年末年始は配信作品を観よう！配信サービス別おすすめ作品ご紹介！＜Amazonプライム・ビデオ編＞
「映画は必ず劇場で観たい！」という気持ちも分かりますが、ここ最近、配信サービスでしか観られない映画も増えてきました。しかも、クオリティの面で他の劇場公開作品に引けを取らない、個性的な作品が！ 今回は、Amazonプライム・ビデオでしか観られないAmazonオリジナル作品を紹介します。Netflixオリジナル作品などと比べると本数はまだ多くありませんが、ユニークな面白さでは負けていませんよ！
① 『愛すべき夫妻の秘密』(2021)
監督：アーロン・ソーキン
出演：ニコール・キッドマン、ハビエル・バルデム、J・K・シモンズ
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〈歴史の闇に葬られそうになった、ハリウッドの才能〉
1950年代、日本でも放送された実在のシチュエーション・コメディ番組『アイ・ラブ・ルーシー』。主人公夫妻を演じたルシル・ボールと実際の夫デジ・アーナズは大変な人気を博しましたが、ある時ルシルは共産党支持の疑いをかけられ、キャリアの危機に立たされます。当時は、共産主義者を社会から追放しようとする赤狩りの風が吹き荒れていました。夢の都ハリウッドも例外ではなく、『ローマの休日』原案者のダルトン・トランボも一度追放されています。また当時のハリウッドには「ヘイズ・コード」と呼ばれる自主規制条項があり、性的との理由で、劇中では「妊娠」という単語すら使えませんでした。幾重にも縛られたルシルが体験する気が気でない1週間を、『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー脚色賞を受賞したアーロン・ソーキンがユーモアたっぷりで絶品の会話劇に仕立て上げています。輝く才能は、本当の意味で闇に葬ることはできないのです。「ルシル」という名前が「光」を意味するように。
②『バーズ・オブ・パラダイス』(2021)
監督：サラ・アディナ・スミス
出演：ダイアナ・シルバーズ、クリスティン・フロセス、ジャクリーン・ビセット
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〈賞のためなら、どんな犠牲もいとわない〉
バレエ。それは周りからは美しく見えるけれど、実際は人に見せられないほどマメだらけの足から生まれる孤高のアート。ダンサー志望のケイトは、バレエ界で世界最高峰のパリ・オペラ座バレエ団に入団する夢を叶えるため、はるばるアメリカからフランスへやってきました。フランス語の話せないケイトはクラスで浮いており、失言からルームメイトとのマリーンとも最悪の出会いを果たしてしまいます。その後、仲直りして絆を深めていきますが、オペラ座バレエ団入団の切符は学校で1位の成績を取った者しか手に入れられません。だんだんとケイトは疑心暗鬼に陥っていきます。周りは全て敵…。華やかなバレエ界の暗部をサイケデリックな映像で魅せていく作風で、同じくバレエを扱ったダークな『ブラック・スワン』とはまた違った魅力があります。そして、最後に浮かび上がる本当のテーマに、清々しい気分になることでしょう。
③『社会から虐げられた女たち』(2021)
監督：メラニー・ロラン
出演：ルー・ドゥ・ラージュ、メラニー・ロラン、エマニュエル・ベルコ
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〈女性版『カッコーの巣の上で』〉
クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』で主演を務めたメラニー・ロランが監督した、社会派映画です。19世紀末、霊感があり、常識にとらわれない言動を繰り返していたウジェニーは、いたって健康なのにもかかわらず父親によって精神科病院に入院させられてしまいます。こうなると、自力での脱出は不可能。また、催眠療法で有名な神経科医シャルコーは、研究と称してヒステリー患者が悶え苦しむ姿を一般公開していましたし、患者を氷風呂に浸すことが治療とされていたりと、当時の患者の扱いは劣悪なものでした。『カッコーの巣の上で』を思い出すような内容ですが、はじめは他の患者と関わりを持とうとしなかったウジェニーの心の変化と、患者に真摯に接しようとする看護師長ジュヌビエーブの行動に胸を打たれます。観るのが苦しくなる場面も多いですが、シスターフッド(女性同士の連帯)映画として必見の作品です。
④『Everybody’s Talking About Jamie ～ジェイミー～』(2021)
監督：ジョナサン・バターレル
出演：マックス・ハーウッド、サラ・ランカシャー、ローレン・パテル
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〈全ての人に捧ぐ、LGBTQ+ミュージカル〉
実話が基になっている同名ミュージカルの映画化作品です。16歳のジェイミーは、ゲイだからという理由で父親からは関係を切られ、クラスではいじめっ子に目を付けられています。しかし、ある日かつてのドラァグクイーンに出会い、自身も本格的にドラァグクイーンになる夢を叶えようとして、まずはドレスでプロムに行くことを決意しますが…。ジェイミーを受け入れない人物たちの反応は苛烈なものですが、無条件で存在を肯定してくれる母親や女友だちとの温かい関係の方が印象的で、ノリノリで楽しく、カラフルで美しいLGBTQ+ミュージカルになっています。主演のマックス・ハーウッドはこれが映画デビューとなる完全な新人ですが、圧倒的な存在感で最高のパフォーマンスを披露しています。タイトル通り、観た者全員がマックスの話をせずにはいられない！ 性的マイノリティでなくても、自分らしく生きたい全ての人にオススメです。
いかがだったでしょうか？
ちなみに、以前「最新配信エンタ」コーナーでご紹介した『明日への地図を探して』や『静かなる侵蝕』などもAmazonオリジナル作品となっております。そちらも個性的な作品ですので、ぜひチェックしてみてください。
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