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『TBSドキュメンタリー映画祭 2022』開催記念! なぜ殺す。戦争、殺人、人間社会の暗部を切り取った傑作ドキュメンタリー特集

ドキュメンタリーが我々に見せてくれるのは「リアル」です。それはどんなによくできたフィクションでも描けないもの。今回はTBSドキュメンタリー映画祭 2022の開催を記念し、殺人という人間のタブーに触れる傑作ドキュメンタリーを4作品紹介します。

 

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

 

 

①『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002)
監督:マイケル・ムーア

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〈なぜアメリカの銃犯罪は飛び抜けて多いのか?〉

1999年にアメリカのコロラド州にあるコロンバイン高校で起きたコロンバイン高校銃乱射事件では、12名の生徒と1人の教師が亡くなり、多数の負傷者が出ました。犯人は、いじめられていた2人の高校生でした。このような事件が起こると、よく槍玉に挙げられるのがゲームやヘビーメタル。犯人は最終的に自殺してしまったので、凶行の実際の理由は不明のままですが、実はかなり銃が流通しているにもかかわらず平和なカナダと比べ、アメリカは断トツで銃犯罪が多いのかという問いに対してひとつの答えを出しています。「やられたらやり返す」の精神に縛られているのです。これは誰かが悪いのではなく、アメリカの歩んできた歴史からくるもの。劇中でかかるルイ・アームストロングの名曲「この素晴らしき世界(What a Wonderful World)」が非常に皮肉に響きます。この考えにとらわれたままだと、にっちもサッチモ行かなくなってしまいますね。

 

②『彼らは生きていた』(2018)
監督:ピーター・ジャクソン
出演:ウィル・スミス、ビル・プルマン、ジェフ・ゴールドブラム

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〈なぜ戦争はなくならないのか?〉

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督が、約100年前の第一次世界大戦をテーマにドキュメンタリーを撮りました。当時の映像が残っているだけですごいですが、100年前の映像とは思えないほどきれいなのも驚愕ポイント。本当はモノクロでサイレントなはずが、現代の技術や読唇術によってカラーと音声ありの映像に生まれ変わっています。フレーム数も現代映画と同じ24フレームになったことで、見慣れた感じのする映像になってはいますが、そこに映し出されるのは苛烈極まる塹壕戦の様子です。非常に不衛生な上、敵の砲弾からの逃げ場もなく、時には味方の攻撃にもさらされます。それにもかかわらず、序盤に流れる復元された兵士たちの言葉は戦争を肯定しているようにも聞こえます。その真意は何なのか。最後まで見れば、読心術も要らぬほど容易に、確かに生きていた彼らの気持ちが伝わってきます。

 

③『アクト・オブ・キリング』(2012)
監督:ジョシュア・オッペンハイマー

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〈なぜ殺人を嬉々として語れるのか?〉

本作はまさに「笑えない冗談」のような作品です。インドネシアでは1965年、インドネシア建国の父とも呼ばれるスカルノ大統領(デヴィ夫人の元夫)が陸軍のクーデターにより失脚。陸軍はインドネシア共産党が黒幕だとうそぶき、共産党員狩りを始めます。虐殺の規模は何と100万人以上。今でも事件を批判的に扱うことには危険が伴うため、被害者側へのインタビューには命の危険が伴います(実際、多くの協力者の名前はANONYMOUS(匿名)となっている)。そこで、虐殺を自慢話のように語る加害者側にアプローチし、過去の再現、「アクト・オブ・キリング(殺しの演技)」をさせた衝撃作が本作なのです。加害者たちが面白おかしく演技をするのが、ただの悪ふざけを見ているようで笑ってしまいそうになりますが、終盤彼に訪れる悪夢の始まりの瞬間には、底冷えするような思いと少しの安堵が同居します。

 

④『市民K』(2019)
監督:アレックス・ギブニー

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〈なぜ権力を振りかざして人々を支配するのか?〉

アメリカの古典映画の名作に『市民ケーン』という映画があります。主人公ケーンに実在の新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストを重ねていましたが、本作にもミハイル・ホドルコフスキーという富豪が登場します。彼は財と権力を手にし、政治にも干渉し始めますが、ウラジミール・プーチンを後押ししようとしたのが運の尽き。プーチンはホドルコフスキーを利用し、着々と自身の地位を確立していきます。2人はやがて対立し、ホドルコフスキーは逮捕されてしまいます。この逆転劇は、新人女優がベテラン女優に取り入り、その地位を奪ってのし上がる様を描いた、やはり古典映画の名作『イヴの総て』を思い出させます。権力欲に支配された人間はいつか滅ぶのが“アメリカ流”ですが、ウクライナに侵攻しているプーチン大統領はどうなるでしょう。ケーンのように、実は幼少期の思い出、いわゆる「バラのつぼみ」に固執していたりするのでしょうか。

 

いかがだったでしょうか。
ヘビーな作品が多かったですが、これこそが現実。目を背けてはいけません。TBSドキュメンタリー映画祭 2022でも、直視すべき現実を描いた作品が11本上映されます。ぜひ劇場に足を運んで、ドキュメンタリーの持つパワーに圧倒されてください!

 

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