MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

『バズ・ライトイヤー』公開記念/「無限の彼方へ、さあ行くぞ!」チャレンジ精神あふれる宇宙飛行士映画4選

7月1日(金)より、ディズニー映画『バズ・ライトイヤー』が公開されます。バズは宇宙で活躍するヒーロー、スペースレンジャー。7月7日には七夕もあり、普段より宇宙を身近に感じられるタイミングです。実際、地上から100キロという短い距離の先に宇宙空間は広がっていますが、実際に行くとなればその距離以上に遠い場所です。とは言え、映画でも現実でも、人間は宇宙に進出してきました。そしてバズの決めゼリフと言えば、そう、「無限の彼方へ、さあ行くぞ!」。そこで今回は、不屈の精神で宇宙を目指す宇宙飛行士映画4本を紹介します。

 

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

 

 

1.『ライトスタッフ』(1983)
監督:フィリップ・カウフマン
出演:サム・シェパード、スコット・グレン、フレッド・ウォード、エド・ハリス、デニス・クエイド

〈国全体の重圧を振り切って、宇宙に飛び出せ!〉

本作で描かれるのは、1958年~1963年に実際に行われた、アメリカ初の有人宇宙飛行計画である「マーキュリー計画」です。宇宙開発競争相手のソ連は、一足先に世界初の無人人工衛星打ち上げ・有人宇宙飛行を成功させ、アメリカは焦っていました。そこで優秀なパイロットから7人を選出し、宇宙飛行士にするための訓練を始めます。ソ連による核攻撃の恐怖に怯える国民からのプレッシャーは非常に大きく、成功以外は認められません。絶体絶命の状況から無事帰還しても、貴重なデータを持ち帰れなかったメンバーは失敗者となじられてしまいます。しかし、命をかけて宇宙を目指した彼らは間違いなく英雄です。大卒ではないというだけで候補から外されたパイロットのチャック・イェーガーもまた、初めて音速の壁を破るという偉業を成した人物。まさに、リアル『トップガン』のマーヴェリック…いえ、むしろマーヴェリックの方が一部チャックをモデルにしているのでしょう。

 

2.『アポロ13』(1995)
監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス、ケビン・ベーコン、ゲイリー・シニーズ、ビル・パクストン

〈月に行くより、生きて地球に帰る方が難しい!〉

時は流れ、1970年。マーキュリー計画と、二度目の有人宇宙飛行計画「ジェミニ計画」の後、アメリカは世界で初めて人間を月に到達させることを目指します。それが「アポロ計画」です。1969年のアポロ11号でその目的は達成され、アームストロング船長の名言も生まれましたが、本作はその後のお話。国民からの重い重圧が和らいだ頃、3度目の月面着陸を目指していたアポロ13号は、地球から30万キロ以上離れた地点で1本のネジの外し忘れに端を発する爆発事故に見舞われます。酸素タンクや電力が失われ、宇宙飛行士たちは生還すらもほぼ不可能と思える状況に陥りますが、決して諦めませんでした。命をかけることと、命を捨てることは違うのです。国民が固唾を飲んで見守る中、卓越した技術と地上のコントロールセンターとの連携により、宇宙飛行士たちは地球への帰還を果たしました。ある意味月面着陸よりも難しいミッションを成し遂げたこのケースは「成功した失敗」と呼ばれ、今でも語り継がれています。

 

3.『約束の宇宙』(2019)
監督:アリス・ウィンクール
出演:エバ・グリーン、マット・ディロン、ゼリー・ブーラン

〈母親でもある宇宙飛行士にとって、地球も宇宙レベルの極限環境!〉

女性宇宙飛行士を主人公にした、ちょっと変わった宇宙飛行士映画です。なぜかというと、宇宙の映像がほとんど出てこない上、シングルマザーでもある主人公サラの育児に大きくフォーカスした作品だからです。宇宙飛行士の地球での生活について考えたことがある人はあまりいないでしょう。サラにはステラ(=星)という7歳の娘がいますが、火星を目指す1年間のミッションを控え、外国で日々厳しい訓練をこなしています。もしかしたら、地球上で最も困難な仕事と育児の両立かもしれません。本作はフィクションですが、劇中で 実在の“母親”の宇宙飛行士が日本の山崎直子さんをはじめ10人も紹介されます。やはり母は強し。また、訓練の描写が非常にリアルであるがゆえ、我々一般人にとっては非現実的なその光景は地球のものにも関わらず宇宙を感じさせてくれます。

 

3.『スペース カウボーイ』(2000)
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ジェームズ・ガーナー

〈宇宙に行くのに、年齢は関係ない!〉

最年長の宇宙飛行士は何歳だと思いますか? 本作の宇宙飛行士たちは非常に高齢で、主要キャラクターを演じた中では当時50代半ばのトミー・リー・ジョーンズがまだ若い方。主演のクリント・イーストウッドなんて、70歳近くでした(しかもまだ健在だし)。チーム・ダイダロスは1958年には宇宙に飛び立っているはずでしたが、マーキュリー計画において初の“宇宙飛行士”の座をチンパンジーに奪われ解散。そして、40年経って再び宇宙に行くチャンスが訪れます。2000年の公開当時キャストを見て「そんなムチャな」と思った方もいるでしょうが、実際に最年長記録を持った本職の宇宙飛行士は当時77歳だったジョン・H・グレン。ジョンは『ライトスタッフ』と本作でもモデルとされた人物ですが、本職ではない最高齢の者は、何と『スタートレック』シリーズでカーク船長を演じた当時90歳のウィリアム・シャトナー。何を成すにも、年齢なんか関係ない! ちなみに、本作のキャストすでに亡くなったジェームズ・ガーナー以外の3人は何と今でも活躍中です(クリントは92歳、トミーは75歳、ドナルド・サザーランドは86歳)。

 

いかがだったでしょうか!?

無重力の宇宙空間を漂う宇宙飛行士と言えど、それを扱った映画には意外なほど地に足の付いたものも多いのです。フィクションのような人生を確かに歩んでいる彼ら・彼女らの生き様は、本物の勇気を与えてくれますね!ラテン語の格言にこういうものがあります。「ペル・アスペラ・アド・アストラ(=苦難を乗り越え星々へ)」。皆さんがそれぞれの“星”にたどり着くことを願って…。

 

 

 

関連記事

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4Kリマスター版』予告解禁!「まるで悪夢(ナイトメア)のように頭から離れない」 ギレルモ・デル・トロのコメントも。
https://moviemarbie.com/news/news-1253/

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4Kリマスター版』日本版ポスター完成!
https://moviemarbie.com/news/news-1174/