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秋の夜長にじっくり楽しみたい「長~い映画」4選

最近涼しくなってきましたね。日が暮れるのも早くなり、まさに秋の夜長といった感じです。ところで、皆さんはどのくらい上映時間が長い映画を観たことがありますか? 普通、ホラー映画などは短い方で、90分程度。ドラマ映画などだと大体120分前後で、それでも長いと言われることもあります。しかし、世の中にはもっと長~い映画もたくさんあるのです。今回は、このタイミングでチャレンジしてみてほしい、頑張れば観られそうな長さの映画4本を紹介します。

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

 

①『アデル、ブルーは熱い色』(2013)
監督:アブデラティフ・ケシシュ
出演:レア・セドゥ、アデル・エグザルコプロス

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フランス代表、179分(2時間59分)!

まずは小手調べ。2013年のカンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールに輝いたラブロマンス映画です。高校2年生のアデルは、街ですれ違った青い髪のエマに惹かれ、周りの無理解に悩みながらも情熱的に愛を育んでいきます。過激なラブシーンも多く含む本作は、審査委員長を務めたスティーブン・スピルバーグに「偉大な愛の映画」と称えられました。女性同士の恋愛を描いているためによく「LGBTQ映画」と紹介されますが、主人公アデルを演じたアデル・エグザルコプロスは特にそれを意識して演じたわけではないと語っています。これは「レズビアンのラブストーリー」ではなく、「2人の人間のラブストーリー」なのだと。その“ありのまま”精神が発揮された本作こそ、理想的なLGBTQ映画かもしれませんが。ちなみに、普通パルム・ドールは監督に贈られますが、本作では初めて主演のアデルとレア・セドゥの2人にも贈られました。

 

②『マグノリア』(1999)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:トム・クルーズ、ジェイソン・ロバーズ、ジュリアン・ムーア

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アメリカ代表、188分(3時間8分)!

数多くの登場人物たちの人生が複雑に絡み合う群像劇です。2000年のベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞に輝きました。トム・クルーズが、女性軽視のナンパ術講師をテンション高く演じているのが印象的ですが、別にフザケた映画じゃないんです。“スター”らしく、ヒーロー然としたキャラクターを演じる機会が多いトム。ポール・トーマス・アンダーソン監督は彼のために少しヘンな役を脚本に書き加えました。後半はまたそれまでとは打って変わった真面目な演技を見せる場が与えられています。他にも、ご長寿クイズ番組の司会者を中心にした人間ドラマが展開し、ストーリーが進むにつれ皆の人生はどん底に向かっていきます。しかし、最後に訪れる解放の時! 「あっ」ではなく「は?」と言わせるようなあまりに予想外なシーンが待っています。前言撤回、フザケた映画ですが、長い人生、そういうものに救われることもあるでしょう。

 

③『象は静かに座っている』(2018)
監督:フー・ボー
出演:チャン・ユー、ポン・ユーチャン、ワン・ユーウェン

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中国代表、234分(3時間54分)!

さて、ついに上映時間が4時間に近付いて参りました。本作は中国人監督フー・ボーが29歳の若さで完成させた、デビュー作らしからぬ超長編です。親友を自殺に追い込んでしまった青年、家族から厄介者扱いされる老人、居場所に飢えている少女、友だちをかばい人を突き落としてしまった少年…ある1日を舞台に、4人の物語が鬱々と語られます。フー・ボー監督は本作完成後、自らこの世を去る決意をしました。監督の、社会に対する絶望がそうさせたのかもしれませんが、闇だけが描かれた作品ではありません。監督死して後、本作は2018年のベルリン国際映画祭で、国際映画批評家連盟賞と最優秀新人作品賞スペシャル・メンション(受賞は逃したがほぼ受賞作と同レベルの作品に贈られる)に輝きました。奇しくも、作品は今なお強烈な光を放っています。この衝撃は二度と味わうことはできません。覚悟を決めて、ぜひ。

 

④『愛のむきだし』(2009)
監督:園子温
出演:西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ

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日本代表、237分(3時間57分)!

4本中最長の作品はめでたく邦画になりました。個性的な作品で名を馳せる園子温監督の問題作です。クリスチャンの家に生まれながら父親から普通に愛されず盗撮魔になった少年が、たまたま出会った少女に恋をするというボーイ・ミーツ・ガール(十分ヘン)ではあるのですが、なぜかさらに、怪しい宗教団体まで関わってきます。とにかくカオス。それが功を奏し、2009年のベルリン国際映画祭で、国際映画批評家連盟賞とカリガリ賞(テーマ・スタイルともに革新的な作品に贈られる)に輝いています。今観ると、すでに超人気俳優のあの人やこの人も端役で出演しており、ストーリーとは別の楽しみ方もできます。古代ギリシャ人によれば、カオスは宇宙の始まりです。本作も、あなたに色んな感情を生み出させるでしょう。

 

いかがだったでしょうか?

長い映画には長いなりの理由があるのです。むしろ、この長さに慣れると、他の映画の短さに物足りなさを覚えるかも? 筆者はここに、新たな秋の楽しみ方として「夜更かしの秋」を提唱します。さあ、次の日の予定を空けてレッツトライ!