MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

第117回:『竜とそばかすの姫』|圧倒的な歌唱力!歌姫ベルをイメージしたケーキは華やかに美しく!【瀬田ミナコのシネまんぷく】

共感シアターでもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■今回の映画:『竜とそばかすの姫』(2021)

今回は「竜とそばかすの姫」です!前回、「時をかける少女」について書いたので、ぜひ最新作も感想を書きたいと思います!この作品、細田守監督の長編アニメーション映画の中で「一番好き!」と同時に「一番苦手!」と感じた映画なのです。どういう事なのかこの後詳しく書きますが、私にとってお気に入りの一本である事は間違いありません!

まずは作品紹介とあらすじからどうぞ!

「竜とそばかすの姫」は2021年に公開された、スタジオ地図制作のアニメーション映画です。監督・脚本・原作は細田守監督が務め、音楽監督・岩崎太整さん、主人公の声と劇中歌は中村佳穂さんが担当しました。第45回日本アカデミー賞で最優秀音楽賞を受賞した作品です。

主人公は、高知県に住んでいる女子高生のすず(鈴)。幼い頃から歌が大好きでしたが、母の事故死をきっかけに歌うことが出来なくなっていました。そんなある日、鈴はインターネット上の仮想世界〈U〉(ユー)に参加し、〈As〉(アズ)と呼ばれる自身のアバターの姿で歌を歌います。「ベル」と名付けたアバターでなら歌えるという事に喜ぶすずですが、ベルの歌はUの世界であっという間に広まり話題に。Uの歌姫として世界中から人気を集める存在になるのでした。ある日「竜」と呼ばれる嫌われ者のAsがベルのコンサートに乱入し大暴れする事件が起きます。なぜか彼(竜)の事が気になり、彼を知りたいと思ったすずは、親友のヒロちゃんと共に正体不明の「竜」について調査を始めるのでした。

この映画を劇場で観た時、すごく不思議な感覚になったのを覚えています。と言うのも、このUの世界にどんどん引き込まれていくのと同時に、「細田守監督らしさ」をひしひしと感じ、没入できないのに世界観に圧倒され、作り手の意図を感じてしまい、冷静に観てるはずなのにどうしようもなく心が動かされる、という矛盾とも言える感覚でした!

 

以下ネタバレありの感想になりますので、まだ観ていない方はご注意ください。

まずUの世界ですが、「サマーウォーズ」で描かれたOZの世界にすごく似ていて、映画の冒頭から細田守監督ワールド全開の映画だという事を悟りました。鯨の姿をしたキャラクターだったり、ネット上で賛否両論のコメントがついていく様子だったり、河原のシーンのアングルなど、挙げ始めればキリがないほど、「監督の他の作品で観た事のあるシーン」が登場します。私は基本的に細田守監督作品が好きなので、どのシーンも凄く良いと思うのですが、残念なことに気がつく度、脳内で「別の作品」が再生され始めてしまうのです。。「竜そば」を観てたはずが「時かけ」を思い出してしまったり、「バケモノの子」を思い出してしまったり。「サマーウォーズ」に至ってはずーーっと頭の隅っこに居続けたほどです。(笑)なので思い切り「竜そば」の世界に入り込めなかったのが「苦手」だと感じた理由です。

ここまでだと「合わなかった映画」と思われそうですが、もう一度言います。「竜そば」は私の大のお気に入り映画です!!思いっきり矛盾したことを書きますが、「観た事あるシーン」の一つ一つがどれもさらに魅力を増していてすごく良いのです!映画館で観るべきだと思える映像の美しさに加え、中村佳穂さんの圧倒的な歌唱力で心動かされ、Uのデザインにもさらに磨きがかかり、素晴らしい。叶うのであれば、これまで観た作品の記憶を消して、竜そばを「初細田守作品」として観たいです。

そして何よりも音楽が良い。主題歌と挿入歌を合わせると曲数も結構あるのですが、どれも何度も聞きたくなる素敵な曲です。主題歌の「U」を作った millennium paradeの常田さんも、音楽スタッフの岩崎さん、 Ludvig Forssellさん、坂東祐大さんも本当にありがとうございます。今も音楽かけながら作業しております!すずとベルを演じ、歌を歌った中村佳穂さんは、力強さと繊細さを感じる歌声がベルにぴったりで、歌が好きだという気持ちが伝わってくる感じはすずにぴったりで、この役は彼女以外考えられないと思いました。ベルの華やかな見た目もですが、この歌声が持つカリスマ性に魅了され、すっかりファンになってしまいました。

最後に「竜」の正体についてです。

全然予想しなかった人物が「竜」の正体だったので、びっくりしたと同時に、この映画の一番好きなポイントになりました。現実社会では「ネット社会の闇」とか聞きますし、顔の見えない状態で正体を隠してコミュニケーションをとるという事は、使い方を間違えれば危ないことも少なくありません。しかし、ネット社会だからこそ、国籍や性別や年齢とらわれず、その人のありのままの人間性に惹かれ合う事もあるんじゃないか?と、この映画を観て思いました。ネットだからこそ出会うことができ、恋愛か友情かという種類にも縛られずただお互いに惹かれあう「竜」とベルの関係がなんだか時代に合っていて素敵だと思いました。

  

それでは今回の映画メシ!

細田守監督作品には食べ物が沢山登場します。今作でも田舎ならではの食堂のご飯やカツオのたたきなど、気になる映画メシが沢山!

しかしベルのイメージがあまりに強い映画だったので、あえて登場したご飯ではなく、彼女をイメージしたケーキを作ってみたいと思います。

まずはケーキのスポンジを焼いていきます。

「トップガン マーヴェリック」(シネまんぷく 第114回)の時にも作ったので、この辺の作り方はちょっと省略。

材料をハンドミキサーで混ぜ、型に流し込んでオーブンで焼いておきます。

ケーキの中に入れるリンゴと、飾りに使うリンゴを作ります。

いちょう切りにしたリンゴは砂糖と水で煮込みます。

薄くスライスした方は耐熱容器に入れて砂糖と水を振りかけてレンジでチン!

次に、グラサージュを作ります。

ピンク色のコーティングでベルっぽさを出す作戦です。

牛乳と生クリーム、イチゴパウダー、砂糖を鍋で温めます。

パウダーが溶けてしっかり混ざったらゼラチンを投入。

こちらもしっかり溶かします。

火からおろして常温になるまで冷ましたら濾しておきます。

焼き上がったスポンジケーキを半分にカットし、シロップを染み込ませ、生クリームを塗っていきます。

間に煮込んだリンゴを挟み、クリームを塗り終えたら先ほどのグラサージュを乗せていきます。

スプーンで伸ばしながら少し垂らし、その上に生クリームを絞ります。

レンチンしたスライスリンゴを並べて端から巻いていきます。

お花っぽくなるのでこれをケーキの上に乗せていきます。

ベルといえばお花のイメージも強いですし、「美女と野獣」をオマージュしている今作ではバラの花も登場しました。

サイドにもリンゴのお花と、桜桃のお花を並べ、最後にアラザンでそばかすをイメージした模様を作れば完成です!

華やか~!!

リンゴが思ったよりも赤くならなかったのがちょっと残念ですが、なんとなくベルのイメージを再現できたかな?

見た目重視で作ったのでどんな味かドキドキです。

いただきまーす!

グラサージュが美味しい!!甘酸っぱくて、冷たくて、夏に美味しい感じです!

リンゴがあっさりしているので、ちょうど良かったです。

女の子の憧れが詰まったような美しいベルというキャラクターは、私の中で永遠の憧れになりそうです!

ごちそうさまでした。

 

料理の行程をショート動画で公開中!
https://youtube.com/shorts/2DPXNpWXLxc?feature=share

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回取り上げた作品はコチラ

『竜とそばかすの姫』(2021)

<キャスト>
中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世、森川智之、宮野真守、島本須美、役所広司、石黒賢、ermhoi、HANA、佐藤健

<スタッフ>
監督・原作・脚本:細田守
企画・制作:スタジオ地図
作画監督:青山浩行
CG作画監督:山下高明
CGキャラクターデザイン:ジン・キム、秋屋蜻一
音楽:岩崎太整、ルートヴィヒ・フォルセル、坂東祐大
衣装:伊賀大介 森永邦彦 篠崎恵美
制作:スタジオ地図
配給:東宝
 ©2021 スタジオ地図

公式サイト:https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~」全国順次公開中!!
その他:共感シアターでMCやコメンテーターとして活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta
Instagram:https://www.instagram.com/cinemanpuku_minako/

『瀬田ミナコのシネまんぷく』
これまでの連載記事はこちらから!