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第128回:『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』(2002)|みさえが戦国時代の人々に振舞うカレーライスを天正二年の食材で再現!【瀬田ミナコのシネまんぷく】

共感シアターでもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!

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■今回の映画:『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』(2002)

今回は、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦」です!

名作の多いクレヨンしんちゃんの劇場版ですが、特に今作は「泣ける!」という声の多い感動作になっています。

天正2年にタイムスリップした野原一家が「カレーライス」を殿様に振舞うシーンがあるのですが、以前ネットでこんな話題を耳にしたのです。「天正二年でカレーを作るとしたらどんな具材が入っているのか。」

確かに、牛肉や豚肉は手に入らないでしょうし、まだ日本にはない野菜も沢山あります。

非常に面白い視点だと思ったので今回は天正2年でも作れたであろうカレーを作っています!

まずは、映画の簡単な紹介と感想からご覧ください。

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦」はクレヨンしんちゃんの劇場版第10作目にあたる作品で、2002年に公開されました。監督、脚本は原恵一監督で2002年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞など、沢山の賞を受賞しています。

また2009年には本作を原案とした実写映画「 BALLAD 名もなき恋のうた」も公開されました。

 

物語は野原一家が全員で同じ夢を見たところから始まります。

それは着物を着た女性の夢で「綺麗なおねいさん」に大興奮の、ひろしとしんのすけ。

その日の夕方、しんのすけはペットのシロが掘り返した庭の穴からある手紙を見つけます。次の瞬間、天正2年にタイムスリップしてしまったのです。

しんのすけは偶然命を救った武士、井尻又兵衛由俊の家に居候し、春日城に住む廉姫や城下町の子供たちと交流しながら両親の迎えを待つことに。

その頃行方不明になったしんのすけ探し回っていたひろしとみさえは、天正にいるしんのすけが未来に向けて書いた手紙を発見し、自分たちも戦国時代に向かう覚悟を決めるのでした。

タイムスリップした野原一家の活躍と、戦国時代に生きる又兵衛と廉の切ない恋を描いた作品です。

 

クレヨンしんちゃんの映画はおふざけギャグよりのものから感動系まで色々ありますが、この映画はかなり真面目な作りになっていて、言ってしまえば「クレしん」っぽくない映画だと思います。又兵衛と廉姫の恋が丁寧に描かれているのでそちらに感情移入してしまうし、しんちゃんの主人公感は若干薄めです。

しかし!95分の映画だとは思えないほどの満足感で、映画として物凄く良くできている作品です。あまりの完成度の高さに、見る度に感心させられます。

クレしんの映画だからこそ面白い設定だし、しんちゃんだからこそ又兵衛との関係性に感動できるし、笑えるシーンと泣けるシーンの緩急が心地よいと感じました。

「よくぞこの物語をクレしんの映画でやってくれた!」という気持ちです。

 

 

合戦のシーンの見ごたえもあり非常に面白かったです。シリアスで緊迫感のあるシーンのなか、乗用車に乗った野原一家が本陣まで突入してしまうなんて、テンション上がりまくりでした!

「もし戦国時代に車が一台あれば歴史が本当に歴史が変わっていただろうなぁ」と思います。

大人になってこの映画を観るとひろしとみさえに共感して、子供の頃とは違う箇所で笑えたのもすごく良かったです。持ってきたビールを全部飲まれた時の絶望感、良く分かります。(笑)

何より戦国時代という、いつ死んでもおかしくない状況に息子を助けに行く二人の姿は、ジーンと来るものがありました。

そして!

今作も身分差の恋を描いたお話ですが、結ばれない運命の二人の恋愛はなぜこうも面白いのでしょうか!真面目にドキドキしてしまうような甘酸っぱいシーンがあるのですが、個人的にすごくツボでした。そう、簡単にくっついてしまっては面白くないのです。(笑)

バッドエンドの映画だとは思いませんが、決してハッピーエンドではない今作。恋愛映画として観てもすごく楽しめました。

それでは今日の映画メシ!

冒頭でも触れましたが今回は戦国時代にも日本にあったであろう食材を使ってカレーライスを作りたいと思います。諸説ありますが、ジャガイモ、ニンジン、タマネギはまだなかったようです。

という訳で今日のカレーの具は、鶏肉、里芋、長ネギです!どんな味になるのでしょう。ちなみにカレールウは甘口です。しんちゃんは辛口は食べなさそうなので。

まずは長ネギを切ります。

里芋は茹でてから皮を剥きました。茹でた後ならスルッと剥けると聞いたのですが、上手くいかなかったので結局包丁を使っています。

鶏肉は先にフライパンで焼いて余分な脂を落としていきます。

お鍋に長ネギを入れ少し炒めたら、

水と里芋、鶏肉を加えて沸騰させます。

途中灰汁を取りながら里芋がしっかり柔らかくなるまで煮込みます。ちょっとトロッとしてきました。

最後にカレールウを溶かせば完成です!

見た目はスタンダードなカレーライスとあまり変わりませんね。美味しそうです。

ではさっそく、映画に倣ってお箸でいただきまーす!

一口食べてみてびっくり!甘い!カレールウが甘口なのもありますが、長ネギの香りと甘さがしっかり出ていてカレーと相性抜群です!

 

そして里芋ですが、ねっとりしていてこれがまた美味しい。

いつものカレーライスよりも体が温まりそうな感じです!

映画の中では殿様や廉姫がカレーライスを「美味しい」と喜び、又兵衛はビールを気に入っていましたが、もし本当に昔の日本人がカレーやビールを口にしたらどんな反応をするのかちょっと気になります。(笑)

ごちそうさまでした!

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今回取り上げた作品はコチラ

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』(2002)

【キャスト】
矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ、屋良有作、小林愛、山路和弘、宮迫博之、蛍原徹

【スタッフ】
監督・脚本:原恵一

原作:臼井儀人
演出:水島努
音楽:荒川敏行、浜口史郎
作画監督:原勝徳、大森孝敏、間々田益男

Netflixで視聴するこちら

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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~」全国順次公開中!!
その他:共感シアターでMCやコメンテーターとして活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta
Instagram:https://www.instagram.com/cinemanpuku_minako/

『瀬田ミナコのシネまんぷく』
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