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「いい夫婦の日」に観たい!映画における「おしどり夫婦」作品4選

本日11月22日は「いい夫婦の日」です! 縁起が良いので、この日に結婚届を出すカップルも多いそう。日本人は一般的に、欧米人に比べて気持ちを直接言葉で伝えないと言われます。この日が感謝を伝えるきっかけになれば良いですね。「いい夫婦」は映画の中にも数え切れないほど登場します。今回は、様々なタイプのおしどり夫婦が拝める映画を4本紹介します。

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

 

①『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)
監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ

出演:ロバート・ダウニー・Jr.、グウィネス・パルトロウ、クリス・エバンス、クリス・ヘムズワース、スカーレット・ヨハンソン

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〈アイアンマンことトニー・スタークと、その秘書ペッパー・ポッツ〉

1作目の『アイアンマン』(2008)からお互いを意識していましたが、結婚に至るまで10年近くかかったこの2人。前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で婚約し、本作で娘のモーガンを授かっていたことが判明しました。ラスボスのサノスに敗北を喫した後、トニーはヒーロー活動から遠ざかり、家族3人で静かに暮らしていくことを望んでいましたが、その天才的な頭脳で逆転の秘策を思いついてしまいます。「そんなこと忘れて眠ってしまおうか」と実行を躊躇うトニーに、「でもそれでゆっくり眠れるの?」と問いかけるペッパー。彼の身を案じて行き過ぎたヒーロー活動に反対していたはずのペッパーらしからぬ発言ですが、それもこれが彼にしかできないことだと痛いほど分かっているからこそ。全てが終わった後、ペッパーがトニーにかけたあの言葉には様々な感情が宿っていたでしょうが、きっと後悔の念はなかったはず。またトニーの最大の理解者であるペッパーは、はじめは武器商人だった彼に「トニー・スタークにもハートがある」という言葉を贈っています。

 

②『死霊館』(2013)
監督:ジェームズ・ワン
出演:パトリック・ウィルソン、ベラ・ファーミガ

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〈実在の心霊研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻〉

ウォーレン夫妻は1960年代から特に有名になった心霊研究家夫婦です。…と言っても、実際に霊能力があるのは妻のロレインのみ。夫のエドは、カトリック教会が唯一公認した悪魔研究家ではありますが、我々と同じ一般人です。夫妻は様々な事件を解決に導いてきましたが、作中で語られるように、人から「変人」などと冷たい言葉も浴びせられています。エドとロレインは理解し合っており、相性はピッタリ。まさに運命の相手なのです。『死霊館』シリーズはホラー映画ですが、常に夫妻の愛の物語でもあります。本作では、1971年にペロン一家の新居で発生した怪奇現象を描いています。「君を失うわけにはいかない」と独りで解決しようとするエドと、「そうはならない。2人で終わらせるの」とついていこうとするロレイン。主張は真逆ですが、どちらも相手を守りたい一心から出た言葉です。エドは2006年に、ロレインは2019年にこの世を去っていますが、今はあの世で「変人」などと呼ばれることもなく、仲睦まじく暮らしているのかもしれませんね。

 

③『リリーのすべて』(2015)
監督:トム・フーパー
出演:エディ・レッドメイン、アリシア・ビキャンデル

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〈トランスジェンダー女性の夫リリー・エルベと、その妻ゲルダ〉

こちらも実在の夫婦です。20世紀前半に活躍したデンマークの画家、リリー・エルベ(出生名アイナー・ベイナー)は、同じく画家の妻ゲルダに頼まれ絵のモデルとして女装したことから本当の自分に目覚めます。身体的には男性として生まれながらも、心は女性だったのです。最終的にリリーは女性の身体になることを望み、ドイツで世界初の性別適合手術を受けることに。リリーはゲルダを愛しながらも次第に男性に惹かれていきますが、ゲルダはそんな彼女を拒否したりせず、献身的にサポートしていきます。まだ手術の安全性も確立されていない中、体力が回復する前に次の手術を受けようと急ぐリリーが同行を頼みますが、ゲルダは悲痛な面持ちで「早すぎるわ。あなたを苦しめる手伝いはしたくない」と答えます。それを聞いて、悲しげに去るリリー。変わるきっかけを与えたゲルダだからこそ、リリーの気持ちと命のどちらを救うべきか悩み、苦しみます。ちなみに、実際のゲルダは女性同士の性愛をモチーフにしたエロティカ(官能的な絵画)を多数残しており、レズビアンだったのではと言われています。支えた結果、心身ともに女性となったリリーから恋愛対象として見られなくなったゲルダの気持ちを考えると切なくなりますね。

 

④『バイオハザード』(2002)
監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョボビッチ、ミシェル・ロドリゲス、エリック・メビウス

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〈ポール・W・S・アンダーソン監督と、ミューズのミラ・ジョボビッチ〉

最後は映画の登場人物ではありません。6作も作られた『バイオハザード』シリーズで知られるポール・W・S・アンダーソン監督と、主演を務め続けたミラ・ジョボビッチの夫婦です。2人は1作目の時に出会いました。当初、脚本の段階で自分の役が脇役に食われているのが不満だったミラは、脚本も務めたポールに手直しを直訴。「話し合いしてくれないなら飛行機に乗って帰る!」とご立腹のミラでしたが、ポールは3時間にわたって1ページ1ページ書き直しに付き合ってくれたんだそう。これが馴れ初めで、2007年に長女エバーが誕生、2009年には挙式しています。シリーズ2作目と3作目はポールが監督ではないのですが、『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』(2011)と『モンスターハンター』(2020)でもミラを出演させているので、結局これまでに6作品で夫婦コラボしています。もはやこれが本当の「ファミリー映画」と言えそう。娘のエバーもマーベル映画『ブラック・ウィドウ』で主人公ナターシャ・ロマノフの幼少期を演じており、今後の活躍が期待されます。『バイオハザード』は別監督でリブートされる上、『モンスターハンター』は興行成績が伸び悩んだので、2人の行く末やいかにと思われましたが、冒険ファンタジー『In the Lost Lands(原題)』でまたコラボするようです。ふー、安心。

 

いかがだったでしょうか。

色々な夫婦の形と、本人の思いが溢れたセリフを挙げてみました。一度言ってみたくなる言葉はありましたか? 「いい夫婦の日」にあやかって、どれかを使ってみてはどうでしょう。実際に言われたのはミラのセリフだけかもしれませんが、相手がポールのように優しく受け止めてくれると良いですね!