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『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞作品賞に候補入りする条件とは?賞レース前半戦を勝手に振り返る②

2022年になりました。新年の年明けから春先ぐらいまでの時期に映画の情報を集めていると、どうしても目にするのが賞レースの結果。現在アメリカは賞レースシーズン真っ只中。ちなみに今年の賞レースでは日本映画も躍進している。

そこでこの記事ではここまでの賞レースを振り返りつつ、その先にあるアカデミー賞に向けて、「どこよりも早い第94回アカデミー賞展望」を2回に分けて実施。大きな注目を集めている日本映画『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞作品賞に候補入りするかどうかについても述べていこうと思う。アカデミー賞が好きな筆者による気が早すぎるこの企画を暖かく見守ってほしい。

第2弾は日本映画『ドライブ・マイ・カー』の躍進と作品賞候補入りの可能性について考えていく。

★日本映画界初の偉業はあり得るか?
冒頭に今年の賞レースで躍進している日本映画があると記載したが、それは『ドライブ・マイ・カー』である。濱口竜介監督作品で、村上春樹の短編が原作であるこの映画。賞レースの中でも特に注目度が高いニューヨーク映画批評家協会賞と、ロサンゼルス映画批評家協会賞を受賞するという快挙を成し遂げた。「批評家が選ぶ今年の映画」でも2位にランクインするなど作品評価は相当に高い。

こうなると誰もが注目するのはやはり『ドライブ・マイ・カー』の作品賞候補入りがあるかどうかだろう。これまで何度か国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)を受賞してきている日本映画だが、当然ながら作品賞の受賞はもちろん、候補入りも成し遂げたことはない。あの黒澤明も、監督賞に一度花を連ねたことはあれど、作品賞に作品を送り込んだことはない。『ドライブ・マイ・カー』が日本映画に新たな歴史を刻むのか、多くの人が注目しているだろう。

候補入りできるか、という点については(今後の賞レースの動向にもよるが)、現時点では十分に可能性があると思う。ニューヨークやロサンゼルスと言った注目度の高い批評家賞で外国語映画賞ではなく作品賞を受賞したということは、やはり作品が広く受け入れられている証拠だし、こうした結果がさらに評判を呼んで好きな人が増えるという好循環にあると思う。

★作品賞に候補入りするための“2つの条件”

ただし、『ドライブ・マイ・カー』が作品賞に候補入りするためにはクリアすべき“2つの条件”がある。その条件とは下記である。

①国際長編映画賞の候補に上がる
②作品賞・国際長編映画賞以外の部門でも認められる

まず①の条件は最低限クリアしなければならないだろう。『ドライブ・マイ・カー』は普通に考えれば外国語映画である。そうなればまず受賞を目指すべきは「国際長編映画賞」である。この部門の候補入りを無くして、作品賞候補入りは基本的にあり得ないだろう。ちなみに『ドライブ・マイ・カー』は国際長編映画賞の最終候補作品にしっかり残っている。

②はどういうことかと言うと、作品賞に候補入りするような外国語映画は大抵、この2部門以外でも候補に上がっているケースがほとんどだ。監督賞や演技部門、脚本・脚色賞、編集賞、撮影賞、美術賞あたりが特に多い。外国語映画として認められるのではなく、単純に作品として認められて、複数の部門で候補に上がることがあれば作品賞候補入りの可能性も十分に高くなるだろう。

一昨年のアカデミー賞で『パラサイト 半地下の家族』が作品賞を受賞したり、監督賞に候補を送り込んだりと注目度の高い国際長編映画賞。果たして『ドライブ・マイ・カー』は作品賞に候補入りし、日本映画の新たな歴史を作ることができるのか?非常に注目だ。

第94回アカデミー賞授賞式は現地時間3月27日に開催。

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