「瀬田ミナコのシネまんぷく」第15回:劇場で観れて良かった!大迫力!『もののけ姫』
共感シアター「KIQ STATION」のキャスターとしてもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!
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■今回の映画:『もののけ姫』
こんにちは!ジブリ大好き人間、瀬田です。この度なんと、映画館でジブリの過去作品を観れる!ということで、行ってきました!!
もう何度も何度も、少なくとも10回以上は観ているもののけ姫ですが、映画館で観ることが出来て本当に良かったです。今まで観た中で1番楽しめました!
今回は感想と共に映画館でみて良かったと思う事を書きたいと思います。
まずは作品紹介を。
もののけ姫はスタジオジブリ制作、宮崎駿監督のアニメーション映画で、1997年に公開されました。公開当時の日本映画の興行収入ランキングで1位になり、現在も4位となっています。
物語の舞台は昔の日本ですが、神々が実体を持ち登場していてファンタジーな作品です。主人公アシタカは、エミシの一族の長となる青年です。村を襲う「タタリ神」から死に至る呪いを受け、村を追われてしまいます。イノシシがタタリ神となった経緯と真実を見定めるべく、また呪いを解く方法がないか探すべく旅に出ます。
「シシ神の森」にたどり着いたアシタカはそこで、森に住む神々と、たたら場の人々と、そして「もののけ姫」と出会います。呪いの真相を知り、憎しみを生み続ける人間と森との争いを止めようとするアシタカですが、憎しみは重なり合い複雑です。そして、たたら場のエボシ御前がシシ神殺しに動き出したことで事態は悪化していきます。
ストーリーを書いていて改めて思いますが、起承転結の結がとても難しい映画です。アシタカは最終的に呪いを解くことが出来るわけですが、森も人も多くの命を失い、問題の解決はしておらず逆に新たな憎しみが増えたような気すらします。シシ神は死に、森にとってはかなりのバットエンドかもしれません。ですが、あえて結末を文字にするとしたら、森も人も、両者が共に生きる道を考えるスタートラインに立てた。という事だと私は思いました。
何度見てもアシタカが見た目も中身も最強のイケメン、ということは変わらないんですが、どの女性キャラクターに惹かれるかが年々変わってきました。子供の頃は、もののけ姫であるサンが好きでした!ヒロインだし、可愛いし強いし、特別だし、憧れの存在でした。(真似してペットの柴犬に乗ろうとしては逃げられていました)ですから映画の見方も完全に森サイドで。笑
環境破壊は良くないよ!エボシは敵!と思って観ていました。
それが今ではエボシ御前に魅力を感じるようになりました。仲間にはとても優しく、感染病への差別もせず、強いカリスマ性を持っている女指導者です。自分の描く理想のためならば犠牲も厭わないところも、冷酷な訳ではなく、割り切って考える彼女の強さなんだと思えてきました。人間サイドの見方が少し入ってきた今、エボシのことを単に敵、とは思えないですね。
もしいつか母親になってまたこの映画を観たら1番共感できるのは山犬のモロかもしれないな、なんて思います。山犬と人間なのにサンを見る目は母親そのもので、サンに「あの若者と生きる道もあるよ」というシーンは毎回いいお母さんだわぁ、、と思います。モロと言えば、美輪明宏さんの声の芝居が素晴らしすぎて、見るたびに演技の勉強になっています。黙れ小僧!!
有名な「生きろ。そなたは美しい。」というセリフですが、アシタカはサンの何を美しいと思ったのでしょう。容姿だけの話ではないはず!作中ではこのシーンで、あの有名な歌が流れます。「はりつめた弓の ふるえる弦よ 月の光にざわめく おまえの心」、「とぎすまされた 刃の美しい そのきっさきによく似た そなたの横顔」これ、私は勝手にですが、前半はサン→アシタカの部分、後半はアシタカ→サンの部分だと思って聴いてます。
アシタカは平静に見えますが、やはり生きたいという想いがあり死を恐れているように感じます。張り詰めた心のアシタカには、サンはどう見えたのか。人間ながら山犬と暮らし、死をも恐れない固く洗練された意志を持って、シシ神の森を守るサンの生き様は、危険で美しい刃のように見えたんじゃないかと思いました。宮崎駿監督がこの映画で何を言いたかったかなんて分かりませんが、生きるという事がどういう事かを描いた作品だと、今は思います。観る度に少しずつ感想が変わるので、また定期的に観ようと思います!
ここからは映画館でみて良かった点です!大画面で見るとやはり大迫力です。冒頭のタタリ髪のシーンで「これは劇場来て正解!」と確信しました。そして驚いたのが、音が良かったことです!低音がめちゃくちゃ響いてこれまた迫力アップです。水の流れる音や、洞窟で少し反響してる音など、繊細な音にもこんなにこだわってたんだ!と初めて気がついた事も多かったです。あと、今まで、聞き取れなかったor間違って聞こえてたセリフが正しく聞こえました!もし映画館でもののけ姫を観るときは、是非音にも注目して観ていただきたいです。
さて今回はジコ坊が作ってくれるお粥を作りました!このジコ坊も、良い人なのか悪い人なのか、敵なのか味方なのか、、一重に善悪を決められないキャラクターが多いですね。
まずはお米を洗って少し水につけておきます。映画を再現して味噌味にしてみます!全粥にしたいのでお米とお水は1対5。
あとは時々かき混ぜながらひたすらぐつぐつ。
大体できました!ここまできたらもう失敗はしないでしょう、ということで、それっぽく火鉢に移動です!笑
ニラ投入!
お味噌投入!
あとは好みの固さになるまでもう少し煮ます。ニラの食欲をそそる香りに炭の香りが混ざって良い感じ。完成です!
お粥は優しい味であったかくて、お腹にしみいる美味しさ!映画みたいに、旅の夜に屋外で食べたらもっと美味しいんだろうなーなんて思います。
おまけに、サンの干し肉(ビーフジャーキーです笑)を添えてみました!硬い!!
ごちそうさまでした。
『もののけ姫』の瀬田ミナコ的評価は、、、
星4.5!!!
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今回取り上げた作品はコチラ!
監督・脚本:宮崎駿
音楽:久石譲
キャスト:松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、小林薫、美輪明宏、森繁久彌
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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
今後の公開予定作品:映画「種まく旅人〜華蓮(ハス)のかがやき〜」
その他:共感シアター「KIQ STATION」でキャスターとしても活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta
『瀬田ミナコのシネまんぷく』これまでの連載記事はこちらから!
https://moviemarbie.com/special/cinemanpuku_index/
※瀬田ミナコが出演中の「KIQ STATION」アーカイブ動画はこちら!
- 「瀬田ミナコのシネまんぷく」第14回:不気味かと思いきや、素敵な愛の物語『シェイプ・オブ・ウォーター』
- 「瀬田ミナコのシネまんぷく」第16回:ラストシーンに鳥肌ゾクゾク!ジョーダン・ピール監督の社会派ホラー『アス』