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トム・クルーズ、怒りのトロフィー返却!アカデミー賞の前哨戦ゴールデン・グローブ賞の2022年の授賞式中継が見送りへ


アカデミー賞の前哨戦として毎年多くの映画ファンが注目しているゴールデン・グローブ賞。これまで70年を超える歴史がある同賞だが、そんなゴールデン・グローブ賞が消滅の危機にある。2022年のゴールデン・グローブ賞だが、授賞式の中継が行われないことが決定した。

ゴールデン・グローブ賞は例年1月に開催され、翌月に控えるアカデミー賞の結果を占う上でも重要な賞とされており、特に注目度の高い映画賞だった。この賞はハリウッド外国人映画記者協会と呼ばれる団体が主催している。

ところが近年になって会員の中に黒人が一人もいない、協会メンバーが性・人種差別発言をした、有名人や映画スタジオに便宜を図ったなど多くの問題を抱えていることが明らかになった。アカデミー賞は「多様性」を重視するという方向性を打ち出すのとは真逆のことがゴールデン・グローブ賞では起きていたのだ。
実際、先日行われたゴールデン・グローブ賞ではアメリカ映画である『ミナリ』に作品賞などの資格を与えず、外国語映画として区分したことに多くの批判の声が上がっていた。

こういった問題を受けてNetflixやアマゾン・スタジオなど大手映画会社数社は幅広い改革を行わなければハリウッド外国人映画記者協会とは仕事をしないという声明を出した。また、スカーレット・ヨハンソンやマーク・ラファロも批判の声をあげている。

具体的な内容を言うと、スカーレット・ヨハンソンによればハリウッド外国人映画記者協会の会見に参加すると「性的嫌がらせすれすれの性差別的質問に直面することがある」と言っている。マーク・ラファロは「ハリウッド外国人映画記者協会は映画製作者や俳優と関わることで注目を集め、大きな利益を得てきた。にもかかわらず、これまで権利を奪われてきた人々や団体から求められている変化に抵抗しているのを見ると、がっかりする。今こそ、過去の過ちを正すためにステップアップする時だ。正直なところ、最近、ゴールデングローブ賞を受賞した私としては、この賞を受賞したことに誇りや喜びを感じることができない。」とコメントしている。

そしてトム・クルーズに至っては以前受賞したトロフィーを返却するにまで至っている。特にコメントなどは出していないが、かなり強烈なメッセージだ。

そしてアメリカNBCテレビは2022年のゴールデン・グローブ賞授賞式の中継を行わないと発表。協会は黒人会員を入れようとするなど、組織の改革に動き出しているものの、どうやらうまく進んでいないようだ。今のままの状態が続けばいずれは賞の存続も危ういと言われている。

「多様性」を重視するという方向に踏み切ったアカデミー賞と、そこに舵を切れていないゴールデン・グローブ賞。今後の動向が気になるところだ。