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海に生き、海に散る!漢たちの誇りを観よ──海軍記念日に観る“漢の海”映画特集

5月27日は海軍記念日。1905年、日露戦争の日本海海戦で日本海軍がロシアのバルチック艦隊を撃破したことを記念して制定された日です。圧倒的不利とされながらも、知略と士気で海戦史に名を刻んだこの勝利は、まさに“漢たちの海”の象徴とも言えるでしょう。そんな歴史に思いを馳せながら、今夜は、海に生きた男たちを描いた映画を4本ご紹介します。ロマンと火薬の香りに包まれながら、出航準備はよろしいでしょうか?

『バトルシップ』
宇宙からの敵、迎え撃つは老兵とミズーリ!

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ハワイ沖に突如現れた謎のエイリアン艦隊。軽く見ていると、あっという間に海の藻屑です。頼れるのは、除隊寸前のダメ将校と退役軍人たち、そして博物館で眠っていた戦艦ミズーリ。こいつが現役復帰して砲撃を始めた瞬間、観ているこちらも叫びたくなります。

理屈や作戦は関係なし。撃って、ぶっ飛ばして、勝つ。それだけです。AC/DCが鳴り響いたら、テンションは最高潮。バカ映画と思いきや、真っ直ぐすぎて眩しい一発です。

戦艦ミズーリは実物を使用して撮影されており、実際に退役軍人たちがカメオ出演しているのも胸アツポイント。そして忘れてはならないのが浅野忠信。ハリウッド大作ながら日本人キャラクターがきちんと活躍しており、彼が演じるナガタ副官は渋さと存在感をしっかり放っています。物語を締める重要な台詞も託されており、日本の俳優がこの規模の映画でしっかり見せ場を持っているのは嬉しいところです。

ちなみに本作は第33回ゴールデンラズベリー賞で最低助演女優賞(リアーナ)など複数部門にノミネートされ、ある意味“話題作”として扱われました。ですが、海軍愛とお祭り精神に満ちたこの作品を、単なる駄作と片付けるのはあまりに惜しい。筋肉と大砲とノリだけで最後まで押し切る、ある意味でとても真面目な映画です。

作品データ:2012年/監督:ピーター・バーグ/出演:テイラー・キッチュ、浅野忠信

 

『ミッドウェイ』
アメリカ海軍の逆襲、空母と信念が火を噴く!

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ローランド・エメリッヒが手がけた、第二次世界大戦・ミッドウェイ海戦の再現ドラマ。奇襲、偵察、空爆──手に汗握る戦況の裏側には、綿密な情報戦と、命をかけた決断がありました。CG多めのド派手演出ながら、軍人たちの苦悩と覚悟には一本筋が通っています。

空母ヨークタウンの奮戦、急降下爆撃の描写、そして“運命を変えた数分間”の凄まじさ。まさに、スクリーンが火を吹くような戦いです。日本側の視点も丁寧に描かれており、豊川悦司演じる山口多聞の存在感が光ります。『インディペンデンス・デイ』の監督とは思えないほど、真面目に丁寧に作り込まれた作品です。

作品データ:2019年/監督:ローランド・エメリッヒ/出演:エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、豊川悦司

 

『男たちの大和/YAMATO』
巨大戦艦とともに沈んだ、若き命と誇り

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でかい船が沈むだけではありません。これは、誇りと覚悟の物語です。戦艦大和の最期を、乗り込んだ若者たちの目線から描いた作品。開戦、特攻、砲撃、沈没。そのすべての瞬間に、生きていた人々の思いがあります。仲間の死、愛する人の笑顔、それを背負って海に出る姿が胸に響きます。

最大の注目ポイントは、広島県呉市の造船所跡地に建造された全長263メートルの“実寸大・戦艦大和セット”。この巨大セットがもたらす圧倒的なスケール感が、映像に信じがたいリアリティを与えています。戦闘シーンの火薬量もケタ違い。反町隆史の熱演もさることながら、仲代達矢の存在が映画全体に重みを与えています。

作品データ:2005年/監督:佐藤純彌/出演:反町隆史、中村獅童、仲代達矢

 

『坂の上の雲』
海と国の未来を背負った、士官たちの決断

NHKが本気を出すと、ここまでやれるのかと思わされる重厚感です。

秋山真之と東郷平八郎、そして海軍が時代を動かしていく様子を3年かけて描いた大作ドラマ。ドラマと侮るなかれ。艦隊戦の描写は映画以上。特に日本海海戦のシーン、戦艦三笠が砲撃を始めるその瞬間、血が騒がずにはいられません。

VFXを使いながらも、全体のトーンは抑制が効いていて、大河ドラマと戦争映画のハイブリッドのような仕上がりです。本木雅弘の静かな迫力、阿部寛のまっすぐさ、そして香川照之の熱量。それぞれの役者が、日本の転換点を生きた男たちを確かに体現しています。

作品データ:2009〜2011年/監督:柴田岳志ほか/出演:本木雅弘、阿部寛、香川照之

 

どれもこれも、暑苦しい。でもそれが、たまらなくいい。
男たちは、なぜ海に出るのか。勝つため?守るため? それとも、自分を試すため?
理屈を超えて、ただ真っ直ぐに生きて、そして死ぬ。そんな映画たちに、今夜だけは胸を借りてみてください。敬礼。そして、再生です。