MOVIE MARBIE

文：屋我平一朗（日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー）

昨年12月には、DCスタジオの共同CEOジェームズ・ガンが「昨日ベンと会ったのは、まさに彼が監督をしたがっていて、僕たちも彼に監督してほしいからなんだ。ふさわしいプロジェクトを見つけなくちゃ」とツイートしている。その後、アフレックに心境の変化があったということだろうか。彼は今回のインタビューで、『ザ・フラッシュ』の5分間だけの登場シーンに手応えを感じているとしながらも、『ジャスティス・リーグ』の体験は最悪だったと振り返っている。DCを率いてきたザック・スナイダー監督が途中で降板し、マーベルの『アベンジャーズ』で知られるジョス・ウェドン監督が引き継いだ後のことだ。

アフレックは、「バットマン映画を監督するつもりだった(後にマット・リーブス監督によって『THE BATMAN -バットマン-』として映画化)のに、『ジャスティス・リーグ』でもう辞める、こんなの二度とごめんだ、自分には向いていないと思った。最低な経験に満ちているこのビジネスの中でも最悪の経験だった。心が折れたんだ。(中略)大量に飲酒し始めたよ(アフレックは長年アルコール依存症の治療をしてきた)。ロンドンのホテルに戻ったら、そうするか窓から飛び降りるかしかなかった。そしてただ思ったんだ、これは望んでいた人生じゃないって」と語っている。

インタビュアーから「DCがあなたに、何か監督したいかって言ってきたら？」と尋ねられたアフレックは、「ジェームズ・ガンのDCのために何かを監督することはない。絶対に。彼には何の恨みもないよ。ナイスガイだし、きっと素晴らしい仕事をするだろう。ただ、彼らのやり方に乗って監督したいとは思わない。興味がないんだ」と返答。それだけ『ジャスティス・リーグ』の撮影が辛かったようだ。トラウマ的体験となったのはアフレックだけではなく、ウェドンはこれまでにサイボーグ役のレイ・フィッシャーとワンダーウーマン役のガル・ガドットからも現場での傍若無人ぶりについて告発されており、フィッシャーが発言した際にはアクアマン役のジェイソン・モモアも支持を表明している。

アフレックはかねてより、今年のクリスマスに全米公開予定の『Aquaman and the Lost Kingdom(原題)』にも出演すると言われているが、昨年12月の試写では全く姿が映っていなかったという報告もある。ガンは『ザ・フラッシュ』がDCユニバースをリセットすると話しており、まだその後の展開が読めない状況だ。幸いなことに、ガンが太鼓判を押す『ザ・フラッシュ』はトム・クルーズも鑑賞済みで、「映画に求めるものの全てだ」「僕らに今必要なのはこういう映画だ」と絶賛したことが伝えられている。映画に求める全てが詰まった『トップガン マーヴェリック』を作り上げたクルーズが言うのだから間違いないだろう。アフレックの件は残念だが、『ザ・フラッシュ』が悪いニュース続きのDCを照らす光になると信じよう。

ソース
・https://twitter.com/JamesGunn/status/1603211850681704448?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1603211850681704448%7Ctwgr%5Eade4de53d3d7adcee5ed590f4d75dfc3edb3be99%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.frc-watashi.info%2Fjames-gunn-commnet-ben-affleck-meeting-for-direct
・https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-features/ben-affleck-air-production-company-grammys-memes-justice-league-1235353301/
・https://comicbookmovie.com/aquaman/aquaman_and_the_lost_kingdom/aquaman-the-lost-kingdom-reportedly-test-screened-and-there-was-no-sign-of-ben-afflecks-batman-a198220
・https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/tom-cruise-has-seen-the-flash-movie-1235355326/