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12月1日は「映画の日」!そんな日に観たい「映画についての映画」作品4選

本日12月1日は、日本では「映画の日」とされています。1896年に、神戸で日本初の映画上映が行われたことを記念して制定されました。映画の発明者は、トーマス・エジソンとリュミエール兄弟。エジソンの作ったキネトスコープは覗きこむタイプのものでした。今の映画に近いシネマトグラフを作ったリュミエール兄弟の「リュミエール」とは、フランス語で「光」を意味します。映画は光の芸術ですから、これほど面白い偶然もありませんね。これが原点ですから、この後も映画には常に面白い偶然が付きまといます。今回は映画の日にちなみ、映画について描いた映画を4本紹介します。

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

 

『8 1/2』(1963)
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレ

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〈映画制作が進まないなら、その様子を映画にしてしまえ!〉

タイトルは「はっかにぶんのいち」と読みます。イタリアの巨匠、フェデリコ・フェリーニの名作です。主人公で映画監督のグイドは新作映画を撮らなければなりませんが、納得のいく内容が思い浮かびません。周りからの期待には押し潰されそうになるし、既婚者でありながら不倫中なので、妻との関係にも悩まされます。グイドが見る悪夢や現実逃避の空想がそのまま画面に映し出されるので、「これは何の場面?」と言いたくなるシーンのつるべ打ち。このグイドのキャラクターは、フェリーニ監督自身に重なるところがあります。映画ができずに苦しむ様を映画にしようという逆転の発想で、本作は歴史に残りました。北野武監督など、本作に影響を受けた作家も多数。スランプが他人を救うこともあるんですね。

 

②『アーティスト』(2011)
監督:ミシェル・アザナビシウス

出演:ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョ、ジョン・グッドマン

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〈この時代に白黒サイレント映画!〉

監督はフランス人ですが、ハリウッドのクラシック映画へのオマージュに溢れた作品です。サイレント映画のスター、ジョージは新人女優のペピーと惹かれ合いますが、時代はサイレントからトーキーへ移り変わろうとしていました。サイレントにこだわり落ちぶれていくジョージとは対照的に、スターへの階段を駆け上がっていくペピー。まさに、これまで何度もリメイクされてきた『スタア誕生』的な筋書きです。『雨に唄えば』にも、これまでのスターが声が理由でトーキーの波に乗れないという描写がありました。ハリウッドあるあるが詰め込まれているだけに本作も白黒のサイレント映画になっていますが、非常にコミカルかつドラマチックで、観客に古臭さではなく古き良き魅力を伝えることに成功しています。ちなみに、劇中で名演を披露する犬のアギーは、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールならぬパルム・ドッグ賞を受賞しました。

 

③『ヒューゴの不思議な発明』(2011)
監督:マーティン・スコセッシ

出演:エイサ・バターフィールド、クロエ・グレース・モレッツ、ベン・キングズレー

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〈初期の映画が持つマジックにやられる!〉

『アーティスト』とは逆に、アメリカ人のマーティン・スコセッシ監督がフランスのアートにオマージュを捧げた作品です(ヒューゴ(Hugo)はフランス語読みでユーゴー、『レ・ミゼラブル』のビクトル・ユーゴーと一緒)。奇しくも『アーティスト』と同年に公開され、アカデミー賞ではライバルになりました(主要部門は『アーティスト』が受賞!)。発明の才能があり駅に隠れ住んでいる孤児のヒューゴは、亡き父が遺した動かない機械人形の秘密を解き明かす過程で、実在の偉大な監督に出会います。劇中では、今ではなかなか見られない映画黎明期の作品が多数流され、また再現されています。最初期の映画として有名なのは、リュミエール兄弟の『ラ・シオタ駅への列車の到着』。駅に列車が入ってくるだけの映像でしたが、これはまさしく映画時代の到来を告げるものでもありました。CGもない時代だからこそ実際に行われた危険な撮影や、CGに見劣りしない特殊効果の持つパワーには圧倒されます。映画は、一種の“手品”でもあったのです。

 

④『ディザスター・アーティスト』(2017)
監督:ジェームズ・フランコ

出演:ジェームズ・フランコ、デイブ・フランコ、アリソン・ブリー

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〈映画はクオリティじゃない。愛だ!〉

本作は、実在の監督トミー・ウィソーによる稀代のカルト映画『ザ・ルーム』が完成するまでを描いた作品です。トミーは出身地、年齢、超裕福な理由が不明な人物ですが、映画に対する情熱は本物でした。演劇クラスで出会ったグレッグと意気投合し、自分たちで映画を作ることに決めます。トミーはなぜか尽きることがないほどのお金を持っており、プロのキャストやスタッフを多数雇いますが、ただ情熱があるだけのド素人なので撮影現場は修羅場の連続。関わった人が不幸になるだけの作品になってしまうと思われましたが、どっこい。今では世界中で愛される作品になっています。中身はもちろんダメダメなのですが、あまりのヒドさゆえに最高のコメディになってしまったのです。本作自体も、気まずい笑いを全編にまぶしたコメディになっています。監督のジェームズ・フランコが実の弟(ブラザー)デイブとブロマンスの様な関係を演じているのもおかしいですが、ジェームズの監督作品の中で絶賛されているのが本作だけというのも、笑いどころ?

 

いかがだったでしょうか!?

映画には関わった人たちの人生が“投影”されるもので、奇妙な巡り合わせが付き物なのです。

いやあ、映画って本当に良いものですね。それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。