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【レコメン広場】「ベスト・オブ・リドリー・スコット」②『最後の決闘裁判』リドリー・スコットが現代の名匠であることを証明する#MeToo時代の傑作

巨匠リドリー・スコット。

1977年の『デュエリスト 決闘者』で長編監督デビューを果たし、その後『エイリアン』(79)や『ブレードランナー』(82)ですさまじい映像センスを発揮。われわれ観客の度肝を抜きました。その後も、『テルマ&ルイーズ』(91)、『グラディエーター』(00)、『ブラックホーク・ダウン』(01)でアカデミー賞ノミネートを連発したり、イギリスからナイトの称号をもらったり(なので正式にはSir Ridley Scott)、挙げだしたら切りがない超すごい映画監督です。

そんなリドスコ監督も今月末で87歳。
もうさすがに隠居する頃かなと思いきや、超ド級の最新作『グラディエーター2』が公開!
すごい元気!衰え知らず!

そこで、今回のレコメン広場では、「ベスト・オブ・リドリー・スコット」を開催!
これまでにリドスコ監督の手掛けてきた作品の中から、あなたが一番好きな作品を教えてください!
その作品にまつわる思い出や、この映画のここが好き!など、思いのたけを綴って下さい!

 

■投稿者:匿名

『最後の決闘裁判』(2021)
リドリー・スコットが現代の名匠であることを証明する#MeToo時代の傑作

近年では、特に『最後の決闘裁判』がリドリー・スコットが過去の名匠どころか、むしろ現代的な視点を持った映画監督であることを感じられて印象に残っています。

1300年代の強姦の物語を、強姦を訴える当事者、その夫、夫の旧友で無実を訴える被告の三者のそれぞれ異なる視点から、『羅生門』的に三部構成で描いた点が秀逸で、徐々に同じ出来事でも認識の違い、意識の齟齬が浮かび上がってくるのが面白かった。

リドリー・スコットは『エイリアン』から『テルマ&ルイーズ』とタフで強い女性を描いてきましたが、第三章で当事者女性の視点に切り替わり、歴史上、見過ごされてきた女性の物語に焦点を当てている(これは、ベン・アフレック、マット・デイモンとともに、『おとなの恋には嘘がある』等で知られる女性映画監督ニコール・ホロフセナーを共同脚本に迎えていることが大きく作用していると思われます)ことに感銘を受けました。第二章までは、決戦に向けた男同士の対立を手慣れた歴史劇的に盛り上げながら、第三章でそれまでの男性たちの有害な言動や女性を制限する家父長制を批判的な視点から再度見る巧妙な構成に仕上がっていることで、男女による見え方の差異を明らかにし、見事に#MeToo時代の映画たりえていると思います。

『エイリアン』のクリーチャーの造形は未だに広くポップカルチャーに影響を与えていることを感じたり、製作総指揮としても、デュプラス兄弟からドレイク・ドレマス、あるいはカンボジアから難民としてアメリカに渡った男性がドーナツで成り上がる物語を追ったドキュメンタリー『ドーナツキング』など若手映画作家も支援したり、改めて存在の大きさを感じます。

2021年製作/153分/PG12/アメリカ
原題:The Last Duel
配給:ディズニー
劇場公開日:2021年10月15日

出演者:マット・デイモン、アダム・ドライバー、ジョディ・カマー、ベン・アフレック ほか

脚本:ニコール・ホロフセナー、ベン・アフレック、マット・デイモン
原作:エリック・ジェイガー『決闘裁判 世界を変えた法廷スキャンダル』
製作:リドリー・スコット、ケヴィン・J・ウォルシュ、ジェニファー・フォックス、ニコール・ホロフセナー、マット・デイモン、ベン・アフレック
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影:ダリウス・ウォルスキー
編集:クレア・シンプソン

 

投稿が採用された方には、ムビチケカード(2000円)を5名様にプレゼント!

皆さんの投稿お待ちしてます!

※過去のレコメン広場の記事はこちら

【募集要項】

投稿内容:「ベスト・オブ・リドリー・スコット」

文字数制限:なし

募集時期:~11月30日 

掲載時期:順次掲載

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    『グラディエーターII』
    2024年 11月15日(金)全国公開
    配給:東和ピクチャーズ
    ©2024 PARAMOUNT PICTURES.