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映画「新聞記者」公開記念【特集:権力と報道メディア ①】「今、世界は、思ったよりやばい」 #リアリスティックムービーの世界

(C)2019「新聞記者」フィルムパートナーズ


映画「#新聞記者」公開記念
【特集:#権力と報道メディア ①】
「今、世界は、思ったよりやばい」

最近、世の中がざわついてるな、と感じることありませんか?特に日本のまわり、東アジアの緊張感が高まってますね。

 もはやアメリカが世界の世話役だった時代は終わり、トランプは自国第一主義を露わにした一方、中国の習近平は毛沢東以来の国家主席に上り詰め、覇権主義を隠そうとはしなくなった。そうなるとやっぱり北朝鮮、尖閣、台湾、南沙諸島と、米中勢力の接点となっている日本の周辺はどうしてもざわざわします。

 安倍政権が、安保法制の改訂やスパイ防止法、共謀罪など、政治活動や表現の自由を奪うと思われかねない物議をかもす法案に手をつけながらも近年にない長期政権に至ったのは、そんな不安定な世界情勢の現れともいえます。一方で、「現政権は不安を煽って独裁を強めているだけだ」という見方もあります。

ただ、昨年の北朝鮮のミサイル発射事件については、日本の報道メディアは誰も言ってないですが「もう、戦争になるかもしれない」という見方をしていた海外の報道メディアはたくさんありました。

太平洋戦争後70年、平和だけをみてきた日本人にはわかりづらいかもしれないけど、今世界には戦争と紙一重の外交や、陰謀が渦巻いているのです。

こうした時代を反映して近年、映画や海外ドラマなど、エンタテインメント業界では、ドラマでもアクションでも、リアルな状況を投影した政治もの謀略ものの興味深い作品がたくさん生まれています。中東のテロ組織ものや米中間の謀略ものもあります。とにかくおもしろいだけじゃなく「さもありなん」というリアリティがあって勉強になるのもポイントです。

640 (2)(C)Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.

 ところが日本映画にはそういうのがなかった。残念ながら日本人はそういうリアルに近いエンタテインメントを作る能力がないのか?自らを省みる能力に欠けているのか?昔、司馬遼太郎が「坂の上の雲」を書いたときに乃木将軍の後援会や遺族の知人から大バッシングを受けたことがありましたが、とにかく「和」という名のなれあいで普段生きている日本人は、本当のことをストレートに書けない。だから日本の場合は、全く何も知らない人にとって政治も歴史もわかりづらくてしょうがないという悪循環にあります。

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Photo by Kerry Hayes (C) 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC

 そんな中、映画「新聞記者」が出てきました。これは洋画の名作「大統領の陰謀」や「ペンタゴンペーパー」「スポットライト」などを観るにつけ、日本の政治エンタテインメント、サスペンス映画に物足りなさを感じていた映画ファンにとって画期となる日本映画でしょう。この映画は明らかに「和」を脱して、真実を求めようとしている。つまり誰かを攻撃することを恐れない気概を示している。それは権力かもしれないし、報道メディアかもしれない。日本のマスコミにどれほどのジャーナリズムがあるのか?権力に立ち向かう心構えがあるのか?という問題意識にもある種の答えを与えてくれる作品です。

 というわけで、リアリスティックムービー特集では、「権力と報道」というテーマで、映画「新聞記者」を観る前にこれを観ようという作品を紹介してみたいと思います。

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【特集:権力と報道メディア ②】「消されたヘッドライン」 真実に迫る新聞記者たちが見たアメリカ最大の闇
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【特集:権力と報道メディア③】アカデミー作品賞「大統領の陰謀」はジャーナリズム映画の原点にして頂点。黒幕は米国大統領。新聞記者が最後に頼った裏ワザはリークだったー。
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