MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

【終戦記念日特集】学校では教えてくれない戦争の本当がわかる映画たち⑤/アメリカ参戦、史上最大の作戦へ 『史上最大の作戦』『パリは燃えているか』

8月。終戦記念日。

どうも日本人にとって戦争というのは、ある種のセンチメンタリズム(感傷主義)でしか語ってはいけない感じですよね。しかも、まず「もうしません」みたいな反省からはいる感じで気が重い。
高校の授業で20世紀の世界大戦を学ぶ時間もほとんどない。3学期のギリギリに複雑で政治的な匂いもある戦争なんて、先生もちょっと避けて通りたいのかもしれない。そうなると多くの日本人はテレビ番組のイメージで戦争を捉えてしまう。つまりセンチメンタリズムですね。焼野原の東京や広島・長崎の悲惨な姿や、アジアの国々の「被害者」からの怨嗟の声。

「戦争というのは嫌なものだなぁ」

つらいんで大体の人の思考はそこでストップしてしまいます。
それでいいんでしょうか?考えてみてください、これは特筆すべき人類の歴史です。戦争は政治も経済も社会も、人材も科学も一箇所に力を集中しますので、多くの先鋭的な結果を残します。インターネットや携帯、GPS、電子レンジなど現代を支配している文明が、図らずも戦争から生み出さたれたように、戦争の事実から学べることがもっとあるような気がします。
その中には「どうしたら戦争にならないか」も含まれていることでしょう。

今回は、終戦記念日企画として、「第二次世界大戦の真実」特別講義!
学校の授業、普通に接しているマスコミでは決して触れない角度から第二次世界大戦を解説!秘められた歴史の真実から、8月みるべき映画を特集してみます!

文:たんす屋(神社好きの中年Youtuber)

学校では教えてくれない戦争の本当がわかる映画たち⑤

アメリカ参戦、史上最大の作戦へ
『史上最大の作戦』『パリは燃えているか』

ルーズベルト、参戦への目論見
1941年12月8日、ハワイ真珠湾で日本は「かませ犬」としての役割を全うし、それどころか太平洋艦隊を壊滅させてしまいました。暗号解読によって知っていたとはいえ予想の斜め上の惨状にルーズベルト大統領は「リメンバー・パールハーバー」と怒りを露わに日本への宣戦布告を行い、同盟関係のナチスドイツとも開戦しました。遂にチャーチル英国首相の願いが叶ったのです。
これまで、「ナチスドイツを止められるのは、アメリカだけだ。」というチャーチルの要請に応えるためルーズベルトは、中国大陸で迷走を続け反米感情を露にし始めた日本に狙いを定めていたのです。(もし、日本から攻撃をしかけてきたら、アメリカ国民は正義の戦いに立ちあがるだろう)ルーズベルトは対日交渉をあえて強硬な態度で進めて、日本が「キレる」のを心待ちにしていたのです。

裏では「この男」がいつも絵を描いている
アメリカの参戦、世界大戦の実現。これは(ヒトラーを倒すために)チャーチルが望んだことをルーズベルトが実現するために、日本の宣戦布告に向けて暗躍したと考えがちですが、その一枚裏側にスターリンと共産主義があったことを忘れてはなりません。第二次世界大戦の主役は、この権謀術数の天才スターリンだと言っても過言ではないでしょう。スターリンにとって最も困るのは前も述べましたが、ドイツと日本に挟み撃ちにされることです。彼は同時に内部の粛清もやってたりして、この国難に頼るべきソ連軍の将校を自ら殺しまくっていた弱みもありました。組織の復活に時間が必要だったのです。

ですが、スターリンは自ら外交で「ルーズベルトさん参戦お願いします」などとやったりはしません。世界に闇のネットワークを広げる国際共産党=コミンテルンを使って日本はゾルゲや尾崎秀実などスパイを動かし、政府中枢とメディアに働きかけます。実は同じような動きをアメリカにもしていました。日本に向けての最後通牒となった「ハル・ノート」は妥協のかけらもない挑発的な内容ですが、この文章を作ったのハル(男です)国務長官の側近、ハリー・デクスター・ホワイト、アルジャー・ヒスは後年、ソ連のスパイだと明らかになりました。

これらの状況は95年に発見されたソ連の政府極秘資料「ヴェノナ文書」によって明らかにされた事実ですが、ルーズベルトは共産主義国家ソ連を国として認めた初めての大統領だったりして、日本の近衛首相の場合もそうですが、ルーズベルトの周りにも多くの共産主義者が入り込んでトップの判断を狂わせていたことがわかります。共産主義おそるべしです。

だから戦後78年目を迎えた日本人が覚えておかなければいけないのは、先の大戦は帝国主義という時代の政争いの中で仕組まれた世論操作の結果だということです。「我々は中国に悪いことをした」「アメリカと無謀な戦争をした」だからといって現代の我々が「日本人のせいだ」などと感情的に反省しなくていいという事なんです。そんな反省をしても戦争はなくなりません。現に未だに日本人はメディアによって振り回されているじゃないですか。振り回された自分が悪いなんて「反省」しますか?

学校は決して教えないこの事実から学ばなければ、日本はまた同じような状況で戦争をすることになります。

遂に英米ソ3巨頭相まみえる
さて、太平洋戦争は42年6月のミッドウェー海戦で、ヨーロッパ戦線は42年11月のスターリングラード攻防戦で転機を迎えます。これ以降、日本=ドイツの枢軸国側は退く一方、守勢に立たされます。この後、チャーチルとルーズベルトは頻繁に会談をするようになります。東条とヒトラーの首脳会談なんてないですよ。連合国側に制空権があるということと、情報共有に対するただならぬ熱意を感じます。

43年1月 カサブランカ会談 対ドイツ戦を相談(英米)
43年11月22日 カイロ会談 対日本戦を相談(英米中)蒋介石同席。
満州どころか、台湾まで返せという声明を出す。(尖閣諸島問題もここが発端)
43年11月28日 テヘラン会談 (英米ソ)スターリン同席

このテヘラン会談でついにチャーチル、ルーズベルト、スターリンとの直接会談が実現します。席上スターリンはソ連国内で行われた独ソ戦で国はボロボロだと訴え(事実、第二次世界大戦でソ連は最多2000万人の戦死者を出している)、なぜ英米は助けないのか?西側から攻めろ!ドイツを挟み撃ちにせよ!と訴えた。これに対してチャーチルは重要な要請をしていますね「暴力革命を標榜する組織を世界中にはびこらせている国とどうして共同作戦などできようか」。

スターリンはこの後コミンテルン(国産共産党)を解散します。共産主義者が側近にあふれていたルーズベルトにこの発言は言えないでしょうね、チャーチルさすがです。この会議を受けて、翌年オーバーロード作戦が発動され、6月の【史上最大の作戦】ノルマンディ上陸作戦で英米連合軍がフランスの海岸に取り付き進撃、8月25日までにパリを解放します。

アメリカ対ドイツの戦いを描いた戦争映画は名作揃い
映画『史上最大の作戦』『パリは燃えているか』は紛うことなき傑作と言われてまして、『史上最大の作戦』は『トラ、トラ、トラ!』などドキュメンタリータッチの戦争大作の一番最初もので、ジョン・ウェイン、ショーン・コネリーあたりの名のある豪華俳優たちが歴史の1コマを再現するために泥にまみれて地味にがんばる姿が印象に残る作品です。ノルマンディの海岸を守る敵将は連合軍側にもその名が轟いてた名将ロンメル。彼により要塞化された海岸に取りつこうと大西洋を埋め尽くさんばかりに現れる上陸用舟艇。浜辺でのクライマックスの迫力は只ならぬものがあります。特に激戦地といわれたオマハビーチの死闘は『プライベート・ライアン』の冒頭で描かれていてご存じの方も多いと思いますが、あそこに至るまでとあの後の物語が知りたい方はぜひ『史上最大の作戦』をご覧ください。

※『史上最大の作戦』予告

もうひとつ『パリは燃えているか』は、オーバーロード作戦の終着点パリの解放を描いたものですが、これは作戦側と政治側の思惑の違いが浮き彫りにされます。作戦側としてはパリなんか落とすのは大変だし、解放したら次の日からあの大都市を食わさなければならないし大変だ、というのことでパリをスルーしてドイツに迫ることを考えます。

しかし、自由フランス臨時政府のドゴール将軍は「もし連合軍でなく、レジスタンス(反ナチスのゲリラ)がパリを解放してしまったら、その勢力には共産主義者が多く入り込んでいるからフランスは共産主義化してしまう可能性があるぞ」と訴え、連合軍は正面からのパリ解放を目指す事になります。だが市街戦でパリの美しい街並みが瓦礫の山になる危険性は高かったのです。実際ヒトラーはパリ防衛の責任者コルティッツ将軍に、主だった歴史的価値のある建造物に爆薬を仕掛けさせ、いざとなったら破壊せよと命じていました。タイトルの『パリは燃えているか』は最後の電話で聞こえてくるヒトラーの言葉「パリを命令通り破壊したのか?」という意味です。

※『パリは燃えているか』予告

『史上最大の作戦』のロンメルや『パリは燃えているか』のコルティッツもそうですが、どちらも敵ながらアッパレという人格者が出てくるあたりがいいんですよね。勧善懲悪的な描き方じゃないあたりが、この時期の戦争大作のいいところだと言えるでしょうね。

追記:日独伊三国同盟なので、イタリアはどうしたのか?という風に思う方もいらっしゃるかもしれませんがムッソリーニのイタリアは第二次世界大戦ではほとんど機能しておりません。ただ、ムッソリーニと言えば連合軍によってたどり着くことも難しい山頂のホテル監禁された彼をグライダーで救出した、ドイツ親衛隊で極秘任務ばかりを担当したオットー・スコルツェニー中佐の物語はヨーロッパで最も危険な男: オットー・スコルツェニーとスペインの生活というドキュメンタリーで見ることできますので必見です。

 

※次の記事を読む何故原爆は落とされたか?(前編)カミカセ・ニッポンへの恐怖心『永遠の0』

 


『史上最大の作戦』(1962)

Apple TVで視聴する⇒こちら
TELASAで視聴する⇒こちら

出演:ジョン・ウェイン、ロバート・ミッチャム、ヘンリー・フォンダ、エディ・アルバート、リチャード・バートン、クルト・ユルゲンス ほか
監督:ケン・アナキン、アンドリュー・マートン、ベルンハルト・ビッキ
脚本:コーネリアス・ライアン、ジェームズ・ジョーンズ、ロマン・ギャリー、デヴィッド・パーセル、ジャック・セドン
製作:ダリル・F・ザナック、エルモ・ウィリアムズ
原作:コーネリアス・ライアン
撮影:ジャン・ブルゴワン、ワルター・ウォティッツ
音楽:モーリス・ジャール
編集:サミュエル・E・ビートリー
配給:20世紀フォックス


『パリは燃えているか』(1966)
Amazonで購入する⇒こちら
出演:カーク・ダグラス、グレン・フォード、ゲルト・フレーベ、イヴ・モンタン、ジャン=ポール・ベルモンド、ロバート・スタック、アラン・ドロン ほか
監督:ルネ・クレマン
脚本:ゴア・ヴィダル、フランシス・フォード・コッポラ
製作:ポール・グレッツ
原作:ラリー・コリンズ、ドミニク・ラピエール
撮影:マルセル・グリニョン
音楽:モーリス・ジャール
編集:ロバート・ローレンス
配給:パラマウント

【関連記事】
【終戦記念日特集】学校では教えてくれない戦争の本当がわかる映画たち
75年目の終戦記念日 僕らは太平洋戦争(第二次世界大戦)の何を心に刻むべきか?『日本のいちばん長い日』を2020年的に考える?

「戦争と陰謀」マスコミも教科書も嘘ばっかり?真の歴史を知るなら陰謀に挑め!