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第39回:『ムトゥ踊るマハラジャ』|2020年の最後は楽しく元気に!バターチキンカレーと観る極楽浄土!【瀬田ミナコのシネまんぷく】

共感シアター「KIQ STATION」のキャスターとしてもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!

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■今回の映画:『ムトゥ踊るマハラジャ』(1995)

年末年始だし、今年は気が重いニュースも多かったし、、せめて一年の最後はパァッと明るくいきたいよね!!ということでオススメされた、最高に元気な映画『ムトゥ踊るマハラジャ』を紹介したいと思います!!

 

インド映画でしかも1995年に公開されており、約25年も前からインド映画って日本で観れたんだ!と、まず驚きでした。しかも上映時間が長く、日本での公開当時は途中休憩が入ったと聞き、なんじゃそりゃ、と。(笑)とりあえず予告編を見てみたところ、「伝説の”見る極楽浄土”」という」キャッチフレーズが目に飛び込んできました(笑)三時間近い大作ですが、もう私の心は既に興味深々、極楽浄土を見てやろうじゃないか!ということでワクワクしながら観てみました!

物語の主人公は、ある富豪の家に使える従者です。ムトゥという名の彼は、明るくて誠実で、仕事もできるので、主人からも従者たちからも大人気です。ムトゥの主人、ラージャは芝居好きで、ある日ムトゥを引き連れて観に行った劇団の女優、ランガに恋をします。しかし、周りの者たちは、ラージャがついに従妹との結婚を承諾したと勘違いし、大喜び。そして勘違いしている間に、ムトゥとランガが惹かれ合ってしまいます。そんな三角関係の中、財産を奪うためやってきたラージャの親戚の企みに巻き込まれたり、行方知れずだったムトゥの父親の正体が明かされたりして、ついにムトゥの出生が明かされるのでした!!

この映画をいろんな人にお勧めしたいですが、何がどう面白かったか説明しようと思うととても難しいですね。ご都合主義のストーリー、時代を感じる効果音、絶対殴られたふりだと分かるアクション、、なんですが、気づけば終始笑いながら観ていたし、観終わると音楽が耳から離れず、なんだかいい気持ちになってる。そんな映画でした!

とにかくいちいち大げさで、笑えるところが山ほどあります!顔芸といっても過言ではないほどみんなの表情が豊かで、インドで暮らしたらとても楽しそうだなぁと心から思いました。インドではあのテンションの高さが普通なのでしょうか?ムトゥのかっこつけ方なんかこれでもかっていうくらいキメてて笑っちゃうのに不思議と癖になります。首にかけた腰布を、超かっこつけながら、外してはかけ、外してはかけ、、しかも首にかけるたびにビシッバシッビュン!と効果音が入るので、だんだん真似したくなってきます!

ムトゥを演じているのはラジニカーントという俳優さんで、多くの賞を受賞している絶大な人気を誇る方だそうです。最初画面に現れた時はどう見てもただのインド人のおじさんで、イケメンでもスタイルがいいわけでもなく、これが主人公!?と疑いたくなるような外見です(ラジニカーントさんごめんなさい、、、きっと文化の違いです)しかもそのおじさんがキレッキレのダンスをしてくるんだから笑っちゃいますよね!なのに、映画見進めるにつれ、ムトゥという人物が大好きになり、何ならちょっとカッコよくさえ見えてくるから不思議です。

インド映画では歌って踊るのがつきものですが、この作品も例外ではありません!初っ端からみんなで歌って踊って、楽しませてくれます!インドの役者さんはみんなダンス上手いな〜キレッキレです。そして音楽がとても良いです。詩的な歌詞と、明るくてリズミカルな音に、自然と笑顔になってきます。一曲の中で何度も衣装やステージが変わったりして、まるでmusic videoのようです。物語の流れから外れているようで、ちゃんと繋がっていて、ミュージカル王道作品とは違った作りですがすごく良いです。

アクションシーンは、決してリアルではないんですが、めちゃくちゃ盛り上がれるし「いいぞ!やれやれー!!」という野次馬のような目線で楽しめます。この映画ではちょっとカンフーっぽいアクションが多かったかな?と思います。絶対ほんとに殴ってないでしょ!!って丸わかりなんですが、派手な効果音と、やられる時に派手に吹っ飛ばされる敵たちを観ていると、やはりテンションが上がります。ちょっと歌舞伎の殺陣を思い出しました!歌舞伎の殺陣もリアルではないし、誰しも本当に切ってるなんて思ってないけど、そんなことどうでも良くて、格好良い姿が表現されててることが大事ですよね!

この、ムトゥに関しても、細かいこと気にせず素直に面白い!楽しい!と思えるところが良かったです。一番好きだったのは、ランガを縛り付けるの義理の兄をムトゥがぼこぼこにするところです。義理のお兄さんの負けた後の態度の変わりようが最高です。

物語のクライマックスではムトゥの出生が明かされます。実はムトゥこそが大地主の正統な後継者であり、突然、従者の身から主人へと立場の変わってしまいます。が、ムトゥの誠実な態度は変わらず、そこが彼らしくて、カッコつけはするけど気取らない魅力だなぁと思いました。悪者はみんなムトゥがやっつけ、他のみんなは、揃って幸せになれる終わり方で、こっちまで明るい気持ちになりました。「見る極楽浄土」の意味が少し分かった気がします!

今回のお料理は、インド映画ということで、カレーとナンです!バターチキンカレーに挑戦しますが、作中登場しないし何なら南インドが舞台の映画なので、ちょっと食文化も違うかもですが、細かいことは気にするな!!これはそういう映画だ!!

というわけで作っていきます!

まずは鶏むね肉を一口大にカットします。ヨーグルトとカレー粉を混ぜたソースにお肉を漬けて数時間冷蔵庫で放っておきます。

みじん切りにした玉ねぎとニンニク、おろし生姜を炒めていきます。しんなりしたらカレー粉を投入!さっと炒めてトマト缶を一缶全部入れます。砂糖、塩、しょうゆ、ソース、コンソメなどで味付けしていき、煮込んでいきます。ふつふつしてしばらくしたら、漬け込んだお肉をソースごと入れます。よく混ぜてさらに煮込んでいきます。

口当たりを滑らかにしたいのでお肉だけ取り出して、ミキサーにかけます。

最後に生クリームをたっぷり入れてバターチキンカレーの完成です!

そして、ナンを作っていきます。

強力粉、薄力粉、砂糖、ドライイーストにお水を加えてよく捏ねていきます。

30分ほど発酵させたらガス抜きをして、ナンの形に伸ばします。フライパンで両面をこんがり焼いたらこちらも完成です!

バターとスパイスのいい香りが食欲を刺激します!

熱々のナンを火傷に気をつけながらちぎって、バターチキンカレーをたっぷりつけてパクっと口に入れると、、マイルド~!!優しい味なのにコクとスパイスの辛さがしっかりあっておいしいです!ふわふわのナンとも合いますがご飯とも合いそうです。異国ご飯を食べながら、楽しそうなインドに思いを馳せます、、

ごちそうさまでした!

今年4月から連載スタートした「瀬田ミナコのシネまんぷく」気がつけばもう39回目ですね。いつも読んでくださりありがとうございます!来年も楽しく観て、書いて、作って、食べて、の変わらぬペースでやっていきますのでお楽しみに!

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今回取り上げた作品はコチラ!

【キャスト】
ラジニカーント、ミーナ

【スタッフ】
監督・脚本:K・S・ラビクマール

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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~ 2021年 春より全国順次公開
その他:共感シアター「KIQ STATION」でキャスターとしても活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta

 

『瀬田ミナコのシネまんぷく』これまでの連載記事はこちらから!
https://moviemarbie.com/special/cinemanpuku_index/

 

※瀬田ミナコが出演中の「KIQ STATION」アーカイブ動画はこちら!