MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

【第36回東京国際映画祭】『雪豹』が東京グランプリ受賞! 『正欲』は最優秀監督賞・観客賞の2冠!クロージングセレモニーレポート

『雪豹』が東京グランプリ受賞!
『正欲』は最優秀監督賞・観客賞の2冠!
第36回東京国際映画祭

クロージングセレモニーレポート

10月23日(月)より開幕した第回36回東京国際映画祭が、11月1日(水)に閉幕を迎え、各部門における各賞の発表がクロージングセレモニーにて行われた。【東京グランプリ/東京都知事賞】は『雪豹』(監督:ペマ・ツェテン)が獲得。また、『正欲』(監督:岸 善幸)は、最優秀監督賞観客賞を受賞。さらに、セレモニー後に上映されるクロージング作品『ゴジラー1.0』より、山﨑貴監督、神木隆之介、浜辺美波が登壇し、会場は熱気に包まれたまま映画祭は閉幕を迎えた。

受賞結果一覧はこちら!

コンペティション部門

東京グランプリ/東京都知事賞 …『雪豹』監督:ペマ・ツェテン(チベット)
審査員特別賞… 『タタミ』監督:ザル・アミール、ガイ・ナッティヴ(アメリカ)
最優秀監督賞…岸 善幸/『正欲』(日本)
最優秀女優賞… ザル・アミール/『タタミ』(アメリカ)
最優秀男優賞 …ヤスナ・ミルタ―マスブ/『ロクサナ』(イラン)
最優秀芸術貢献賞 …『ロングショット』監督:ガオ・ポン(中国)
観客賞…『正欲』監督:岸 善幸(日本)

アジアの未来
アジアの未来作品賞…『マリア』 監督:メヘディ・アスガリ・アズガディ(イラン)

Amazon Prime Video  テイクワン賞
Amazon Prime Video  テイクワン賞…『Gone With The Wind』監督:ヤン・リーピン
Amazon Prime Video テイクワン賞審査委員特別賞…『ビー・プリペアード』監督:安村栄美

 

受賞コメント一覧はこちら!
・コンペティション部門
東京グランプリ/東京都知事賞 …『雪豹』監督:ペマ・ツェテン(チベット)
【好評】ヴィム・ヴェンダース国際審査委員長「審査員全員一致で53歳と言う若さで亡くなったペマ・ツェテン監督の『雪豹』にグランプリを与えたいと思います。チベット語で作られたこの映画、そしてゴージャスな風景、自然の中でのユーモラスな演技、そしてそのコードの1部がデジタル効果によって巧みに作られたものであったとしても、素晴らしい動物を見せたくれたことを称賛したいと思います。」

登壇者代表ジンバ「非常に残念なことに監督は今日ここに来ることが出来ませんでした。この賞は監督が私たちに与えてくれたのだと思います。この作品に携わってくださった数々の皆様に心から感謝します。」

審査員特別賞… 『タタミ』監督:ザル・アミール、ガイ・ナッティヴ(アメリカ)(ビデオメッセージ)
ザル・アミール「イランは燃えていて、そこに住む素晴らしい人々を殺害しています。パレスチナは燃えていて、何千人もの市民の死を嘆いています。イスラエルは燃えていて人々は殺されています。この映画は憎しみ合うように育てられた人々の奇跡的な組み合わせにより生まれた映画です。イスラエルとイランの監督が一緒に仕事をするのはとても大変なことです。あらゆる困難を乗り越えて初めて団結し、歴史を作ることになるのです。しかし、映画が公開された時は、歴史がこのように動くとは思っていませんでした。この映画に1つの力があるとすれば、それは闇の時代に光と戯れることでしょう。日本で柔道と言う言葉は柔和な道を意味すると聞きました。それこそが私たちが進みたい道です。『タタミ』は日本の名前ですが、普遍的な意味を持ってます。憎しみに向き合い、敬意を示す勇気をどう持ち得るか。」

ガイ・ナッティヴ「皆さんの反応を肌で感じ、美しい東京で過ごした素晴らしい1週間でした。『タタミ』は日本の伝統へのオマージュであり、相手を敬うことでもあります。そしてイスラエル人とイラン人の初の共同作業でもありました。私たちは政府が阻止しようとしていたことを実行したのです。そのことを認めてくださり、映画を見てくれて感謝しています。この映画が暗いトンネルの中の小さな光明となることを願っています。」

最優秀監督賞…岸 善幸/『正欲』(日本)
岸監督「(今作は)4作目の作品ですが、こういう名誉ある賞をいただけてこれからの映画作りの励みになります。これからも頑張っていこうと思います。全ての人が自由で自分を偽らずに生きていける社会とは何かということを問いかけています。」

最優秀女優賞… ザル・アミール/『タタミ』(ビデオメッセージ)
ザル・アミール
「これは私にとって特別で大きな意味を持つ受賞です。俳優という職業はアスリートに似ていると思いました。両者とも人前でチャンスやタイミングをつかむ必要があり身体的にも精神的にも重圧がかかります。イラン人アスリートは常にスポーツと国の狭間に置かれて恐怖を乗り越え、尊厳を失わないようにしています。その立場は私も共感できることばかりでした。最高のパートナーであるアリエンヌ・マンディがいなければこのような作品にはならなかったでしょう。彼女の検診的な仕事に対する私の感謝の気持ちは計り知れません」

最優秀男優賞 …ヤスナ・ミルタ―マスブ/『ロクサナ』
ヤスナ・ミルタ―マスブ「ムスラムだろうが、クリスチャンだろうがユダヤだろうが関係ないと思います。我々の命の中で一番最低なのはもちろん戦争ですし、子どもがそういう中で亡くなっていくのはやはりいけないと思います。戦争を止めましょう。」

最優秀芸術貢献賞 …『ロングショット』監督:ガオ・ポン(中国)
ガオ・ポン監督「この瞬間をこの映画の撮影のために一緒にやってきたくれたいろんなスタッフ、役者のみなさんに捧げたいと思います。この光栄をみんなと分かち合いたいと思います。プロデューサーのみなさんにも感謝したいと思います。中国の映画界では若手を支えようという雰囲気がございます。この素晴らしい伝統的な雰囲気をこれからも持ち続けていけるように私たちも頑張りたいと思います」


観客賞…『正欲』監督:岸 善幸(日本)
岸義之監督「観客の中に映画があると信じてます。多様性の中からはじかれてしまうようなマイノリティの中のマイノリティ、非常に小さな人間たちを題材にしています。この映画をみて多様性の本当の意味を感じていただければと思います。こんな素敵な賞をいただけて幸せです。」


アジアの未来
アジアの未来作品賞…『マリア』 監督:メヘディ・アスガリ・アズガディ(イラン
女優:カミャブ・ゲランマイエ―、編集:エルナズ・エバドラヒ が登壇。(監督からのメッセージを代読)
「この賞をいただき、もう1回映画で人生を歩んでいける力をもらいました。そして編集を担当した妻、両親、スタッフの皆にこの場を借りて感謝を申し上げたいと思います。イラン映画の巨匠アミール・ナデリ監督にはお礼を申し上げたい、この賞をアミール・ナデリ監督に捧げたいと思います」

Amazon Prime Video  テイクワン賞
【好評】行定勲(玉城ティナ代読)
「議論の中でアート性と商業性をそれぞれの作品に求めていくと、おのずと候補作品が絞られ、皆が認める最終結果となりました。受賞した方も、受賞しなかった方も次回作を期待しています。これからも作り続けてください」

Amazon Prime Video  テイクワン賞『Gone With The Wind』監督:ヤン・リーピン
ヤン・ディーピン「予算がなく撮った作品が受賞して感動しました。お金がなくても自由に映画をとれるのは僕にとってロマンだと思います」

Amazon Prime Video テイクワン賞審査委員特別賞…『ビー・プリペアード』監督:安村栄美
安村監督「本当に仲間たちのおかげで映画が撮れたと思っているので、ありがたく思います」

そして、セレモニー後にクロージング作品として上映される『ゴジラー1.0』より、山﨑貴監督、神木隆之介、浜辺美波が登壇。
監督は「昔ゴジラの作品が毎年クロージングで上映されるという時代があって、最速で観れるタイミングだったのでいいなあっと思ってたんですけど、自分のゴジラが東京国際映画祭のクロージングを飾れるということで非常に嬉しくいます。かつ、今回一般の方に観てもらう初めての機会なので非常に楽しみです」と挨拶。また、今作に出演が決まった時の思いについて神木は「プレッシャーが大きかったです。日本を代表し、世界でも愛されている「ゴジラ」というコンテンツ、その存在に関われる、そしてその作品の主役をやらせていただけるというのは、とても大きなものを背負わなくてはいけないのかと。ただ、公開目前の今はもうプレッシャーはなくて、ゴジラに関われたことを誇りに思っています。今は、みなさんがどう楽しんで、どう感じていただけるのかが楽しみです」と回答。浜辺は「ゴジラという作品に出演できることは念願だったので、それが叶う嬉しさと、自分のお芝居がこの作品を台無しにしないように頑張らないといけないなという気持ちになりました。これまで培わってきたものを全力で出せるように、監督や神木さんをはじめ、みなさんの胸に飛び込むような気持ちで頑張りたいなと思いました。」と語りました。

そして、山﨑監督はこれから映画を観る人に向けて「本当に劇場に来てもらいたいという思いで、劇場で観るのにふさわい映画を作ろうと思って頑張ってきましたし、役者のみんなもゴジラと真剣に取り組んでくれて素敵な映画ができたのではと思っています。劇場は映画を観るのにこんなに素晴らしい場所なんだと、もう一度認識していただいて、映画が素晴らしい文化だと改めて感じてもらいたいです」と熱い想いを伝えました。

最後に、安藤裕康チェアマンが登壇し、今年は昨年と比較するとチケットの購入数は36%増加。関連イベントを含めると7万人以上の方が参加し、昨年より25%増加。さらに、海外からは約2,000人が本映画祭に訪れてくれたことを発表。第36回が成功の裡に終了を迎えたことを発表し、クロージングセレモニーは閉幕した。

 

©2023 TIFF