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『ナイル殺人事件』公開記念「探偵映画」4選

2月25日より、「ミステリーの女王」アガサ・クリスティ原作の探偵映画『ナイル殺人事件』が公開されます。人間は、謎があればそれを解き明かしたいという強い衝動に駆られる生き物。しかし、それには時に代償が伴います。だからこそ事件の後の、真実の重みと謎を解明した人物に対する感慨もひとしお。今回は、驚くべき答えに辿り着いた探偵たちを描いた4作品を紹介します。

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

 

 

①『オリエント急行殺人事件』(2017)
監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォー、ジュディ、デンチ

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〈こんなオチあり!? シロクロはっきりしないグレーの容疑者たちに「灰色の脳細胞」が挑む!〉

こちらも原作はアガサ・クリスティで、今回の『ナイル殺人事件』の前作になります。登場する探偵は「灰色の脳細胞」こと、立派な口ひげの紳士、エルキュール・ポアロ。実在の鉄道、オリエント急行を舞台にして、ひとりの男が殺される密室殺人事件が発生します。容疑者は13人もおり、その全員にアリバイが。小説と違い映画では、観客にどんな役者が容疑者を演じているのかというポアロすら入手できない重要ヒントが与えられます。しかし、本作は誰もが主役級のオールスター映画であり、『アクロイド殺し』で常識外れのトリックを描いたアガサ・クリスティ作品。そして、その予測不可能なオチを目にしてなお、ポアロの最後の選択にまたも驚かされることでしょう。

 

②『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2017)
監督:ライアン・ジョンソン
出演:ダニエル・クレイグ、クリス・エバンス、アナ・デ・アルマス、ジェイミー・リー・カーティス

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〈真実を“吐け”! とぼけた探偵コンビが“華麗なる一族”に挑む!〉

アガサ・クリスティにオマージュが捧げられた完全オリジナル脚本の作品です。謎の死を遂げた世界的ミステリー作家と、その遺産を奪い合う一族。真相を探るためここに堂々登場した名探偵ブノワ・ブランは、そのフランス系の名前を度々間違われます。これはポアロにとってのいつもの流れと同じで、ベルギー人のポアロの英語に訛りがあるようにブランもなぜかアメリカ南部訛りがあります(演じているダニエル・クレイグはイギリス人)。本作もやはりオールスター映画である上、役者がイメージと正反対のキャラクターを演じていたり、犯人はウソを吐(つ)くものですがアナ・デ・アルマス演じる“ワトソン”的な立ち位置のマルタはウソを付くと本当に吐いてしまうなんて謎の設定もあったりして、爆笑エンタメとしてもバッチリ。

 

③『チャイナタウン』(1974)
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン

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〈暴かなければ良かった? 陰謀渦巻く水源開発問題にしがない私立探偵が挑む!〉

本作は、20世紀初頭に実際に起こったカリフォルニア、オーエンズバレーの事件がモデル。チャイナタウンに苦い過去がある私立探偵ジェイク・ギテスは、単なる浮気調査のはずがズブズブと水利権問題の泥沼にハマっていきます。人を生かす水のために人が殺される時代、ジェイクは事件の真相に迫っていきますが…。普通のミステリーでは犯人が分かれば万事解決…のはずなのに、本作はアンチカタルシスの極致にあります。推理小説を執筆する際の基本的なルールを示した「ノックスの十戒」の中に、「中国人を登場させてはならない」という項目がありますが、本作にはタイトルにもあるチャイナタウンはほとんど出てきません。しかし、ギテスはこれからもチャイナタウンに囚われたままなのでしょう。真実は、時には深く沈めておく方が正しいのかもしれません。

 

④『ゴーン・ベイビー・ゴーン』(2007)
監督:ベン・アフレック
出演:ケイシー・アフレック、ミシェル・モナハン、モーガン・フリーマン

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〈事件解決はゴールじゃない。私立探偵カップルが子ども失踪事件に挑む!〉

こちらも中々重めな一作。「後味が悪い映画」として知られる『ミスティック・リバー』の作家デニス・ルヘイン原作なので、当然と言えば当然ですね。私立探偵カップルのパトリックとアンジーは、子ども失踪事件の依頼を受けます。しかし、その子の母親はネグレクトもしているドラッグ中毒者でした。監督のベン・アフレックが主演した映画で『ゴーン・ガール』という映画もありましたが、「ゴーン(gone)」には「いなくなった」の他に「死んでしまった」という意味もあります。非常に不吉なタイトルですが、その真相はきっと意外なものでしょう。ただ、その結末はやはり容易に善悪のどちらかに分けることはできません。事件は解決しても、割り切れない思いが心に残ります。探偵とは、なんと因果な商売なのでしょう。

いかがだったでしょうか。

謎解きも楽しいことばかりじゃありません。探偵ものによく出てくる「ハードボイルド」という言葉は、卵などの「固ゆで」を意味します。現実も同じようにきっちり白黒(白黄色ですね…)つけられれば楽なのに! でも、その好奇心こそが人間を人間たらしめているんでしょうね。だから謎解きは止められない!

 

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