「映画っていいものだと思ってもらいたい」――BABEL LABEL15周年「全国ミニシアターキャラバン」遂に完結! 藤井道人監督、綾野剛、東出昌大、豊原功補、中村ゆりから総勢22名が集結。ミニシアターへの想いと共に歩んだフィナーレ9日間
BABEL LABELが15周年を迎えた2025年、その節目を象徴するプロジェクトとして1年にわたり展開されてきた「BABEL LABEL 全国ミニシアターキャラバン」が、12月21日、渋谷・ユーロスペースでついに完結した。
本キャラバンは、BABEL LABELがこれまで数々の作品を生み出してきた原点とも言える“ミニシアター文化”への感謝を込め、全国各地の劇場とともに歩んできた特集上映企画。その最終地点として、12月13日(土)から21日(日)までの9日間、ユーロスペースにてフィナーレ上映イベントが開催された。期間中は、藤井道人監督をはじめ、綾野剛、東出昌大、豊原功補、中村ゆりから、BABEL LABELに縁のあるキャスト・監督陣が連日登壇。作品ごとの舞台挨拶を通して、映画づくりとミニシアターへの想いが丁寧に語られていった。
■Day1 12/13(土)『LAPSE/ラプス』
登壇者:中村ゆりか、深水元基、アベラヒデノブ監督、志真健太郎監督、山田久人プロデューサー
全国ミニシアターキャラバンのフィナーレ初日は、満席となった会場で、本キャラバンを振り返りながら、これまで作品を育ててくれたミニシアターという存在について、それぞれの想いが語られた。BABEL LABELにとって、『LAPSE/ラプス』という作品は、「この作品から自分たちが、自分たちの責任で映画を撮るんだ」という強い想いのこもった作品であることが語られた。また、ゲストとして登壇した中村ゆりか、深水元基からは、BABEL LABELについて、「ホームに戻った感覚になる」「戻ってくる場所」という温かい言葉が寄せられ、絆の深さを改めて感じさせる時間となった。
■Day2 12/14(日)『生きててごめんなさい』
登壇者:山崎潤、山口健人監督
山口監督にとっては、山形の「まちなかキネマ」、群馬の「前橋シネマハウス」に続いての登壇となった。山崎潤がBABEL LABELと出会ったきっかけや、黎明期から現在について、「若い才能たちが燻っている姿を見ていたので、日本を代表するクリエイター集団になっていったことが自分のことのように嬉しい」という温かい言葉を語った。山口監督も「青春時代を過ごした“オアシス”」と表現するミニシアターでの観客との大切な触れ合いの時間となった。
■Day3 12/15(月)『君に幸あれよ』
登壇者:小橋川建、髙橋雄祐、櫻井圭佑監督
7月にBABEL LABELに加入した櫻井圭佑監督の『君に幸あれよ』が上映された。この作品は約3年前にここユーロスペースでの上映を皮切りに全国に広がった作品である。本番が始まる前には、櫻井監督とこの日のスペシャルゲストである小橋川建、髙橋雄祐が、ユーロスペース支配人の北條誠人と談笑する姿も見られた。支配人からは「元気そうでよかった」という温かい言葉がかけられていた。3人はミニシアターについて「仲間、人生において大切な場所」「3人で作ったこの船をどう走らせたらいいかと思っていた時に、手を差し伸べてくれた」「自分を映画監督にしてくれた場所。ここがなければBABEL LABELにも入れていなかった」と表現し、最大限の感謝を持ちながら、作品について多くの観客と大切な時間を過ごした。
■Day4 12/16(火)『わたしの頭はいつもうるさい』『Blind Mind』2本セット上映
登壇者:『わたしの頭はいつもうるさい』宮森玲実監督、『Blind mind』灯敦生(脚本)、矢野友里恵監督
7月にBABEL LABELに加入した宮森玲実が監督を務めた『わたしの頭はいつもうるさい』と、灯敦生が脚本を務めた『Blind mind』が上映された。舞台挨拶には、宮森玲実と灯敦生のほか、スペシャルゲストとして『Blind mind』で監督を務めた矢野友里恵が登壇した。3人はいずれもBABEL LABELと深い繋がりがある日本大学芸術学部の出身であり、矢野監督も学生時代にBABEL LABELで働いていた過去があるなど共通点が多く、和気あいあいとした雰囲気となった。3人は、この企画を立ち上げた先輩メンバーたちの意志に最大限に敬意を払いながら、最後に「映画館は新しい出会いがある場所」「こんな感情が私の中にあったんだ、という掘り出し物を見つけてくれる場所」「感情の交換が出来る場所」と表現し、新たに生まれた出会いに感謝する時間となった。
■Day5 12/17(水)『朽ちないサクラ』
登壇者:豊原功補、遠藤雄弥、原廣利監督
『朽ちないサクラ』から、豊原功補、遠藤雄弥、原廣利監督が舞台挨拶を行った。これまで本作以外にもBABEL LABELが携わった作品に多数出演している豊原、遠藤からは、改めて15周年に対する祝福の言葉が語られ、とてもアットホームな時間となった。また、BABEL LABELの印象や撮影時のエピソードについての話で場内は大いに賑わった。最後にミニシアターについて3人は「好奇心を刺激して、背伸びをさせてくれる場所」「学校の休み時間の校庭のようなみんなが集まる場所」「こういう機会で、また仲間に合わせてくれる場所」「原点」と、それぞれが思い思いの言葉で表現した。
■Day6 12/18(木)『ヤクザと家族 The Family』
登壇者:綾野剛、藤井道人監督
『ヤクザと家族 The Family』から、主演の綾野剛と藤井道人監督が登壇し、舞台挨拶が行われた。本編の上映が終了した瞬間、満席となった客席からは大きな拍手が起こった。イベントがスタートすると、綾野は「藤井監督と出会って、役者としての第二フェーズに入った感覚があった。同じ時代を生きて、共感できる“血は繋がっていない家族”だと思っている」と語り、藤井監督も「誰よりも監督の味方をしてくれる俳優」と、お互いの絆について語り合った。観客からのQ&Aコーナーでは、作品にまつわる質問や今後の2人の作品について、感極まって涙ながらに質問する観客の姿も見られた。最後に2人はミニシアターでの出会いや、このような時間への感謝を語り、上映終了後に巻き起こった拍手よりもさらに大きな拍手の中でイベントは幕を閉じた。
■Day7 12/19(金)『ジャパニーズスタイル』
登壇者:武田梨奈、山崎潤、日高七海、アベラヒデノブ監督
大晦日を描いた本作にふさわしい年の瀬の上映となり、これまでの舞台挨拶とは異なるユニークで笑いの絶えない雰囲気に包まれた。登壇した武田梨奈、山崎潤、日高七海、アベラヒデノブ監督も、約3年前に行われたユーロスペースでの舞台を思い出し、感慨深い様子を見せた。トークは大盛り上がりとなり、会場は大きな笑いに包まれ、年の瀬の喧騒を忘れる時間となった。最後に4人から、映画を届けることの難しさと、届いた時の喜び、そして観客と対話できる機会への感謝が語られ、多くの笑顔が生まれたイベントは幕を閉じた。
■Day8 12/20(土)『Winny』
登壇者:東出昌大、松本優作監督
上映が始まる前に降り続いていた雨をかき消すかのように、上映終了の瞬間には大きな拍手が場内に響き渡った。そこに登壇者である東出昌大、松本優作監督が登場すると、さらに大きな拍手に包まれた。松本監督は、自身の作品がユーロスペースで上映されるのは意外にも今回が初めてであり、『Winny』の久しぶりの上映となったこの日を迎えられたこと、そして観客への感謝を語った。東出は松本監督との久しぶりの再会を「同窓会のような気持ち」と表現し、松本監督も「東出との出会いは運命。変わっていなくてうれしかった」と語り、同じ志を持って作品を作り上げた仲間との再会を喜ぶ様子に、観客から温かな眼差しが送られた。2人はミニシアターについて「目指す場所」「観客と対話が出来る場所」「作り手としてレベルアップ出来る場所」「魂がある場所」と、それぞれの思い入れを語り、ミニシアターでの新たな出会いに感謝してイベントは幕を閉じた。
■Day9 12/21(日)Netflix映画『パレード』
登壇者:藤井道人監督
1年にわたる「BABEL LABEL全国ミニシアターキャラバン」の最後を飾ったのは、Netflix映画『パレード』。物語の重要なシーンがここユーロスペースで撮影された。聖地での上映は満席となり、多くの涙が見られる中、藤井道人監督が登壇した。藤井監督は「ユーロスペースはインディーズ時代の憧れだった」と語り、今は亡き河村光庸プロデューサーとの思い出を、この場所だからこそ語れる初公開のエピソードも含めて明かした。
最後に、長年ミニシアターの文化を守り続けてきたユーロスペース支配人・北條誠人氏が登壇した。ミニシアターについて北條氏は、映画を届けることの難しさと、それでも文化を繋いでいく意義を噛み締めながら、「いつまでも、つづけられますように」という祈りのこもったメッセージを贈った。
この言葉は、1年間全国15箇所のミニシアターを巡ってきた「旅するパネル」の最後を締めくくる一筆でもあった。このキャラバン期間中、共に歩んできた「刈谷日劇(愛知)」や「サツゲキ(北海道)」の閉館が決定するという、ミニシアターを取り巻く厳しい現実にも直面した。
パネルに刻まれた各地の支配人たちの直筆メッセージ、そして最後に書き加えられた北條支配人の「いつまでも、つづけられますように」という願い。それは、閉館していく劇場への惜別と、これからを生きる劇場への共鳴が混ざり合った、映画界全体の切実な叫びとして、会場にいたすべての人の胸に刻まれた。
藤井監督は最後に「映画を作るのは、辛く難しい瞬間もあるが、映画っていいものだと思ってもらいたいし、自分自身もそう思いたい。より良い環境、状態で映画を残せるようにしたい」と次代へ繋ぐ決意を語り、鳴り止まない拍手の中で1年にわたるプロジェクトはユーロスペースで幕を閉じた。
■15箇所のミニシアターを巡った「旅するパネル」に刻まれた言葉
「旅するパネル」は本プロジェクトの象徴として、全国15箇所のミニシアターを共に巡ってきた。「あなたにとって、ミニシアターとは?」という問いに対し、各地の支配人が寄せた直筆メッセージには、映画文化の最前線を守る人々の真摯な想いが溢れていた。
・「地域と共に歩みつづける映画館」(新潟:シネウインド )
・「文化発信拠点として 街のランドマーク的な 存在になりたい!」(神奈川:シネマ・ジャック&ベティ)
・「様々な映画が詰まった宝箱のような映画館でありたい!」(北海道:サツゲキ)
・「映画を通して世界を知る、文化を深める。様々な映画をセレクトショップのように提供するミニシアター」(愛知:刈谷日劇)
・「大きな映画館ではみられない映画に出会える場所。歴史ある元町商店街とともに歩みつづけたい」(兵庫:元町映画館)
・「イツモココニイルヨ」(京都:出町座)
・「映画館は、ゆりかご!!生まれてきた映画を大切に育てていく場所」(大分:別府ブルーバード劇場)
・「未来を開く扉、人とつながる癒しの場!」(鹿児島:ガーデンズシネマ)
・「1本でも多くの映画を上映し続けたい、1人でも多くの映画ファンのために」(秋田:御成座)
・「街の中にしぶとく在りつづける不思議な場所」(大阪:第七藝術劇場)
・「ある人にとっては「日常」またある人にとっては「非日常」さまざまな映画と人に出会える場所。この街に住む人にとって 安らぎであり、誇りと思ってもらえる場所(そんな映画館にまちキネもなりたい)」(山形:鶴岡まちなかキネマ)
・「映画で地域をかえたいと思いながら、いつまでも上映できたらいいなぁ」(群馬:前橋シネマハウス)
・「こじんまり 石の上にも三十年 これからさらに続けていきます」(沖縄:シネマパレット)
・「僕にとっては避難所でした。独りになりたい時も、独りでいたくない時も いていい場所」(広島:横川シネマ)
・「いつまでも、つづけられますように」(東京:ユーロスペース)
「BABEL LABEL」とは
BABEL LABELは、ドラマや映画において数々の話題作を生み出し、日台合作映画『青春 18×2 君へと続く道』や映画『正体』を手掛けた監督の藤井道人を筆頭に、映画『帰ってきた あぶない刑事』の原廣利、藤井とともに監督を務めたNetflix シリーズ「イクサガミ」の山口健人など気鋭のクリエイターが所属するコンテンツスタジオです。
15周年特設サイト:https://retrospective.babel-pro.com/
公式X:@BABEL_LABELdirs
公式Instagram:@babel_label
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