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明るい気持ちになれる!“生きる原動力”になるコメディ映画20選/#11 『スクール・オブ・ロック』ジャック・ブラックはデューイそのもの!映画が好評で舞台化もされた傑作!

映画・ドラマライターの伊藤万弥乃です。全20回に渡って「生きる原動力になるコメディ映画」をテーマに1本ずつ映画を紹介させていただきます!(※ネタバレを含みます)私がコメディ映画を観たいと思うのは、心が沈んでいるときや現実逃避をしたいとき。だからこそ、爆笑までしなくとも、観ている間だけでも楽しい気分にさせてくれる作品をテーマにピックアップしていこうと思います。

今回選んだのはジャック・ブラックがロッケンロール!
 『スクール・オブ・ロック』

前回『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』でジャック・ブラックにフィーチャーしました。そのつながりで今回紹介するのは、彼が主演し、今年でちょうど公開から20年を迎えた『スクール・オブ・ロック』です。

映画は売れないミュージシャンのデューイ(ジャック・ブラック)が自分のバンドから追い出され、いつまでも若者気分でロックだけをやっていられなくなるという、かなり現実的なシーンからスタート。同居人の友人は、すでに音楽から離れて仕事についており、その彼女は音楽を馬鹿にするような態度を見せます。それでも諦めきれないデューイは、新たなバンドメンバーを探しまわっている時、その友人にあてた電話を受けると、それは「名門小学校で臨時教師をしないか」という誘いの電話でした。

お金に困っていたデューイは勝手に承諾。友人のふりをして小学校に勤めることになります。まじめな子供たちが集まる小学校の堅苦しい概念を、ロックのパワーでいきなりぶち壊していくデューイ。最初は子供たちも戸惑っていたものの、子供たちの音楽の才能を見抜き、適材適所な人員配置でクラス全員参加の“ロックバンド”を作り上げていきます。

ジャック・ブラックはデューイそのもの!

もともと教師の資格もないにもかかわらず、教師のふりをするのはさすがに犯罪……だけど、音楽を愛するからこそ、音楽の知識は教師よりも広く、愛に溢れています。ぶっとんでいるおちゃらけ先生でありながら、子供たちと同じ目線で接して、悩みに向き合う、どんな先生よりも理想的な先生です。

正直私は、デューイにはリーダーとしての素質がかなり高いと思いました。子供たちの本質を見抜いて、得意なことを活かせるポジションに就かせることは、どんなリーダーにとっても難しいこと。それでもしっかり適したポジションを用意できる能力があるし、(少し怠惰だけど)コミュニケーション能力も高いのでどんな仕事でも重宝されたはずです。それでも音楽から離れることのない、彼の大きな愛はより大きなものを生み出すことになっていく、その点が人を惹きつけるのだと思います。

そんなデューイを演じるジャック・ブラックは、大学時代に演劇にハマり、その後本格的にキャリアをスタートさせていきました。コメディアンとしてのライブ活動も行っていく中で、TV番組に抜擢されるようになり、コメディ『愛しのローズマリー』(2001年)、『オレンジカウンティ』(2002年)で主演。そして、本作『スクール・オブ・ロック』で爆発的な人気を得たのです。コメディと音楽という2つのバックグラウンドを持つジャックにとって、デューイはまさに自分を投影したかのような役だったのでしょう。

舞台化、アンドリュー・ロイド・ウェバーによって賞も多数受賞!

『スクール・オブ・ロック』と言えば、ミュージカルを思い浮かべる人も多いはず。日本でも頻繁に行われるほど人気が衰えません。つい先日にも西川貴教と柿澤勇人のWキャストで上演されていました。実は、このミュージカルは映画を基に作られているのです。

アメリカ・ブロードウェイで2015年に初演を迎えたこのミュージカルを世に送り出したのは、アカデミー歌曲賞を受賞し、『オペラ座の怪人』の作曲も手掛けたミュージカル界の名作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバー。2016年にはトニー賞を含む4つの賞にノミネートされ、翌年にはローレンス・オリヴィエ賞で子供たちがオリジナル楽曲・オーケストラ編曲賞を受賞しました。

映画とミュージカル、両方愛される作品になった理由としては、きっとわかりやすいストーリー構成ながらも人々を惹きつける音楽と愛の力が大きかったのではないでしょうか。老若男女楽しめて、笑って、ノれる。そして、嫌なことも吹き飛んでしまう、まさに「明るい気持ちになれる」映画だと思います。ぜひ、年末の忙しい時期に、一息つきながら鑑賞してみては?

【参考】

https://www.rottentomatoes.com/celebrity/jack_black

https://horipro-stage.jp/stage/sor2023/

https://schoolofrockthemusical.com/

 

『スクール・オブ・ロック』(2003
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【ストーリー】
いつまでたっても大人になりきれないデューイはロックを愛する熱い男。生活費を稼ぐ必要に迫られた彼は、バイト気分で名門小学校の代用教員になる。ところがある日、ひょんなことから生徒たちの音楽的才能を発見。”授業”と偽って子供たちとロック・バンドを結成したデューイは、念願だったバンド・バトルへの出場を目指す!

【キャスト】
ジャック・ブラック、ジョーン・キューザック、サラ・シルバーマン、マイク・ホワイト

【スタッフ】
監督:リチャード・リンクレイター
製作:スコット・ルーディン
製作総指揮:スティーブ・ニコライデス、スコット・アバーサノ
脚本:マイク・ホワイト
撮影:ロジェ・ストファーズ
美術:ジェレミー・コンウェイ
衣装:カレン・パッチ
編集:サンドラ・エイデアー
音楽:クレイグ・ウェドレン
音楽監修:ランドール・ポスター

 


伊藤万弥乃(いとうまやの)
海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。
大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。
シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

執筆記事:https://linktr.ee/mayano
ブログ:https://ladybird99.com/

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