MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

第96回:『ウエスト・サイド物語』(1961)|ニューヨークチーズケーキを食べながら、ウエスト・サイドに思いを馳せる!【瀬田ミナコのシネまんぷく】

共感シアターでもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■今回の映画:『ウエスト・サイド物語』(1961)

今回は1961年の映画『ウエスト・サイド物語』です!

約60年前の映画ですが、今年、スティーブン・スピルバーグ監督がこの物語を映画化するという事で、今再び大注目されている作品です!

スピルバーグ版も気になりますが、今回は初心に戻って1961年版を観てみました!

やはり、かなり昔の作品ということもあって、映像としては古さを感じるところもあります。

が、しかし!!

そんな事はどうでもよくなる、最高の「歌!曲!ダンス!」が詰まっていて、ミュージカル映画の金字塔と呼ばれるのにふさわしい名作!!

まずは簡単に作品情報とあらすじを紹介します。

『ウエスト・サイド物語』は1961年にアメリカで公開された映画で、監督はロバート・ワイズとジェローム・ロビンズの二人です。

原作は同名のミュージカルで、そのミュージカルはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を元に書かれたものになっているため、「現代版ロミジュリミュージカル」と言える作品です!(現代と言ってももう60年前ですが。)

アカデミー賞では作品賞を含む10部門で受賞を果たしました。

物語の舞台となるのはニューヨークのウエスト・サイド。この街で二つの不良グループが縄張り争いを続けていました。一つはポーランド系アメリカ人のグループ「ジェット団」。もう一つはプエルトリコ系で最近アメリカにやって来た「シャーク団」です。ジェット団のリーダーであるリフはいよいよ決着をつけようと、シャーク団に決闘を申し込むべく、ジェット団元リーダーのトニーを引き連れて、中立地帯で行われるダンスパーティーに向かいます。パーティーにはシャーク団のリーダーの妹、マリアも来ていたのですが、トニーと出会い、二人は恋に落ちてしまいます。

両グループの決闘が迫る中、二人の恋がどうなるのか描いた作品です。

まずですね、声を大にして言いたいのが、「振り付けが素晴らしすぎる!!」という事です。

ジェット団とシャーク団が縄張り争いをしている最初のシーンですが、いきなりダンスで始まります。不思議なことに台詞も歌もほとんどないのに、二つのチームが敵対し一触即発状態であることも、なかなか決着がつかないことも、明確に伝わってくるのです。青年たちが威張って広場や街を歩き、そのくせ周りに仲間がいないと不安だという事もダンスで表現されているので、本当にすごいと思います!

そして驚いたのが、カメラワークです。ダンスに合わせてカメラが動く動く!ものすごい躍動感でした。飛んだり跳ねたり、走ったり、大きな動きの多いダンスを追いかけ、色んなアングルから映してくれるので、舞台にはないダンスの見え方があって面白かったです。

「曲が最高!」という事は分かっていましたが、今回「シネまんぷく」で取り上げるにあたりもう一度映画を観て、改めて、最初から最後まで名曲ぞろいの映画だと感じました。映画の一番最初は「序曲」が流れ、その間映像は特になく画面の色がたまに変わるだけなのですが、この序曲が凄いエネルギッシュなんです。アップテンポで畳みかけるような曲調なので、何ならちょっとけたたましいと感じるくらいですが、曲が終わり実写映像が始まるころにはもう映画の世界に引き込まれていました。

どれも名曲ですが、私の個人的お気に入りはシャーク団の男女が歌う「America」という曲です。リタ・モレノ演じるアニタのドレスさばきが美しく、男女でじゃれながら言い合っているのがダンスバトル風になっていて、楽しくて大好きです!

ロミオとジュリエットといえば、「シネまんぷく」でも前にレオ様版「ロミオ+ジュリエット」を書いたことがあります。

物語の大まかなストーリーは一緒なのに、色んな表現の仕方があって面白いですね!ウエス・トサイド物語で大切なのは1950年代のアメリカの社会をモチーフにしているという事です。労働者が多く移民の多い街、居場所のない青年たち、冷たい周りの大人たち。プエルトリコ系だからと言ってシャーク団を差別する警官には怒りを覚えました!

この物語の悲劇は、対立を続ける両グループだけのせいではなく、社会全体が良くなかったのだと思います。あれだけ音楽やダンスで楽しませてくれたのに、加えてこんなに現実的な問題を描いているのだから凄いです。

子供の頃、母に勧められて観ていたことのある作品ですが、年齢を重ねるごとにこの映画の凄さがより強く感じられる気がします!歌って踊るシーンが多いので、ミュージカルに苦手意識のある人はちょっと大変かもしれませんが、ぜひスピルバーグ版公開のこの機会に観て欲しい作品です(^^)

さて、今回の映画メシですが、、、。

全くと言っていいほど食べ物が登場しませんでした。(泣)

何を作ろうか悩んだのですが、ニューヨークが舞台という事でニューヨークチーズケーキを作るという非常に安易なチョイスになりました!
良いんです。きっとトニーやマリアもこのケーキを食べたことでしょう。(笑)

それでは作っていきます!

まずはクッキーを麺棒で叩き割って、粉状にします。

溶かしたバターを加えて揉み揉み。

バターを塗って強力粉をまぶした型の底に敷き詰めていきます。

スプーンで押しながら固めていき、冷蔵庫で冷やします。

次にバター、クリームチーズ、サワークリームを少し温めてから混ぜ合わせます。

砂糖、卵を加えてさらに混ぜ、バニラエッセンスとレモン果汁も加えます。

先ほどの型に流し込み

お湯を張ったバットの上に乗せてオーブンで焼きます。

焼きあがったら完成です!

湯煎で焼くのでとってもしっとり!

お皿に盛り付けて

いただきまーす!!

濃厚なのにさっぱりで美味しい~!

サワークリームのおかげか口当たりも滑らかで、あんなにチーズを使ってるのに重たくない感じ。

チーズケーキにはベイクドとかレアとか色々ありますが、このしっとり滑らかなニューヨークチーズケーキもとっても美味しかったです!

ウエスト・サイド物語はロミオとジュリエットなので悲劇なのは分かっているし、悲劇だからこその物語ではあるのですが、でもやっぱりトニーとマリアには仲良くニューヨークで暮らして、幸せにチーズケーキでも食べていてほしいものです。

(スピルバーグ版でまさかのハッピーエンドが来たらそれはそれで困惑しそうですが)

ごちそうさまでした!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回取り上げた作品はコチラ!

【キャスト】
ナタリー・ウッド、リチャード・ベイマー、ジョージ・チャキリス、リタ・モレノ、ラス・タンブリン

【スタッフ】
監督:ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンス
製作:ロバート・ワイズ、ソウル・チャップリン
原作:ジェローム・ロビンス、アーサー・ローレンツ
脚本:アーネスト・レーマン
撮影:ダニエル・L・ファップ
音楽:レナード・バーンスタイン
振付:ジェローム・ロビンス
配給:ユナイテッド・アーティスツ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~」全国順次公開中!!
その他:共感シアターでMCやコメンテーターとして活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta

 

『瀬田ミナコのシネまんぷく』
これまでの連載記事はこちらから!

 

※瀬田ミナコが出演中の共感シアターのアーカイブ動画はこちら!