ここではないどこかへ！「異世界探訪」映画特集④『インセプション』

2019.12.12

今週末に公開される映画『ジュマンジ/ネクスト・レベル』は謎のゲーム“ジュマンジ”の世界に迷い込み冒険を繰り広げる物語だ。自分の世界とは異なる、いわゆる「異世界に迷い込む」という設定の映画は数多く有るが、そのどれもがその映画独自の世界観を作り上げている。そこで今週は様々な種類の異世界探訪映画を特集する。

『インセプション』（2010）
“夢”という身近な異世界を表現した傑作

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異世界映画特集、最後は「夢の中」である。人間が夢を見るメカニズムは未だに不確かな部分が多く、多くの学者が長年にわたり研究しているものの、解明には至っていない。そんな夢の中に入り込み、アイデアを盗むという、かなりB級映画の匂いがする設定だが、クリストファー・ノーランが描けば一瞬にしてリアルなSFサスペンス映画に様変わりだ。

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やがて映画を観ていると、今自分が観ている世界が現実世界なのか、誰かの夢の中なのか、それとも夢の中の夢なのか、色んな世界が登場する本作では混乱してしまいそうだが、意外な程混乱は起きず、世界が切り替わってもスムーズに作品を観ることが出来る。これだけ複雑な世界を観客にストーリーでも、視覚でも分からせるノーランの演出は見事としか言いようがない。

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ノーランは『インターステラー』でも全く新しい次元に私たちを連れて行ってくれる。『インターステラー』だけに限らず、クリストファー・ノーランは私たちを知らない世界に連れて行ってくれる。そしてその世界はいつだってリアルだ。彼にとっては異世界さえも、“現実”なのかもしれない。

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【ストーリー】
コブ（レオナルド・ディカプリオ）は人が夢を見ている最中に、その潜在意識の奥深くにもぐり込んで相手のアイデアを盗むことのできる優秀な人材だった。彼は、企業スパイの世界でトップの腕前を誇っていたが、やがて国際指名手配犯となってしまう。そんなある日、コブの元に“インセプション”と呼ばれるほぼ不可能に近い仕事が舞い込む。