第76回:『マスカレード・ホテル』|物語の舞台「ホテル・コルテシア東京」の朝食を勝手に創作!【瀬田ミナコのシネまんぷく】
共感シアターでもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!
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■今回の映画:『マスカレード・ホテル』(2019年)
今回は、東野圭吾さんの小説を実写化した映画「マスカレード・ホテル」です!
原作の小説は三作品ある人気シリーズで、映画は、間もなく第二作目となる「マスカレード・ナイト」の公開です!
新作を観る前に、一作目を観ておかねば!!ということで選びました。
映画「マスカレード・ホテル」が公開されたのは2019年、監督は鈴木雅之監督、主演を務めたのは木村拓哉さんと長澤まさみさんです。他にも、ホテルマン、警察、宿泊客などの役で沢山の豪華キャストが集結している作品です。
物語の舞台は「ホテル・コルテシア東京」という高級ホテル。
東京では連続殺人事件が起こっており、次の犯行予告現場がこの「ホテル・コルテシア東京」なのです。
事件の手がかりが少ない中、警察は第4の犯行を防ぎ、犯人を捕まえるべく、ホテルマンに扮して潜入捜査を開始します!が、刑事なのでホテルマンの業務には不慣れな人ばかり。そこで本物のホテルスタッフが指導係として刑事とペアを組むことになります。
木村拓哉さん演じる新田浩介刑事はフロントクラークを担当、そして彼の指導係に任命されたのは長澤まさみさん演じる真面目なホテルマン、山岸尚美です。どの「お客」が犯人でもおかしくない状況で、すべての客を疑うのが仕事の刑事と「お客様」を信じてサービスを提供するのが仕事のホテルマン。正反対の二人が事件の真相に迫っていくお話です!主演の二人がとてもハマり役で、すごく良かったです!
新田は最初、髪も長く、歩き方も意識していない感じで刑事100%という雰囲気でした。(それはそれで、とても格好良かったです!!)しかし、山岸の働く姿を見ていくうちに少しずつホテルの仕事を理解し、考え方が変わっていく様子が、立ち振る舞いやしぐさの変化で表現されていたのが凄かったです。
山岸も最初は真面目過ぎる性格が、あまり好きになれなかったのだけれど、そこには仕事への熱い想いがあって、単にお堅い人間という訳ではないことが、芝居の中で垣間見えてきました。そして映画を観終わるころには尊敬できる素敵な登場人物になりました!
特に、印象的だったのは訳あって盲目のふりをしているお客さんへの対応です。
本当は目が見えていると気が付きながらも、気づかないふりをして、お客様が望む接客を続ける姿は、単にサービスを提供するだけではなく、お客様への気遣いがあって素敵でした。(松たか子さん演じるこのお客はちょっと不気味さがあって怖かったのですが、山岸もその怖さを感じながらも気遣いのある対応をしたのだ!と思うととっても尊敬できます)
そして登場するお客達が皆本当に怪しい。(笑)
沢山の要注意人物が登場するけれど、皆裏に何か抱えているのが分かって、全員犯人に見えちゃうので、彼らが怪しい行動をするたびにドキドキでした。
新田が険しい顔つきになってしまうのもしょうがない。
役者も演出もドキドキさせるのが本当にうまいです!
だれが犯人で誰を狙っているのか?というスリルのあるミステリーな要素はこの映画の軸でとても面白いのですが、もう一つ私が面白いと感じたのは、知らなかった「ホテルあるある」です。ホテルには様々な(面倒とも言える)お客が沢山来ることを初めて知りました。厄介なクレーマーから不倫の修羅場、ストーカーから逃げてきた人、また逆に追いかけてきた人もいて、自分が想像するよりもいろんな事情を抱えた人がホテルを利用するということ、そしてホテルマンには、そんなお客様の要望に応える柔軟なサービス精神が必要なことを知りました。
特に生瀬勝久さんが演じていた宿泊客の、「パソコンのデータが消えたから全部打ち直せ!」という超理不尽かつ無理難題は流石に断るだろうと思ったのに、山岸は嫌な顔もせず要求に応えていて驚きました!
実際のホテルでココまでしているかは分からないけれど「できる限りのことをする」というこの考え方が、高級ホテルの非日常な体験を作り出していることは間違いないと思い、ちょっと感動してしまいました。
もし本当に「ホテル・コルテシア東京」があったら、利用してみたいです!
ミステリーとして面白い映画ですが、ホテルマンの仕事を描いた映画としても楽しむことが出来ました!
物語のクライマックス、ついに犯人が誰なのか、狙われているのが誰なのか?が判明するのですが、個人的にはかなり意外でした!特に狙われていた人物に関しては、全然違う人を予想しながら観ていたので、いい意味で期待を裏切られ、とても楽しかったです。
新田と山岸の、正反対ながらもいいコンビな関係性にすっかり魅了されてしまったので、新作でも二人の活躍に期待です!
さて、今作の舞台となった「ホテル・コルテシア東京」は、ロイヤルパークホテルがイメージされているということで、以前、自分が宿泊客としてに泊まった時のことを思い出しました。
印象的だったのが朝食です!シェフが目の前で‘ふわっふわ’のオムレツを焼いてくれるのです。味も、もちろん美味しかったのですが、オムレツをトントンと丸めていくプロの技!そしてその技で「私のためだけにオムレツを焼いてくれる」という特別感が最高でした!
というわけで今回の映画メシは「ホテル・コルテシア東京」の朝食を勝手に想像して作ってみます!あのオムレツにも挑戦!
まずは卵を割って溶きほぐしザルで濾します。ザルに意外と塊が残りました。このひと手間が滑らかな舌触りにつながるんですね!
塩コショウで味をつけ、バターをひいたフライパンに流し入れます。ロイヤルパークホテルで見たプロの技は再現できないのでゴムベラを使います。
手早くかき混ぜて、、、。
火が強かったようです。あっという間に炒り卵になってしまいました(泣)
超弱火で再チャレンジ。大きな塊にならないように休まず混ぜて、半熟になったら火を止めます。
ゆっくり端からゴムベラで丸めていき、形を整えます。23.24.9
ひっくり返してつなぎ目が固まるまで再度加熱したら完成です!
今度は上手くできました!
お次はパンケーキです。
ホットケーキミックスと投入を混ぜ合わせたらディスペンサーに入れます。
フライパンにコルテシアのマークを描き、加熱。色が変わってきたらマークの上から生地を乗せて焼きます!
ホテルのマーク入りパンケーキの完成です。
ベーコンを焼き、ウインナーをボイルして、野菜をそえれば完成です!
ホテルの朝食では定番の、ホットコーヒーとオレンジジュースもつけてみました!
もし本当にマーク入りのパンケーキを出すなら、焼印で描くと思いますが、パンケーキアートで描いたマークもなかなか可愛くてお気に入りです!
このマークも作中重要なポイントになっていました!
オムレツの中は‘ふわふわトロトロ’の滑らかな食感で、とても美味しくできましたが、やはりホテルで味わう特別な味には及ばず。
プロの凄さを痛感しました!
山岸のようなサービスを提供するホテルマンも、料理を提供するシェフも、一流のものを提供できるプロはかっこいいなと思います。
ごちそうさまでした!
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今回取り上げた作品はコチラ!
【キャスト】
木村拓哉、長澤まさみ ほか
【スタッフ】
原作:東野圭吾「マスカレード・ホテル」(集英社文庫刊)
監督:鈴木雅之
脚本:岡田道尚
音楽:佐藤直紀
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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~」全国順次公開中!!
その他:共感シアターでMCやコメンテーターとして活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta
『瀬田ミナコのシネまんぷく』これまでの連載記事はこちらから!
https://moviemarbie.com/special/cinemanpuku_index/
※瀬田ミナコが出演中の共感シアターのアーカイブ動画はこちら!
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