コッポラやクローネンバーグの新作に、若き日のトランプ元大統領を描いた作品まで！カンヌ国際映画祭で注目映画を5本ご紹介！【第77回カンヌ国際映画祭】

2024.05.08

現地時間5月14日より開催される第77回カンヌ国際映画祭。今年の審査員長は女優であり、『レディ・バード』などの監督としても活躍しているグレタ・ガーウィグが務めるほか、J・A・バヨナ、リリー・グラッドストーン、オマール・シー、そして日本からは是枝裕和監督が審査員に選ばれている。

既に各部門の出品作品は発表されており、今回も世界の巨匠の作品がそろい踏み。そこで今回はそんな作品たちの中から、注目の作品を5本セレクトしてみた。

①『Megalopolice』
フランシス・フォード・コッポラの13年ぶりの監督作品であり、1980年代から温めていた企画を、40年の時を経て遂に映画化。破滅的な災害に見舞われたニューヨークを、ユートピアとして再建しようと奮闘する建築家を描くSF叙事詩となっており、アダム・ドライバー、フォレスト・ウィッテカー、ジョン・ヴォイト、ナタリー・エマニュエルら豪華なメンバーが出演する予定となっている。御年85歳。ここ最近はマーベル映画や大作映画に対して批判的なコメントを出して話題を呼んでいる彼だが、本作の制作費は1億ドル以上。一体どんな作品になるのか、色んな意味で注目だ。

②『The Apprentice』
今世界で最も注目を集めているのは間違いなく、アメリカ元大統領のドナルド・トランプだろう。今年11月の大統領選で彼が再戦するかどうかは、世界の行く末を大きく左右すると言われるほどだが、そんなトランプの若き日を描いた作品が登場。70年代から80年代、不動産業で財を成したトランプが描かれ、ウィンター・ソルジャーでお馴染みのセバスチャン・スタンが演じ、妻のイヴァナをマリア・ヴァカローヴァ、トランプの師匠である悪名高い弁護士ロイ・コーンをジェレミー・ストロングが演じる。トランプとセバスチャン・スタンはあまり似てはいないが、どのようにトランプになり切るのか非常に気になるところだ。

③『The Shrouds』
81歳だが、まだまだ尖った映画を作り続けているデヴィッド・クローネンバーグ最新作。妻の死によって喪失感を感じている実業家が、埋葬された死体と繋がるデバイスを開発するという物語で、クローネンバーグ曰く「最もパーソナルな作品」とのこと。これまで『イースタン・プロミス』、『危険なメソッド』でタッグを組んだヴァンサン・カッセルが主演を務め、ダイアン・クルーガー、ガイ・ピアースが出演する。なおクローネンバーグは『コズモポリス』から、本作まで4作連続でカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に作品を出品している。

④『Emilia Perez』
『ディーパンの闘い』でパルム・ドールを受賞したフランス映画界の巨匠ジャック・オーディアールの新作映画。犯罪コメディとミュージカルを掛け合わせた映画となっていて、主演をカルラ・ソフィア・ガスコンが務めるほか、セレーナ・ゴメスやゾーイ・サルダナも出演する。メキシコ当局から逃亡するカルテルのリーダーが、捜査の目を逃れるために性別適合手術を受けるのを助ける女性の物語。クライム・コメディとミュージカルがどう掛け合わさるのか、非常に気になるところだ。

⑤『憐れみの3章』
『哀れなるものたち』でタッグを組んだヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンのコンビが再び登場。ジェシー・プレモンス、ウィレム・デフォー、ホン・チョウらが共演する作品となっている。映画は人生を取り戻そうとする選択の余地がない男、海で行方不明になった後別人のようになって戻った妻を恐れる警察官、天才的な精神的指導者となる運命にある特別な人物を探す女性、という3つの寓話から成り立っている。またしてもランティモスの独特な作風が炸裂していそうな作品で、非常に気になるところだ。

いかがだろうか。カンヌ国際映画祭は、近年はアカデミー賞の前哨戦の一つという側面も強くなってきており、伝統ある世界三大映画祭という側面だけではない注目度を集めている。もちろん上記の他にもパオロ・ソレンティーノやジャ・ジャンクーなど映画祭ではお馴染みの監督の新作映画も上映されるし、非常に気になる作品の多いこと。一体どの作品がパルム・ドールの栄誉に輝くのか。

第77回カンヌ国際映画祭は現地時間5月14日より開幕。

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