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【#2019年気になった映画!】『アス』〜あんなのに襲われたら泣き出すわ〜

自分と全く同じ姿をした、もう一人の自分=ドッペルゲンガーほど恐ろしい存在はこの世にないのではないか。自分という存在が抹殺されてしまう上に、それを知られることもなく、周りはドッペルゲンガーを本当の自分として受け入れてしまうなんて!そんな恐怖が一家単位で襲ってくるのが本作の面白いところである。

真っ赤な服に身を纏い、長くて鋭いハサミを持つドッペルゲンガーは非常に不気味極まりない。しかも不気味に微笑んでいるのに魂が全くそこにないのだ。その表情の怖いことと言ったら!あんな形相でハサミを持っている人間が全速力で追いかけてきたら、怖くて間違いなく泣き出してしまう。中でもエリザベス・モスのドッペルゲンガーが不気味で個人的にはツボだった。

ちなみに本物のエリザベス・モスが殺されるシーンは最高に笑える。何とか助けを呼ぼうとする彼女はアレクサみたいなデバイスに「警察を呼んで!=Call the Police!!」と訴えるが、それを曲名と勘違いしたデバイスがN.W.Aの「Fuck the Police」を流してしまい、彼女は命を落とす。最高に笑えるシーンで、映画館で思わず吹き出してしまったこのシーンだが、このシーンは非常に人種的なシーンだ。それについては『ストレイト・アウタ・コンプトン』を見てもらえたら分かるだろう。

ホラー映画としても社会派映画としても素晴らしい完成度の本作。自分と全く同じ姿をした人間を容赦無く殺し、家族を守るために他の家族(ドッペルゲンガー)も容赦なく殺す。そして明らかになる真実が恐ろしすぎる。もしかしたら、あなた自身も本当の自分を殺して生活しているドッペルゲンガーなのかも知れない!?

(編集部:西)