本当の私とは?「自分らしく生きる選択をした女性たちを描いた作品」4選
昔と比べると、生き方の選択肢が増えた今日。だからこそ、何が正解なのか?自分に合う選択肢はどれなのか?と日々悩みことも多いですよね。そこで、今回は本当の自分らしく生きることを選択し、そのために一歩踏み出した女性たちを描いた作品をご紹介します。彼女たちが悩み、もがきながらも、“最高の自分”でいたい!と強く願う姿に、あなたもきっと自分らしく生きる勇気をもらえるはず!
〈自分を取り戻すまでは、絶対に諦めない。〉
①『わたしに会うまでの1600キロ』(2015)
1600キロというのは、主人公シェリル・ストレイドがたった一人で3月間かけて歩いた距離です。しかもこれ、実話なのです。1600キロが一体どれくらいかって?東京から大阪までは約500kmなので、1.6往復くらいでしょうか…。それも、テントや寝袋、着替えなどの相当な荷物を背負いながらです。なぜ、シェリルがそんな過酷なことに挑んだのかというと、ある出来事をきっかけにドラッグや男に溺れるなどひどい生活を送るようになり、そんな自分から抜け出すためでした。誰かにやれと言われたわけでもないし、もちろん仕事でもありませんから、いつだって辞めることはできます。それでも、彼女は雪山でも、岩場でも、極暑の砂漠の中でも進み続けるのです。人生のどん底と言えるような状況に陥った時、そこから抜け出せるかどうかは、ただ一つ。“変わりたい”という強い気持ちにかかっているのだということを、シェリルは改めて教えてくれます。
最後に、シェリルが旅の道中、毎回登録簿に書き残していた言葉の中から、筆者が最も心に響いた言葉をお届けします。
“勇気が君を拒んだら、その上を行け” by エミリー・ディキンソン(詩人)とシェリル・ストレイド
監督:ジャン=マルク・バレ
出演:リース・ウィザースプーン、ローラ・ダーン、トーマス・サドスキー 他
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〈新たな自分に出会うため、生まれ育った街を出る!〉
②『レディ・バード』(2018)
本作の舞台である、カリフォルニア州の州都サクラメントをご存じですか?サクラメントはド田舎というわけではないけど、大都会とはかけ離れたちょっぴり地味な街です。そこに住む女子高生の“レディ・バード”は、とにかく地元を離れたくて仕方がない!どれぐらいかというと、NYにある大学を受験することを母親に反対されたレディ・バードは、乗っていた車からいきなり飛び降り、骨折するほど。そう、つまり彼女は”思春期”真っ只中なのです。だから、日々浴びせられる親からの「ああしなさい、こうしなさい」という意見を含め、今自分を縛っている全てのものから解放されたいわけです。この思春期ならではの複雑な感情を抱える主人公を、シアーシャ・ローナンが見事に演じ切っています。残り少ない高校生活の中で、進路に、恋に、家族のことに…彼女の悩みは尽きることがありません。だけど、“自分の力で”前に進もうとし、“自分の意志で”これから歩む道を選択しようとするレディ・バードの姿はかっこよくて、どんなに不器用なやり方でもいいから、とりあえず行動してみよう!という勇気をもらえます。
監督:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン、ローリー・メトカーフ、トレイシー・レッツ、ルーカス・ヘッジズ、ティモシー・シャラメ 他
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〈本当の自分に出会ってしまった。けど、許されない…。〉
③『キャロル』(2016)
ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの演技がとにかく素晴らしいことに加え、50年代の冬のNYや美しいファッションなどによる映像美が圧巻の作品です。筆者は、毎年クリスマスの季節になると、キャロルとテレーズがデパートで運命的な出会いを果たすあのシーンを、ふとした時に思い出します。テレーズが、一瞬にしてキャロルに心奪われる様子が印象的で、そこから一気に物語に引きこまれるのです。どこか自信がなさそうなテレーズが、芯を持った強い女性であるキャロルに憧れを頂き、慕ってゆく様子がとてもかわいらしくて、気づくとこちらもテレーズに心を奪われています。2人が心通わせるようになっていくにつれて、キャロルは本当の自分を取り戻し、テレーズは本当の自分を知っていきます。しかし、当時はまだ女性同士の恋愛が禁じられていた時代。そんな中で育まれる2人の愛だからこそ、それはとても儚いものであり、鑑賞後もいつまでも2人の姿が忘れられなくなるのです。自分らしく生きることを選択することは、時に苦悩の道かもしれません。だけど、自分に嘘をつかずに生きることで、より一層美しくなれるのだということを、2人の強く生きた女性たちが教えてくれます。
監督:トッド・ヘインズ
出演:ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ 他
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〈“普通”じゃなくてもいい。私の幸せは、私が決める。〉
④『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』(2020)
本作は、ルイーザ・メイ・オルコットによる半自叙伝的な小説「若草物語」の実写版です。1860年代の南北戦争時代のアメリカが舞台のため、その時代のパステルカラーの素敵なファッションやレトロなインテリア、当時の生活感などが味わえる点も見どころの一つです。裕福とは言えない家庭に生まれた4姉妹が、互いに助け合い、自分たちよりも貧しい人たちへ手を差し伸べることを決して忘れない姿に心温まります。子供の頃に原作を読んだ方も多いかと思いますが、大人になってから改めて物語に触れると、主人公のジョーの生き方に1人の女性として刺激をもらえます。当時は、女性が自立して生きてゆくのは非常に厳しく、女性にとって結婚=生きるための経済力でした。そのため、「小説家になりたい」「結婚はしたくない」というジョーの意見は世間的には相当受け入れ難いものだったでしょう。それでも、ジョーは夢を諦めずに小説を書き続けます。そんな彼女の姿に、同じように夢や目標を持っている人であれば共感し、背中を押してもらえるはずです。例え自分の選択が世間とは異なっていたとしても、自分が進みたい道を真っすぐに進む勇気を、ジョーは私たちに与えてくれます。
監督:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、フローレンス・ピュー、エリザ・スカンレン、ローラ・ダーン 他
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いかがだったでしょうか。
今回は女性が主人公の作品をご紹介しましたが、もちろん、どの作品も男性が観ても共感できる部分があり、勇気や希望をもらえると思います。自分らしく生きたいけど、一歩踏み出す勇気が出ない…。そんな時にこれらの作品を観れば、彼女たちの人生があなたの背中をそっと押してくれるでしょう。