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【BOND60 公開記念特集】「女とクルマと007」(その2)クルマと女はうまく乗りこなせ!!『007は二度死ぬ』『私を愛したスパイ』

「女とクルマと007」などというと、フェミニストじゃなくても世の反感を買いそうなタイトルですが、この秋、4Kとなってリバイバル上映される「007」シリーズの見どころを並べるとまさにそんな感じ。「女もクルマも魅力的に美しく描かれているが、全ては007という殺しのライセンスを持った孤独なスパイのための“添え物”であり“乗り物”である」という前提がこの映画を改めてみるとビシビシ感じます。現代映画では再現不可能なファンタジーとして、男のロマンに浸りたい男性、時代錯誤な男の生き様に萌える女性の皆様は是非スクリーンに足を運んでもらいたいと思います。ちなみに「BOND60 007 4Kレストア」上映ラインナップは下記で、今回は9月22日からの第一弾上映作品を基本抑えつつ語れればと思います。さあ、そんな感じで「女とクルマと007」いってみましょう!

<文:たんす屋(神社好きの中年Youtuber)

 

前回:【BOND60 公開記念特集】「女とクルマと007」(その1)3人の極端な女たちに囲まれる新世代ボンド『ゴールデンアイ 007』

特集:「女とクルマと007」(その2)
クルマと女はうまく乗りこなせ!!
『007は二度死ぬ』『私を愛したスパイ』

『ゴールデンアイ』で登場のZ3、BMWのオープンタイプの小型スポーツカーです。映画をプロモーションに使われたということもあって、嫌悪感を覚えたファンも多かったようです。気を使って一番いい冒頭のフェラーリとのカーチェイスシーンはアストンマーチンに譲ったり、Qが言ってたスティンガーミサイルも結局使ってないなど、映画製作陣の苦渋の選択が見え隠れしますが、Z3はおかげ様で世界的にバカ売れ、この後もBMWはブロスナン=ボンドを支援することになります。

ボンドカーの歴史は『ゴールドフィンガー』のアストンマーチンDB5に始まります。例のナンバーが変わったり、機関銃が出たり、助手席が吹っ飛んだりするやつですね。しかし実はその前もあって『ロシアより愛をこめて』ではベントレー・マークIV・コンバーチブルを使っています。これは、原作小説にでてくるんですね。特殊装備は「自動車電話」。。侮ってはなりません、当時としてはめちゃハイテクです。

そして、『007は二度死ぬ』で出てくるのがトヨタ2000GTのオープンカー、これは特注で映画の中でしか見れない、レアなので観てください。その後、ジョージ・レーゼンビー主演『女王陛下の007』ではアストンマーチンも進化してDBSが出てきますね。ちょっと大柄で直線的なフォルムであんまり人気なかったようですが私はこれが一番好きです。

そしてロジャー・ムーア版になると時代を反映してF1で活躍中のロータスからスーパーカーが登場、『私を愛したスパイ』のロータス・エスプリです。ジウジアーロデザインの未来的フォルム、水の中に潜れたり、魚雷や対空ミサイル(いる?)があったりして、DB5の小手先ギミックレベルではなくガチで中二っぽいのです(この感じが好きな方はさらに痛快・底抜けスケール感の『ムーン・レイカー』がおすすめです。)。さらにティモシー・ダルトン版ではアストンマーチンV8が登場、レーザーカッターなどDB5以来のギミック満載、抱腹絶倒カーチェイスを繰り広げます。

ただ、今観るとどこか牧歌的で、ホントにカーチェイス自体がハラハラドキドキ!このアクションたまらん!となったのは、ブロスナン版以降のような気がします。『トゥモロー・ネバー・ダイ』でのBMWのビッグセダン750の後席に隠れながら、スマホみたいなコントローラーで駐車場の中を逃げまくるアクションシーンは秀逸でしたし、遂にアストンマーチン(ヴァンキッシュ)が戻ってきた『ダイ・アナザー・デイ』の氷上バトルもいいですよね。

そして往年のクラシックカー、DB5を躊躇なく酷使する『スカイフォール』『スペクター』『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でのジェームズ・ボンドはもう天才的にカッコよかった。

クレイグ版007は伝説級のカーチェイスシーンが数々あるのですが、中でも『慰めの報酬』冒頭の海沿いのカーチェイスには度肝を抜かれました。あれが歴代シリーズ中ナンバー1かもしれません。クレイグ=ボンドはクルマを操るカッコよさが図抜けてるような気がします。敵が追突してきても、突然正面に巨大なトラックが現れても表情がほぼ変わらない。何があっても瞬時に冷静に手足が動くドライビングマシーンと化している感じです。イチイチひいひいわめいてはいけません。わめくのはエンジン音と女だけ、クルマも女も冷静に乗りこなす、男子としてこれほどのお手本はありません。

とはいえ、過去に冷静果敢なドライビングでボンドを驚かせたボンドガールもいないわけではありません。ひとりは若林映子。あの日本製ボンドカー、トヨタ2000GTは結局ほとんど彼女が運転しており、ショーン・コネリーはハンドルを握らなかった(身長デカすぎて??)もうひとりは『女王陛下の007』のトレーシー。ジェームズ・ボンドを助けるため真っ赤なフォード・クーガーを操り、雪上のカーチェイスに挑む。ボンドガールの枠を超えた活躍に「トレーシー頑張れ!」と思わず手に汗握る。助手席でみてるボンドもここらへんに感じ入ったのか、後に彼女は007の妻となるのでした。(続く)

 

<BOND60 007 4Kレストア 10作品 上映作品一覧>
第1弾:9月22日(金)〜
■『007/ゴールデンアイ GoldenEye』1995年/ピアース・ブロスナン 
■『007は二度死ぬ You Only Live Twice』1967年/ショーン・コネリー
■『007/私を愛したスパイ The Spy Who Loved Me』1977年/ロジャー・ムーア
■『007/ロシアより愛をこめて From Russia with Love』1963年/ショーン・コネリー
■『女王陛下の007 On Her Majesty’s Secret Service』1969年/ジョージ・レーゼンビー

第2弾:11月17日(金)〜
■『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ No Time to Die』2021年/ダニエル・クレイグ
■『007/スカイフォール Skyfall』2012年/ダニエル・クレイグ
■『007/リビング・デイライツ The Living Daylights』1987年/ティモシー・ダルトン
■『007/サンダーボール作戦 Thunderball』1965年/ショーン・コネリー
■『007/ドクター・ノオ Dr. No』1962年/ショーン・コネリー

◎劇場情報はコチラ
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=cQkXFvH7