペールが登壇！オープニングセレモニーレポート！

2021.10.30

私たちには映画が必要で、映画は私たちが必要
第34回東京国際映画祭
オープニングセレモニーレポート

第34回東京国際映画祭が本日10月30日(土)より開幕した。映画祭初日となる本日にはオープニングレッドカーペット、そしてオープニングセレモニーが行われた。
和奏女子楽団ウーマンオーケストラによる生演奏で幕を開けたセレモニー。『ボヘミアン・ラプソディ』を始め音楽映画の名曲を演奏し、セレモニーを華々しく彩った。演奏が終わると安藤チェアマンが登壇し、映画祭の開幕を宣言した。

映画祭の開催にあたって岸田内閣総理大臣のビデオメッセージが上映された。岸田総理は「第34回東京国際映画祭が開催されますこと、心よりお祝い申し上げます。中学生の時に観た『アラビアのロレンス』、大学生の時に観た『風と共に去りぬ』、映画の世界に没入した興奮は今も鮮明に覚えています。映画などのコンテンツは人間の想像力の結晶であり、我が国の経済成長の鍵を握るのは、こうしたソフトパワーであると確信しています。東京国際映画祭は我が国の文化や優れたコンテンツを世界中の人々に知って頂く大変重要な機会です。この映画祭で我が国の映画やアニメの魅力が多くの人々に届くことを期待しています。東京国際映画祭の成功と我が国の映画産業のますますの発展を祈念いたしまして、挨拶とさせて頂きます」と語った。

続いて登壇したのはフィルムアンバサダーに任命された女優の橋本愛。昨年は自身の出演作『私をくいとめて』が映画祭の観客賞を受賞した橋本。「今年のアンバサダーを務めさせて頂きます橋本愛です。今年こういう状況でもたくさんの人のおかげで、映画祭が開催できたというありがたみを噛み締めています」と挨拶。

今年の映画祭の大きなテーマである「ボーダーを越えること」について聞かれた橋本は「ボーダーっていろんなボーダーがあって、男女の性別とか、世界各国の物理的なボーダーもありますし、色んなボーダーがある。その中でお互いに違いを認めながら、どう歩み寄るかを考えるのが、人との繋がりにおいて大事だと思う。そうやって今を生きている人の心や感性を育てるのが映画の大きな役割だと思うので、この映画祭を通してそういう知識を日本という国に持ってきて、広げてくれるこの映画祭は、映画を生きる一人の人間として非常に嬉しい気持ちです」とコメントした。

大の映画ファンであることでも知られる橋本愛、日本の映画館の魅力について聞かれると「東京の名画座やミニシアターに結構行くんですけど、映画館によってカラーも空気感も違うし、席の質感も違う。上映している映画の違いとか、そこの映画館でしか味わえないものがある。それが映画館の大好きなところ。日本の映画館ということではなく、その場所の、そこにしかない映画館という特別感がすごく好きです」と語った。

ここで本年度の各部門が紹介。昨年と違い、今年はコンペティション部門が復活。他にもウェス・アンダーソン監督最新作をはじめ、カンヌ国際映画祭やヴェネツィア国際映画祭など、世界の映画祭で高い評価を得た作品が上映される。各部門の説明に際して、今年新設された「Amazon Prime Video テイクワン賞」の審査員を務める行定勲監督や、今回の映画祭で特集上映が組まれている吉田恵輔監督も紹介された。

次に紹介されたのは国際映画審査員。例年、世界で活躍する映画人が審査員長に就く。今年その役職を任されたのはフランスが誇る名女優イザベル・ユペール。黒いドレスを身に纏ったユペールは以下のように挨拶。

「コンバンハ。このような形で映画祭が開催されたのは良かったと思います。“私たちは一緒に映画を観たい”、コロナ禍において私が一番言いたかったことです。セレクションを見ると素晴らしい作品が揃いました。私たちには映画が必要で、映画は私たちが必要です」

最後にこの後上映されるオープニング作品『クライ・マッチョ』を紹介。スティーブン・スピルバーグやヒラリー・スワンク、メル・ギブソンがイーストウッドの偉大さを語るスペシャル動画が上映された。さらには監督を務めたクリント・イーストウッドから「日本の皆さんへ。最新作が第34回東京国際映画祭のオープニング作品に選ばれたことをとても光栄に思います。本当にオープニングセレモニーに参加したかったです。この映画はコロナ禍で撮影されたものです。私はこの映画が映画業界に勇気と強さをもたらす作品になればと思っています。どうかお楽しみください」というメッセージが届いた。

こうしてオープニングセレモニーは終了。第34回東京国際映画祭は本日より11月8日まで開催される。