第97回:『チャーリーとチョコレート工場』|販売終了!?ならば作ろう!「ウォンカのとびきり最高めちゃうまチョコ」【瀬田ミナコのシネまんぷく】
共感シアターでもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!
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■今回の映画:『チャーリーとチョコレート工場』(2005)
皆さま、「ハッピーバレンタイン♡」
と言っても、もうバレンタインは過ぎてしまいましたが。
この時期になると駅やデパート、コンビニにも、いたるところに可愛らしいチョコレートが並び、無性にチョコが食べたくなってしまいます。
頭がチョコレートでいっぱいなので、今回は映画「チャーリーとチョコレート工場」です!チャーリーとチョコレート工場はティム・バートン監督の2005年の映画です。原作はロアルド・ダールの小説「チョコレート工場の秘密」で、1971年にも一度映画化されている作品です。
物語の主人公は、街のはずれのオンボロ一軒家に住む少年、チャーリーです。両親と両祖父母と共に暮らいていますが、その生活は貧しく、チャーリーがチョコレートを買ってもらえるのは一年で一回、誕生日のみです。ある日、世界的に人気のあるウィリー・ウォンカのチョコレート工場から工場見学の発表がありました。謎に包まれた工場を見学できるのは金のチケットを当てた5人の子供のみ。幸運にもチケットを当てたチャーリーは、昔工場に勤めていた祖父と共に不思議なチョコレート工場へと向かいます。そこで待っていたのは常識が通用しない、驚くべき体験の数々でした!
チョコレートが美味しそうとか、凄い工場だとか、ジョニー・デップ演じるウォンカだとか、いろいろ言いたいことはあるのですが、この映画で何よりも印象に残り、奇妙なのがウンパ・ルンパの存在ではないでしょうか。ウンパ・ルンパはウォンカ氏に雇われている体の小さな種族であり、全員同じ体系、同じ顔です。ディープ・ロイさんが演じており、正直子供の頃は、このおじさんの同じ顔がズラーっと並んでいるのが気持ち悪くて怖かったです。(笑)
ディープ・ロイさん、165人のウンパ・ルンパを演じたとも言われており誰よりも撮影大変だったと思います。今になって観ると、このちょっとクレイジーな世界を全力で描いている、作り手たちの本気度みたいなものが、このウンパ・ルンパに現れている気がして、私はすごく好きです!(でも万人にお勧めできるかと言われると微妙。なんせ奇妙なので。)
子供たちが脱落するごとに歌って踊ってくれるウンパ・ルンパ達のショーにも注目です。
チャーリーの他に、もう一人の主役とも言えるウィリー・ウォンカですが、ウンパ・ルンパに負けないインパクトの持ち主です!ジョニー・デップといえば「パイレーツ・オブ・カリビアン」のイメージが強かったので、色白でお洒落で、髪の毛もサラサラなウォンカを見て「本当にこれ同一人物!?」と驚きました。大人の様な子供の様な性格で、上機嫌に話していたかと思えば、突然トラウマのある幼少期を思い出して様子がおかしくなったりして、かなりの情緒不安定です。
そんなウォンカを完璧に演じていたジョニー・デップ、さすがでした!言葉が悪いですがウォンカは「変人」と言われるであろうキャラクターなのに、彼の事をすごく良く理解できるし、愛される登場人物にちゃんとなっていて、「本当にどんな役でも完璧に演じる人だなぁ」と、改めて感心してしまいます。
そして何より!美術が最高です!さすがティム・バートン。ちょっと奇妙で普通とは違う世界を作るのが上手すぎます。
工場の中にはありとあらゆる部屋があり、チョコレートの滝や、お菓子で出来た庭園、発明室や実験室など、ワクワクが止まりません!画面のどこを見てもカラフルで、こだわって細部まで作りこまれていて、チョコレートの甘い香りが画面の向こうからしてきそう!5人の子供と一緒に不思議な工場内部を見学している感覚が楽しいです。
上下だけではなく、前後左右にも動くガラスのエレベーターだったり、チョコファッジは実は山から削り出していたり、クルミの選別はリスがやっていたりと、子供の頃に頭に描いたような夢がいっぱい詰まっています。「そんな訳ないけど、もしそうだったら楽しいな」を本当にしてくれるのが、この映画の大好きな所です!
ストーリーも面白いし、他にもキャラの濃すぎる登場人物が登場するのですが、何よりこの独特の世界観が楽しい映画だと思いました!
さて、美味しそうだったり奇妙だったり、とにかく色んなお菓子の登場する今作。木に生るりんご飴や、フルコースが味わえるチューインガムなど、気になるものばかりですが、なんといっても美味しそうなのがウォンカの看板商品であり、金のチケットを忍ばせた板チョコです!吹き替えでは「とびきり最高めちゃうまチョコ」と言っていました。
実は数年前まで「ウォンカチョコ」という名前で販売しており、私は結構気に入って何度か食べていました。久しぶりに買おうと思って探したところ、日本での販売は終了。。。もう食べられないのか。
「ならば、作ってやろうじゃないか!!」
という訳で「ウォンカのとびきり最高めちゃうまチョコ」を作ります!
ついでに、チョコレート工場の見学ができる超レアチケットも作って、幸運を手に入れた気分も味わおうと思います。(笑)
今回は私が敬愛するテレビ番組「グレーテルのかまど」で紹介されていたレシピで作りました。
まずは中のとろ~りフィリングづくりから。
フライパンでグラニュー糖を熱し、カラメル色になるまで煮詰めます。
生クリームとピーナッツクリームを加えてよく混ぜます。
少量の板チョコを加えて、溶かしながらさらに混ぜ、最後にマシュマロも入れてよく溶かします。
お次はチョコレートのテンパリング!
見た目や食感、くちどけを良くするために行う作業ですが、温度管理が難しく、初チャレンジです。
クーベルチュールチョコレートを60度に温め、溶かします。
ゆっくり混ぜながらボウルを水で冷やし、冷ましていきます。(テンパリングが上手くできたのかは謎)
再び湯煎で少し温めて、板チョコのモールドに流し込みます。
薄くチョコがいきわたったら、ひっくり返して、余分なチョコを落とします。
そのまま冷蔵庫で冷やし、固まったら中身を詰めていきます。
シリアルを乗せて、先ほどのフィリングを絞り出します。
最後に残ったチョコを上からかけて均し、再び冷蔵庫で冷やします。
冷やしている間にパッケージと金のチケットづくり。
カラーホイル折り紙を切って張り合わせ一枚のシートを作ります。
「WONKA」の文字は印刷したものを切り取って貼り付けます。
金のチケットも同様に。
折り紙ですが金色だと高級感がありますね!
型から外したチョコレートを包めば完成です!
チョコレートをパキッと割れば中のフィリングかトローンと出てきて超美味しそう!
トロトロなのにマシュマロのおかげで垂れたりはしない絶妙な柔らかさ。
包み紙をめくって金のチケットが現れると、入ってるって分かっていても心躍ります♪
カリッと一口かじり、モグモグすると、嚙むごとに中のフィリングがチョコと合わさってとても美味しいです!
キャラメルの様なミルキーな味のなかにピーナッツの香りがあってまさに「めちゃうま」。
ウォンカのチョコレートが大人気なのも納得の味わいです。
意外と簡単に作れましたが、やっぱり手作りは大変なので、また日本でも販売してほしいです!
ごちそうさまでした!
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今回取り上げた作品はコチラ!
【キャスト】
ジョニー・デップ、フレディー・ハイモア、ヘレナ・ボナム=カーター、ディープ・ロイ
【スタッフ】
監督:ティム・バートン
脚本:ジョン・オーガスト
原作:ロアルド・ダール『チョコレート工場の秘密』
音楽;ダニー・エルフマン
撮影;フィリップ・ルースロ
編集:クリス・レベンゾン
配給:ワーナー・ブラザース
© Warner Bros. Entertainment, Inc.
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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~」全国順次公開中!!
その他:共感シアターでMCやコメンテーターとして活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta
『瀬田ミナコのシネまんぷく』
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