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第85回:『セブン』|「暴食の罪」には食べても食べても終わらない無限パスタ!【瀬田ミナコのシネまんぷく】

共感シアターでもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!

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■今回の映画:『セブン』(1995)

今回は1995年の映画「SE7EN」です!

前から見たいと思いつつもなんだか怖そうなイメージがあり、なかなか手を付けられずにいた作品です。先日、とある撮影現場で「シネまんぷく」を読んでくださっているという方からリクエストをいただき、読んでいただいているという嬉しさと共に、「これは、観るべき時が来たな、、、!!」と、怖さよりも嬉しさが上回り即決となりました。笑

実際、怖かった(笑)ですが、私の好きな種類の怖さでした!

オバケとかびっくりさせるとかではなく、不気味で胸糞悪く、じっとりと胃の中に何か残るような怖さです。

「SE7EN」はデヴィッド・フィンチャーが監督を務め、犯人を追い詰める二人の主人公をブラッド・ピットとモーガン・フリーマンが演じた映画です。

新しく殺人科に配属された、若くエネルギッシュな刑事ミルズと、一週間後に定年退職を控えたベテラン刑事サマセットは、ある日不思議な事件現場を目の当たりにします。そこには手足を縛られ、食べ物に囲まれ、スパゲティに顔をうずめるように息絶えた男の姿がありました。そしてこの事件は、これから起こる連続殺人事件の始まりだったのです。七つの大罪になぞらえて次々と起こる事件を止めるため、二人の刑事が奮闘します。しかし犯人は、理解不能+悪趣味+とても賢いという強敵で、事件を解決するどころか、ミルズ達自身も事件に巻き込まれていくのでした。

多くの殺人事件が起こりますが、被害者が実際に痛めつけられるシーンや殺される瞬間は一切描かれていません。すべては事件が起こったあと、現場に残されたメッセージや状況から読み取るのみ。この演出がとても良かったです!

他の作品で事件の瞬間を描くことは多いと思いますが、この映画はそれがないのでより実際の事件を追っていく感覚に近いのかな、と思いました。どれもかなりショッキングな殺害方法で、もし殺害の瞬間を描ていたらそっちのインパクトが強すぎて映画の印象もだいぶ変わっていたんじゃないかと思います。

それなのに、いや、それだからこそ、犯人の目的や様子が分からず居心地の悪い気味悪さを感じました。

七つの大罪に該当すると思われる人物が被害にあうのですが、それぞれの罪に見合った方法で殺されるので、全て違う方法が使われています。どれも人を最大限苦しめてから殺害するむごいものですが、一番印象的だったのはのモデルが被害者となった殺人事件です。顔を切り刻んでおきながらあえて殺さず、絶望的な状況に追い込んで自ら死を選ばせるような犯人のやり方は、人を試して楽しむという悪意に満ちた方法で、ぞっとしました。

主演の二人がとても良かったです。ブラッド・ピットもモーガン・フリーマンも別の作品のイメージが強かったのですが、今作のはまり役っぷりはすごかったです。若く感情的なミルズを演じたブラッド・ピットはそりゃもうカッコいいのですが、犯人に心を乱されていく危うさが絶妙でした。モーガン・フリーマン演じるサマセットも、冷静で慎重に動くタイプでありながら執念深い捜査行う気持ちの強さが垣間見え、渋かっこよかったです!だからこそ後半どうしようもない状況に陥っていくのを、客観的に見れているのに成す術がない苦しみが伝わってきました。

映画の題名でネット検索すると「衝撃のラスト」というワードが出てきますが、わたしは途中からこの最悪のラストシーンを予想していました。そして、「どうか自分の読みがはずれて違う展開になりますように。」と祈りながらいていたのですが、物語はどんどんそのラストに向かって行ってしまい、沼にはまって抜け出せずに沈んでいくような気持になりました。

結局、最後まで犯人の思うとおりに事が進んでしまいます。犯人はいったい何者なのか、この衝撃的な事件を起こすことで何がしたかったのか、明確な答えを知ることはできません。かなりのバッドエンドです。私は全く救いのないバッドエンドは実はちょっと苦手で、ほんの少しでもいいから希望を見せてほしいという思いがあります。

しかしこの映画のこの終わり方はバッドエンドにも関わらず嫌いになれませんでした。

「悪魔的な犯罪に刑事が立ち向かうものの、それを止めることはできず、犯人の思うままになってしまう話」なのですが、それだけではない、さりげなく心に残るシーンが多く、自分の中で、「完全なバットエンドなのに好きな映画」の数少ない一つになりました!

さて、今回の映画メシは「何の変哲もないパスタ」でございます!

連続殺人の一番最初の被害者は「暴食」の罪で、この何の変哲もないパスタを食べさせられすぎた事が死因となりました。発見された時にはこのパスタに顔を突っ込んだ状態で息絶えており、しょっぱなからなかなか衝撃的でした。

「食べ過ぎると人って死ぬんだなぁ」と当たり前のことを思いました。(笑)

まずはパスタを茹でます。一人分にしては多すぎる200グラム。

塩を加えたお湯で表記の時間通りにゆでていきます。

お次はソース!映画では「スパゲッティソース」と書かれた缶が沢山並んでいました。被害者の状況を考えると大量のスパゲティソース缶に恐怖を感じてしまいますね。

映画に倣って今回は缶入り温めるだけの簡単なパスタソースを使ってみます。

耐熱ボウルに中身を空け、ラップしてレンチンします。

麺が茹であがったらザルでお湯を切り、バターを絡ませくっつくのを防止します。

お皿に乗せて、温めたソースをかけて、

完成です!

せっかくなら粉チーズをかけたり野菜を足したりしてもっと美味しくいただきたいのですが、

映画のようにシンプル&スタンダードにいただきます。

うん!美味しいです!さすがメーカーさんの味付け。(笑)

温めるだけでこんなに美味しいのだから本当に凄い!

ペースよく食べ進めていきますが、、、

一人前食べ終わったあたりですでに胃は限界。。映画のように脅されながら食べていると想像してもう少し頑張ってみましたが、ギブアップ!苦しい!!

満腹の時におなかに詰め込むのってかなり苦しいです。

ましてや拳銃を突き付けられた状態で恐怖に震えながら食べ続けるのは正に拷問だと思います。

そしてもう一つ思ったのは、「パスタをゆでるだけ、ソースを温めるだけ」と言っても噴きこぼれないように気を付けたり、やけどに注意しながらザルにあけたり、缶をあけて盛り付けたり、地味ですがやることはあるのです。拳銃で撃ってしまえばいいものを、わざわざ手間をかけて、時間をかけて、殺人を遂行するという、犯人のサイコパスっぷりを感じました。。。

久しぶりに苦しみながらご飯を食べましたが、やはり食事は適度な量を、美味しく食べるのがいいと思いました!(笑)(翌日、朝ごはんとして美味しく完食しました)

ごちそうさまでした。

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今回取り上げた作品はコチラ!

【キャスト】
ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・パルトロー、R・リー・アーメイ、ケヴィン・スペイシー

【スタッフ】
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
音楽:ハワード・ショア
撮影:ダリウス・コンジ
編集:リチャード・フランシス=ブルース
配給:ギャガ

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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~」全国順次公開中!!
その他:共感シアターでMCやコメンテーターとして活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta

 

『瀬田ミナコのシネまんぷく』
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