＜夏休みにハマれ！＞動画配信サービス別「最新おすすめ独占タイトル」ベスト５／スターチャンネルEX 編

2022.07.30

毎日のように30℃を超える日が続き、夏の到来を感じますね。夏といえばやはり大作のシーズンで、今年は邦画では『キングダム2 遥かなる大地へ』、洋画では『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』などが公開されますが…配信作品も負けてないんです！　このコーナーでは、これから4週にわたって、各配信サービス独占(見放題独占を含む)のオススメ作品を5本ずつランキング形式で紹介していきたいと思います。

最後となる第4回は、スターチャンネルEX編をお届けします！

文：屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

まずは第5位。ドラマ『5つの歌詩(うた)』！　スターチャンネルEXは今回初めてオリジナルドラマを作りました。日本のアーティストの“歌詩”世界をドラマ化するというプロジェクトで、そのトップバッターを飾るのが国民的バンドであるDREAMS COME TRUE！　本作でフィーチャーされている楽曲は『空を読む』、『マスカラまつげ』、『TRUE, BABY TRUE.』、『何度でも』、そして後日発表の新曲となっています。脚本・脚本監修は数々のヒット作を生み出し、近年では同じく楽曲を映画化した『雪の華』や、小松菜奈＆坂口健太郎W主演の『余命10年』などを手がけた岡田惠和。万人の心を掴む楽曲たちなだけに、ファン以外の心にも突き刺さる作品になっているはずです！

お次は第4位。ドラマ『レスポンダー夜に堕ちた警官』！　通報があれば現場に駆けつけ、すぐに対応しなければならない夜勤の警察官の過酷さを生々しく描いたクライムドラマです。主人公クリスを演じるのは『ホビット』シリーズや『SHERLOCK／シャーロック』、MCU作品にも出演しているマーティン・フリーマン。これまでのイメージを覆し、いかにも「タフな男」というような外見に変貌していますが、その内面は仕事のストレスと重い病を抱えた母親の世話でボロボロ。何と脚本家の実体験に基づいているらしく、クリスが壊れていくのが非常にリアリティのある描写で描かれています。たった5日間の物語とは思えない、濃い夜の闇にどっぷり浸かってみてください。

そして第3位。『ハリー・パーマー　国際諜報局』！　「ハリー・パーマー」と言えば、1965年に名優マイケル・ケインが『国際諜報局』で演じたスパイです。最近彼が出演したスパイアクション『キングスマン』でも、その印象的な黒縁メガネがオマージュされていました。原作の『イプクレス・ファイル』を『国際諜報局』から57年後の今蘇らせたのが本作です。1963年の冷戦下、ハリーは命がけで、核兵器を開発していたイギリス人教授の誘拐事件を解決しなければならなくなります。『007』シリーズのジェームズ・ボンドとは対照的に、ハリーは非常に地味。しかし、だからこそ硬派なスパイサスペンスを楽しめます。硬派とは言っても、イギリスらしいユーモアも。

さあ、第2位は…TVシリーズ『スモール・アックス』です！　自由黒人が誘拐され12年間奴隷となった衝撃の実話を映画化した『それでも夜は明ける』のスティーヴ・マックイーン監督による、5編の“映画”からなるシリーズです。第2話の『ラヴァーズ・ロック』は映画通としても知られるオバマ元大統領が2020年のベスト“映画”の1本として挙げています。『ブラックパンサー』のレティーシャ・ライトや、『スター・ウォーズ』シークエル・トリロジー(エピソード7～9)のジョン・ボイエガが出演し、監督のルーツであるイギリスのカリブ系黒人が受けてきた人種差別をあらゆる角度から描いた本作を見れば、未だ終わらぬ戦いの歴史を学べるでしょう。

気になる第1位はこちらです。ドラマ『僕らのままで／WE ARE WHO WE ARE』！　『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督が初めて手がけた青春ドラマです。両作品ともLGBTQの要素が登場しますが、監督は男性同士のロマンスが描かれた『君の名前で僕を呼んで』について「セクシュアリティがテーマではない」と言っています。本作の場合、主人公フレイザーの母親には女性の妻がいたり、自身のセクシュアリティに悩むキャラクターはいます。さらに、舞台となるのは彼ら/彼女らに優しい環境とはいえない米軍基地。その中で、本作はキャラクターたちの「揺らいでいる」状態を瑞々しく映し出します。まだ“何者でもない”全ての人に向けたドラマなのです。

いかがだったでしょうか。スターチャンネルEXは他の配信サービスと比べ、渋いドラマが充実している印象があります。楽しい作品の後にしっとりした作品を見れば、それが良いアクセントになり、この夏を配信映画・ドラマ三昧で乗り切ることができるでしょう！

『5つの歌詩』
音楽：DREAMS COME TRUE
脚本・総監修：岡田惠和

配信中→こちら

『レスポンダー夜に堕ちた警官』
脚本・クリエーター：トニー・シューマッハ
音楽：マシュー・ハーバート
監督：ティム・ミーランツ、フィリップ・バランティーニほか
主演・製作総指揮：マーティン・フリーマン
出演：アデラヨ・アデダヨ、イアン・ハート、マイアンナ・バーリングほか
Rekha Garton(c) 2021 Dancing Ledge Productions

配信中→こちら

『ハリー・パーマー　国際諜報局』
脚本・製作総指揮：ジョン・ホッジ
製作総指揮：ウィル・クラーク
監督・製作総指揮：ジェームズ・ワトキンス
出演：ジョー・コール、ルーシー・ボイントン、トム・ホランダー、アシュリー・トーマス、ジョシュア・ジェームズ、デヴィッド・デンシックほか
(c) Altitude Film Entertainment Limited 2021 All Rights Reserved. Licensed by ITV Studios Ltd.

配信中→こちら

『スモール・アックス』
監督・脚本・製作総指揮：スティーヴ・マックイーン
製作総指揮：トレイシー・スコフィールド、ローズ・ガーネット　ほか
出演：ショーン・パークス、レティーシャ・ライト、マラカイ・カービー、アマラ＝ジェイ・セント・オービン、マイケル・ウォード、ジョン・ボイエガ、シェイ・コール、ケニヤ・サンディ　ほか
(c)McQueen Limited

配信中→こちら