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A24『X エックス』デザイナー大島依提亜&映画ライターSYO登壇、試写会トークイベントレポート「誰もが気軽に楽しめる最高の映画」

A24が仕掛ける真夏のエクストリームライド・ホラー
『X エックス』
デザイナー大島依提亜&映画ライターSYO登壇
試写会トークイベントレポート

日本でもスマッシュヒットを記録した『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』を手掛けた気鋭の映画スタジオA24が贈る、真夏のエクストリームライド・ホラー『X エックス』(7月8日公開)の全国公開を前に、28日都内で試写会が行われ、上映後に特別ゲストとして映画の日本版アートデザインを担当する大島依提亜と、進行役に映画ライターのSYOが登壇し、試写会トークイベントが開催された。

“新スクリームクイーン”と称されるジェナ・オルテガの超絶絶叫顔が前面に、また本作に登場する史上最高齢の殺人鬼おばぁ・パールが後ろにそれぞれ大きくプリントされたお揃いの『X エックス』Tシャツで登場したふたり。一足早くマスコミ向けの試写にて作品を観終えたあとに興奮冷めやらずすぐさまA24のショップでグッズを購入したというA24への熱い信頼度が伺えるトークからスタートしたイベントは、試写会に参加した観客も「A24作品だから応募した」という人が大多数。そんな、世界的に注目を集める波に乗ったスタジオA24の新作ホラー『X エックス』、初見の感想を大島は「めっちゃ最高でした!(劇中で、3組のカップルたちがポルノ映画を撮影するという)設定だけ聞くと、このご時世に映画化するのってなかなかリスキーだなと思っていたんですが、ちゃんとそこに遺憾なくチャレンジして、なおかつ社会的なメッセージ性も織り込んで着地させるというアクロバティックさがすごいなと。脚本がよく練られていて秀逸ですね、あっぱれ!と感心しました」と絶賛。

また、大島は本作の魅力について「史上最高齢の殺人鬼夫婦に襲われる男女6人の映画クルーたちがみんな悪い人たちではないところ」だと続ける。70年代、80年代の名作ホラー映画へのオマージュがたくさん散りばめられた本作。アメリカのテキサス州を舞台に、男女グループが古びた屋敷を訪れ恐怖の一夜を過ごすことになる・・という大筋のシチュエーションの共通性はまさに『悪魔のいけにえ』への多大なリスペクトを感じさせるが、「ある時期から、おバカで悪い登場人物たちが制裁を加えられるがごとく殺されるという、ある種殺人鬼の正当性を感じさせるような教訓めいた設定のホラー映画が増えてきた気がしていて、その点『X エックス』は登場人物たちが良い人であっても容赦なく殺されていくという、70年代ごろのホラーの基本に立ち返っているように感じました」と、物語の描き方にも古き良きホラー作品へのタイ・ウェスト監督の愛が根付いていると力説。

またSYOからの、“なめてた相手が殺人マシンだった”的展開の映画を指す、いわゆるナーメテーター映画に本作が該当するのではという指摘には、「冷静に考えると、90歳の史上最高齢の殺人夫婦って、これまでの殺人鬼たちに比べたら最弱じゃないですか?(笑)」とまさかの最弱発言。しかし、「“殺す”ということに対してリミットを超えた人間は例え殺人能力がなくても、容易に若い人をも殺せてしまう、という点は恐ろしいですよね」と殺人鬼夫婦の残忍性を改めて主張した。

作品について、SYOが「観た後にいろいろ語れる作品です。伏線回収の描き方などやっぱりみせ方がうまいので、仮にオマージュされている作品のことを知らなくても、キャラクターたちについて考察して語ることもできるし、画的なおしゃれさもあるしA24らしいホラーに仕上がっています」とまとめると、大島も「往年のホラー映画の定石を踏まえつつ、現在の問題にもクローズアップして、掘ると意外と深いテーマ性を含んでいるところがほかのA24作品とも一線を画すポイントかなと思います。過去の作品のオマージュがたくさん盛り込まれているけど、それなしでも誰もが気軽に観て楽しめる作品になっているのが素晴らしい」と続け、最後に試写会に来場した観客に向け大島が手掛けた劇場用のパンフレットも特別に初お披露目された。『ミッドサマー』をはじめ数々のA24作品の日本版デザインを担当することが多い大島。今回もA24からそのアートワークが賞賛されたという渾身のデザインのパンフレットには、SYOの解説ページのほか読み応えのある充実した内容になっており、近日公式より正式に発表予定ということでさらに期待が高まる。

【ストーリー】
1979年、テキサス。女優のマキシーンとそのマネージャーであるウェイン、ブロンド女優のボビー・リンと俳優のジャクソンは自主映画監督の学生RJと、その彼女で録音担当の学生ロレインと映画撮影のために借りた農場へ向かう。映画のタイトルは「農場の娘たち」。この映画でドル箱を狙う――6人の野心はむきだしだ。農場で彼らを待ち受けたのは、みすぼらしい老人ハワード。彼らを宿泊場所として提供した納屋へ案内する。一方、マキシーンは、母屋の窓ガラスからこちらを見つめる老婆と目が合ってしまう……。

【キャスト】
ミア・ゴス、ジェナ・オルテガ、ブリタニー・スノウ、スコット・メスカディ(キッド・カディ)、マーティン・ヘンダーソン、オーウェン・キャンベル、ステファン・ウレ

【スタッフ】
監督・脚本:タイ・ウェスト

提供:ハピネットファントム・スタジオ、WOWOW
配給:ハピネットファントム・スタジオ
原題:X|R15+|2022年|アメリカ映画|上映時間:105分
©2022 Over The Hill Pictures LLC All Rights Reserved.
公式HP:https://happinet-phantom.com/x/
公式twitter:@xmovie_jp

7月8日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

 

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