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スターのオーラは隠せない!主役より目立ってるトム・クルーズ映画特集

以前、脇役が主役より目立ってしまっている“脇役映画”を紹介しましたが、今回は特別編。取り上げるのは、大傑作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が絶賛上映中のトム・クルーズです! 現役バリバリのハリウッドトップスターだけに、彼が出演すると例え主役でなくても主役より目立ってしまいます。しかも、脇役だと普段と違うトムの姿が拝めます。というわけで、トムの“脇役映画”4本を紹介します!

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

 

 

 

〈脇役なのに、主人公の完全上位互換!?
①『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』(2002)

『007』シリーズをパロったスパイコメディ、『オースティン・パワーズ』シリーズ。本作はその3作目にあたります。冒頭からいきなり派手なヘリVSバイク&車のチェイスが始まり、ヘリを爆破したオースティンが振り向くと、それはお馴染みのマイク・マイヤーズではなく、何とトム! オースティンと同じ髪型に同じメガネ、同じようにニヤけ面と決め台詞「イェ~イ、ベイビー」を披露しますが、失礼ながら本物よりもずっとキュート! 実は、これはオースティンの活躍を映画化したという設定の劇中劇「オースティン・プッシー」(『007/オクトパシー』のパロディ)なのでした。しかもヒロインはグウィネス・パルトロウで、トムが本物のオースティンのようにイチャイチャし始めてもちゃんと絵になります。さらに驚くことに、「オースティン・プッシー」の監督はスティーヴン・スピルバーグ! …もう本当にこれで映画作ったら?

監督:ジェイ・ローチ
出演:マイク・マイヤーズ、ビヨンセ、マイケル・ケイン、トム・クルーズ 他

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〈歌もイケるぜ!ロックンロール!〉
②『ロック・オブ・エイジズ』(2012)

トムのフィルモグラフィーの中で足りないジャンルは? ホラーと…そしてミュージカル! 華やかなビジュアル、確かな演技力、見る者全員を惹きつけるカリスマ性など、全てを持っているトムは、本作で圧倒的歌唱力すらも備えていることが判明しました。トムの役柄は、シンガー志望のシェリー&ドリューが憧れるロックの神、ステイシー・ジャックス。いつも上半身裸で、くねくねしながらタトゥーと筋肉をこれでもかと見せつけてきます。実際にデフ・レパードのメンバーなどからも歌唱力を称賛されているだけあって、デフ・レパードやボン・ジョヴィの名曲をアグレッシブに、時にメロウに歌いこなし、観客はたちまちロックの世界へ。今は落ちぶれたロックスター役だけに、少しダークで退廃的なセクシーさが漂う珍しいトムに酔いしれることができますよ!

監督: アダム・シャンクマン
出演: ジュリアン・ハフ、ディエゴ・ボネータ、トム・クルーズ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ポール・ジアマッティ 他

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<こんなに品のないトム見たくなかった! いや見たかった!?>
③『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008)

本作の登場人物はみんなキャラが濃い濃い! 落ち目のアクションスター役のベン・スティラー、ヘロイン中毒でどうしようもないコメディ俳優ヤク(あっ失礼、役)のジャック・ブラック、そしてさらに面白いのが役柄と一体化し心身ともに黒人化してしまった演技派俳優役のロバート・ダウニー・Jr.! …しかし、それ以上に目を奪うのは、謎のハゲぽちゃ冷血プロデューサーのレス・グロスマン。絶対に言われないと気づきませんが、これがトムなのです! Fワード連発、どころか普段聞くことがないレベルの下ネタ発言もかまし、さすがのトムファンもドン引き…? と思ったら、これまで脇役だったのにエンドクレジットに入るとおかしなダンスをキレ良く踊り始め、コメディのセンスも再認識させてくれます。首をグリグリ一回転させるトムは一度見たら忘れられません。

監督:ベン・スティラー
出演:ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニー・jr.、マシュー・マコノヒー、トム・クルーズ 他

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〈珍しい悪役だけど大ハマリ!
④『コラテラル』(2004)

ナイスガイを多く演じてきたトムですが、本作では白髪に無精ひげというワイルドなスタイルで非常に邪悪な悪役に挑みました。ジェイミー・フォックスとダブル主演、というかむしろトムの方がでかでかと宣伝されていますが、主人公はジェイミー演じるマックスの方なのでピックアップ。タクシードライバーの映画ながら、サイコなのはドライバーではなくたまたまタクシーに乗ってきた殺し屋ヴィンセントの方! マックスを強引に共犯者にし、夜のロサンゼルスで殺人をハシゴしていきます。ヴィンセントには人の心がなく、いつものトムと違い全く何を考えているか読めませんが、サイコパスらしく表面的には魅力的。殺しに支障があれば、口うるさいマックスの上司も言葉巧みに黙らせてくれます。近寄りがたさと、やはりトムらしいカリスマ性を併せ持った名キャラクターとなっています。しかも、ちゃんとトム走りも披露!

監督:マイケル・マン
出演:トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット=スミス、マーク・ラファロ、ハビエル・バルデム 

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いかがだったでしょうか。
トムの魅力はかっこ良いだけでなく、かっこ悪さすらかわいく見せてしまう点にあると言えるでしょう。最近は(当たり前ながら)主役を演じることが多いですが、たまには脇役で力の抜けたトムも見たいな~と思うのは欲しがりでしょうか。何にせよ、『ミッション:インポッシブル』の新作待ってるよ、トム!