「TBSドキュメンタリー映画祭2026」『特攻の海 ~3Dが語る80年目の真実~』福岡で舞台挨拶 今林隆史監督&九州大学・菅浩伸教授が語った“歴史を自分ごととして受け止める”意味
TBSドキュメンタリー映画祭2026で上映されている『特攻の海 ~3Dが語る80年目の真実~』の舞台挨拶が、4月11日に福岡・キノシネマ天神で行われた。登壇したのは今林隆史監督と、九州大学浅海底フロンティア研究センター・センター長を務める菅浩伸教授。戦争遺物を最新技術で記録し、未来へ継承する取り組みを追った本作について、映像だからこそ伝えられる歴史の重みと、記録を残す意義が語られた。
本作は、海の底に残された戦争遺物を3D技術で記録し、その痕跡から80年目の真実に迫っていくドキュメンタリー。科学的な調査によって見えてくる事実に加え、その背後にあった人々の記憶や感情までも映し出そうとする作品だ。舞台挨拶では、単に「物」を記録するだけでは届かない歴史の実感を、映画としてどう立ち上げたのかが大きなテーマとなった。
菅教授は、3D技術による調査の価値に触れつつも、それだけでは伝えきれないものがあると強調する。「データでは伝わらないんですよ。残念ながら物だけではですね……今回、今林監督がこれだけの証言を結びつけていただいた。物に対してこれだけの人間のストーリー、我々1人1人が共感できるストーリーと繋がっていった」と語り、科学的な分析と人間の物語が結びつくことで、初めて歴史が生きた実感として立ち上がるのだと話した。
これを受けて今林監督は、過去の出来事を正確に伝えることの重みを改めて口にした。「やはりこれをちゃんと正確に伝えていかないと、本当に同じようなことが起きてしまうかもしれない。世界でも、実はいろんなところで同じようなことが現在進行形で起きてるかもしれない」と述べ、戦争を知らない世代にとっても、歴史は遠い昔の話ではなく、自分自身の問題として受け止めなければならないものだと訴えた。
また監督は、戦争の記憶が特別な場所にだけ残されているのではなく、私たちが暮らす身近な土地にもその痕跡が確かに残っていることに言及。本作を通じて、戦争は決して“終わった過去”として片付けられるものではなく、現在へと地続きの問題として捉える必要があることが、あらためて浮かび上がった。舞台挨拶は、過去の記録を未来へ引き渡すことの意味を、観客に強く問いかける時間となった。
なお、「TBSドキュメンタリー映画祭2026」は福岡・キノシネマ天神で4月16日まで開催中。東京、大阪、名古屋、京都、札幌での上映はすでに終了している。
<開催概要>
東京:ヒューマントラストシネマ渋谷|3月13日(金)~4月2日(木)※終了
大阪:テアトル梅田|3月27日(金)~4月9日(木)※終了
名古屋:センチュリーシネマ|3月27日(金)~4月9日(木)※終了
京都:アップリンク京都|3月27日(金)~4月9日(木)※終了
福岡:キノシネマ天神|4月3日(金)~4月16日(木)
札幌:シアターキノ|4月4日(土)~4月10日(金)※終了
主催:TBSテレビ
公式サイト:https://tbs-docs.com/2026
公式X:@TBSDOCS_eigasai
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