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『ジョン・ウィック:コンセクエンス』公開記念「俺たちのジョン・ウィック」/究極の落差キャラ、ジョン・ウィックはキアヌそのもの

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』公開記念
「俺たちのジョン・ウィック」

究極の落差キャラ、ジョン・ウィックはキアヌそのもの
『ジョン・ウィック』には洋画の面白さが詰まっていると思います。
キアヌ・リーブス演じる圧倒的な「素朴キャラ」の男が、実は闇世界にその名を轟かす殺し屋だった!このパターンは最強です。『イコライザー』も近いけど、どうみてもデンゼル親父演じる目線にスキがないあのつるつる男は平常時から普通の人ではない。『殺し屋イチ』も近いけど、結構最初からアブナイ雰囲気出てる。

アサシン(暗殺者)にしてこの素朴キャラは我々にとってはキアヌそのもののような気がします。地下鉄で席を譲ってあげたり、ハリウッドで見知らぬお婆さんが道に迷っていると自分のクルマに乗せてご案内してあげたりという「優しさ」や、公園のベンチでパクパクなんか食ってる「飾らなさ」。さらにかつての無二の親友リバー・フェニックスの想い出の靴を未だに履いていたりという「愛情の深さ」。そして金なんか要らないと映画のスタッフに時計やバイクをあげちゃったりという「欲のなさ」

だからジョン・ウィックを見ている我々は思うのです。やはり、そういうイイ奴を怒らせてはいけない。愛車を盗まれたばかりか、亡き妻の形見の、しかも愛して愛してやまない犬を殺されたんだから、そんなことをやったクズは何十人だろうが地獄に落ちてて当然であると。

もはやジョン・ウィックはキアヌ・リーブス本人と融合しまくってるわけですが、それが正解なのです。「犬を殺されただけで何人殺しているんだ!」という声がたまに聞こえてきますが、我々キアヌファンにとってはそんな道理はどうでもいい、タレント個人と会社の責任の区別がつかないジャニオタと一緒です。

ジョン・ウィックシリーズをどう見るか?
ジョン・ウィックが叫び、ハンマーが振り下ろされ、破壊されたコンクリート床の下から大量の武器が出てくる。
その後続く、4部作は全てこの勢いの続きで観てください。実は1,2,3とほとんど時間は立っていません。3(パラベラム)の後半の砂漠で多少時間は食いましたが、彼の気持ちの中には、犬を殺された喪失感がまだありありと残っているのです。だから一気に行っちゃってください。内容がないのではない、時間が経ってないのです。そこを感じながら観るるのが大事です。 

そしてちょっと迷ったら、最初の「ジョン・ウィック」でミカエル・ニクヴィスト演じるタラソフ・ファミリーのボス、ヴィゴがバカ息子をいきなり殴り、「なんて馬鹿なことをしてくれたんだ」と悲嘆を宿した表情をするシーンに戻りましょう。このシーンこそジョン・ウィックというキャラクターの価値を決定づけた、何度も見て飽きないシーンです。

「あいつは誰でもない」

「誰でもないのがジョン・ウィックだ」

「通称ブギーマン、別名ババヤガー」

何を言ってるかわかんないー。

ファミリーのボスが明らかに動転しているのと同時に、そのジョン・ウィックという一暗殺者にして限りなく巨大な存在に、これからバカ息子の親として立ち向かわなければならない決意の口元が印象的です。皆さんも「ジョン・ウィックでどういう話だっけ?」と迷ったらこのシーンに回帰することをお勧めします。ヴィゴ・タラソフと共に燃えるようなウォッカを胃に収めて苦い口元になりましょう。

そして、今回の「ジョン・ウィック コンセクエンス」。犬を殺された恨みはいつしか主席連合(ハイテーブル)という支配組織から自由を勝ち取る戦いへと遷移していきます。大阪、NY、ベルリン、パリと世界をめぐる戦いが展開される最大スケールの作品です。そしてシリーズ最大の敵、僕らのイップマン、ドニー・イェンが登場します。このシリーズ最大の敵は、最高に邪悪で醜悪な巨大な例えばスターウォーズの皇帝のような存在ではありません。ジョンとは旧知の仲、戦いのルールや相手の尊厳を重んじる男なのです。

そんな男同士を血みどろな無間バトルをさせるのが武闘家監督チャド・スタエルスキの美学なのだと思います。

さあ、皆さん劇場で楽しんでください!

<文:たんす屋(神社好きの中年Youtuber)

 

【ストーリー】 
裏社会の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋、ジョン・ウィック。地下に身を潜めながら、全てを牛耳る組織:主席連合から自由になるために立ち上がった。組織内での勢力拡大を狙う若き高官、グラモン侯爵は、これまで聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破、ジョンの旧友でもあった盲目の達人ケインを強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出す。そんな中、日本の友人、シマヅの協力を求めてジョンが大阪のコンチネンタルホテルに現れた…

【キャスト】
キアヌ・リーブス ドニー・イェン ビル・スカルスガルド ローレンス・フィッシュバーン 真田広之 リナ・サワヤマ ほか

【スタッフ】
監督:チャド・スタエルスキ
配給:ポニーキャニオン
原題:JOHN WICK:CHAPTER4(2023/アメリカ)
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9月22日(金)全国公開