MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

第21回:『来る』|ホラーだけど怖いだけじゃない!自分の日々の行いや心の弱さについて考えさせられる!【瀬田ミナコのシネまんぷく】

共感シアター「KIQ STATION」のキャスターとしてもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■今回の映画:『来る』(2018)

オムライスが美味しそうな映画だと聞いて観てみることにしました!(笑)日本のホラー映画はちょっと苦手で、どれくらい怖いかリサーチしてから観ました。「怖くない」「ホラー映画じゃない」などのコメントもいくつか見かけたので安心して本編をスタートさせると、、、なんだよ!めちゃくちゃ怖かったです!!

妻夫木聡さん演じる田原は、妻と幼い娘との毎日をブログに乗せるいわゆるイクメンパパ。しかし恐ろしい怪異が身の周りで起きはじめ、故郷での気味の悪い記憶が蘇ります。オカルトライターの野崎(演:岡田准一)は、そのことで田原から相談を受け、霊媒師の血をひく恋人、真琴(演:小松菜奈)を紹介しますが、田原家に迫る「何か」もしくは「アレ」はあまりに強力で邪悪なモノでした。

田原の妻である香奈(演:黒木華)と、娘の千紗を守るべく奮闘する田原ですが、ついに「アレ」の手にかかり帰らぬ人となります。田原に憑いていたはずの「アレ」ですが、田原の死後も怪異は続き、香奈や千紗にも被害が及びます。野崎と真琴は「アレ」から一家を守ろうとしますが、弱さや心の闇につけ込まれ・・・。そして霊媒師である真琴の姉、琴子(演:松たか子)が日本各地から霊媒師を呼び集め、まるで神を迎えるかのような大規模なお祓が始まります。

最初、イクメンパパの田原が主人公かと思いました。が、物語が進むと妻の香奈が主人公だと思いました。そして最終的にはオカルトライターの野崎が主人公でした(笑)

この映画で私が声を大にして言いたいのが、「虫が苦手な人は要注意!!芋虫、毛虫がダメな人は心の準備を!」です。「アレ」がやってくるシーンには、ほぼ必ず幼虫がセットで出てきます。どうやら虫が「アレ」を呼び込むのを手伝っているらしいのです。オバケの怖いに加え、大量の虫への恐怖と嫌悪感が同時に襲ってくるので、かなり刺激が強かったです。

ですが私が1番怖かったのは、虫なしのシーンでした。田原が殺されるシーンです。霊媒師・琴子の電話越しの指示に従って、「アレ」を祓うための準備を進め、家の全ての鏡を割り、刃物を隠しますが、実は全て罠でした!人の声を借りて話す「アレ」は琴子の声を借りて、逆に田原を襲う準備を進めさせていたのです。同じ声で真逆の指示をしてくるので、どちらが偽物か、どちらを信じればいいのか、田原と一緒に大混乱してしまいました。「アレ」から自分を守る物をせっせと壊していたと思うとゾッとします。

そして特に面白かったのが琴子によるお祓いの準備シーンです!お祓いそのもののシーンもスケールが大きくて盛り上がりますが、それよりも準備している時の方がワクワクしました!

巫女や、沖縄の霊媒師であるユタ、神職やモニター管理をするスタッフまで老若男女、様々な人が集められます。琴子の呼びかけで当然のように警察も動くし、田原のマンションの公園には祓いの儀式のために舞の舞台が建設され、雅楽が奏でられます!これから何が始まるんだ!という期待感とともに、準備中にも霊媒師たちが「アレ」からの襲撃をうけるため相手の強さも感じられるので「これはすごい戦いが見られるぞ!」と最高にワクワクしました。このあたりのシーンはセットや背景の色が綺麗で、ホラーの暗いイメージとは違い、カラフルで明るい画面だったのも印象的でした!

この映画はキャストがとっても豪華ですよね!メインキャストの、岡田准一さん、黒木 華さん、小松菜奈さん、松たか子さん、妻夫木聡さんに加え、青木崇高さんや、柴田理恵さん、仲野太賀さんも重要な役どころで出てきます。

中でも特に印象に残ったのが、霊媒師の1人として出てくる柴田理恵さんです。すごくかっこよかったです!最初胡散臭そうに見えるのですが、とても力のある霊媒師で、「アレ」に片腕を切断されても、屈する事なく祓いを続ける強い表情から、霊媒師としてのプロ意識のようなものを感じました!

松たか子さんも淡々としていてかっこ良かったです!映画「告白」を思い出しました。告白も、今作と同じ中島哲也監督の作品なので納得です。

結局「アレ」が何なのかは最後までよく分かりませんでした。気になって調べてみると、この映画は「ぼきわんが、来る」という小説が原作でした。映画の中にもちらっと「ぼぎわん」という名前が出てきましたが、詳細は不明です。

分かるのは、「アレ」が人の弱みや闇につけこむ事と、誰かを大切にしないような人を狙ってくるということです。田原は真琴に出会ってすぐ「ちゃんと奥さんと子供に優しくしろ、そうすればアレは来なくなる。」と言われています。田原はブログでは幸せな家庭を偽り、家族を大切にしているつもりで実は妻子の気持ちを分かろうとしない父親でした。香奈も田原の亡きあと一人での子育てに疲れ、娘にあたってしまったり、善意で置いてくれた盛り塩を笑顔で踏みつぶしたりします。

怖いだけでなく、ちゃんと周りの人を大切にしようと思える映画でした。また主人公である野崎は、かつての恋人に自分の子供を堕ろさせた経験があり、親になる責任や大切なものができる怖さから逃げてきました。そんな野崎が「アレ」が起こす一連の出来事を通して変わっていく姿が描かれていて、想像以上にホラー以外の要素が沢山の映画でした。私が観る前にリサーチした感想で「ホラー映画じゃない」と言っていた人はきっとその部分のことを言っていたんだと思います。

さあ、今回の料理はオムライスです!
映画のどこに出てくるかというと、田原家の可愛い女の子、千紗ちゃんの好物です。すっっっごく美味しそうにオムライスを食べるので見ているこっちまでお腹が減りました!千紗ちゃんはきっと両親と笑顔でオムライス食べたかっただけなんだろうなぁと思うと胸が痛いです。。

まずはチキンライスを作ります!
玉ねぎ、ピーマン、鶏肉を切りバターで炒めていきます。

塩コショウで下味をつけたらご飯も入れてケチャップ投入!
全体になじんだら最後に刻みパセリを混ぜておきます。

卵は少し牛乳を加えてフライパンに広げます。

そしてケチャップライスを乗せたら頑張って包むようにお皿に移します!

形を整えて、パセリとケチャップを飾り完成です!

千紗ちゃんの夢の中の、「オムライスのくに」も再現しましたよ!高さを出したいのでコップにライスを詰めて形を作り、お山型になるように卵をかぶせます。文字を書いて完成です!

バターの香るケチャップライスと、卵の優しい味がよく合って美味しいです!

あぁ、千紗ちゃん役の子にあの笑顔で食べてもらいたいな、、笑

 

『来る』の瀬田ミナコ的評価は、、、

星3.4!!!

名称未設定-1 名称未設定-1 名称未設定-1

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回取り上げた作品はコチラ!

監督:中島哲也

キャスト:岡田准一, 黒木華, 小松菜奈, 松たか子, 妻夫木聡

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
今後の公開予定作品:映画「種まく旅人〜華蓮(ハス)のかがやき〜」
その他:共感シアター「KIQ STATION」でキャスターとしても活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta

 

『瀬田ミナコのシネまんぷく』これまでの連載記事はこちらから!
https://moviemarbie.com/special/cinemanpuku_index/

 

※瀬田ミナコが出演中の「KIQ STATION」アーカイブ動画はこちら!