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魔夏のホラー特集!ホラーマニアが「ガチで怖い!」と思った映画特集 vol.2

本当に怖い映画って何でしょう。恐怖シーンで飛び上がってしまうもの? 見た後も頭にこびりついて忘れられないもの? 筆者が考える答えのひとつは“嫌”な映画、です。ひどい嫌悪感を催したり、これ以上悲惨な展開になるのを見たくなくなったり。「もうやめてくれ……」と懇願しながらも、目を背けたくなりながらも、どうしても目が離せない映画。

今回はそんな最恐映画を、比較的最近のものから4作品ピックアップして紹介します!

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

 

〈気色悪いもの、全部見せます〉
1.『ミッドサマー』(2019)

最近で一番の衝撃作と言えばやはりコレ。アメリカの大学生が、スウェーデンの牧歌的でお花が咲き乱れるメルヘンなカルト村へ旅行して二度と帰れなくなります。本作がすごいのは、普通のホラーと真逆のことに挑戦しながら、普通のホラーより恐ろしくなっている点。パッと見はポップでキュートなのに、理解を遥かに超えた因習が始まるとドン引きの連続。しかも、白夜で有名なスウェーデンなので、それら全てが白日の下で行われてしまうのです。崖の上に老いた村人が立つところから嫌な予感がし、本作はその予想を裏切りません。が、予想以上に最悪な絵面があなたを襲います。ホラーは画面が暗くて、よく見えないのが怖さを駆り立てる? いえいえ、そんなジョーシキは捨ててしまいましょう。もうここは異国なのですから……。また、本作に登場する慟哭や悲鳴などの人の声も非常に不快です。でも人によっては、本作は見ていて心地良いようです。怖い。

監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ヴィルヘルム・ブロムグレン、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ウィル・ポールター 他

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〈笑顔なのに気味が悪い〉
2.『SMILE/スマイル』(2022)

誰もが良いと思っているもの、それは笑顔。金銭に代えがたいプライスレスな価値を持つはずのそれが、本作では最悪の象徴になります。ソシー・ベーコン(ケヴィン・ベーコンの娘)演じる精神科医ローズは、目の前で患者が笑いながら首切り自殺したのをきっかけに、誰もが不気味な笑顔で見つめてくる幻に囚われてしまいます。それだけでも十分嫌なのですが、ローラは母親が精神を病んで自殺しており、他人からはそのせいでおかしくなったのだと思われてしまうのです。ローズ自身は何も悪いことをしていないので、ものすごくいたたまれない気持ちになります。こういった、誰も悪くないのに事態が悪化していってしまう映画では、主人公への感情移入がとてもしやすく、また自分が同じ目に遭ったらという想像もしやすいのでなかなか恐怖度が高いと思います。そんな本作は、『アラジン』のジャスミン役で知られるナオミ・スコット主演の続編が進行中。やった?

監督:パーカー・フィン
出演:ソシー・ベーコン、カイル・ガルナー、ケイトリン・ステイシー、ジェシー・T・アッシャー 他

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〈頭に直接作用するタイプの映画!?〉
3.『呪詛』(2022)

本作は主人公ルオナンがYouTuberであるため、劇中のカメラで撮影されているようなPOV(主観映像)形式になっています。興味本位でカルト教団の集落に潜入して、見つかって追いかけられハラハラするシーンなどは言うまでもなく臨場感たっぷりですが、それだけならよくあるホラーです。本作で特殊なのはPOVやストーリーではなく、ギミック。ルオナンは、集落潜入のせいで娘が受けた呪いを解こうとするのですが、本作は例えるなら大きな音で人間を生理的に脅かすジャンプスケアのように、人間である限り絶対に逃げられない方法で我々に呪いを吹き込んでくるのです。これは恐らく、映画以外では誰もが経験済みの仕掛けでしょうが、映画で使われているのは見たことがありません。非常に斬新な手法で、印象的です。その証拠に、筆者は劇中に登場する呪文を鑑賞からちょうど2年経った今でもカンペキに覚えています。ちなみに、本作も続編が進行中。

監督:ケヴィン・コー
出演:ツァイ・ガンユエン、ホアン・シンティン、ガオ・インシュアン 他

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〈人間性を疑うレベルの悪魔的発想〉
4.『哭悲』(2021)

『SMILE/スマイル』と全く逆で、本作で印象的なのは泣き顔です。ホラーで泣き顔なんて、珍しくも何ともない……と思ったら大間違い。「アルヴィン」という名の新型ウイルスが広がり大混乱となった町で、離ればなれになったカップルが互いを探すというストーリーなのですが、この「アルヴィン」が引き起こす症状があまりにも最悪です。人間の欲望のリミッターを外すので、感染者は普段理性で抑え込んでいることを何でも実行に移してしまうようになるのです。「熱々の油を人にかけたらどうなる……?」とか! それ以上にヤバいのが、「感染者にも罪悪感は残っているので、残虐行為をしながら泣く」という設定。監督には人の心がないのでしょうか? 「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」とジュール・ヴェルヌは言いましたが、究極的には諸悪の根源がウイルスでないのも戦慄ポイント。人々が元々持っていた欲望が発散されただけなのですから。

監督:ロブ・ジャバズ
出演:ベラント・チュウ、レジーナ・レイ、ワン・ツーチャン 他

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いかがだったでしょうか。

どれも強烈に嫌な作品ですが、だからこそ優れたホラーとして黒く輝いています。そもそも、死が描かれるホラーというジャンルは、生ける我々にとって嫌なのは当たり前。ホラー鑑賞は、人間だけに許された、タブーに近づくのをあえて楽しむ何とも高尚な趣味なのです! 今後も、嫌なホラーが作られ続けるのを願って……。

 

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