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戦後80年の「戦争犯罪」 第二回:原爆という戦争犯罪~負けたからって黙っててはいけない 『ヒロシマ・ナガサキ:75年前の真実』

文:たんす屋(神社好きの中年Youtuber)

ムービーマービーは毎年夏シーズンの終戦記念日周辺で戦争映画特集をやってきました。終戦の日から80年目を迎える今年は、ちょっと真面目に今回は「戦争犯罪」に焦点を当てたいと思います。

私は「戦争は犯罪だ」という極論には与しません。

戦争と犯罪は違います。現実にあれほどの人間が死んだ第二次世界大戦を経てもなお、世界中から戦争はなくならないし、一方で不幸な人権弾圧もなくならない。人権弾圧に対抗する手段は何か?民主主義国家ならデモが成り立つでしょう。でもそういう国は民主主義じゃない場合が多い。そうなると難民としてどこかへ逃げるか、武器を取るか?人間は自分と家族の生存を守るために戦う権利を有しています。それは犯罪とは違うものです。

ただ、この一見正しい「正義の戦い」は一方のものの見方で、相手にも相手の事情がある、そして理想の裏で悪いこと考えてる奴も世界には多い。

人間に競争と生存権という言葉ある限り、戦争はなくならない。戦争は人間の一部だというのが、二本足で直立してから何万年も武器を取って戦い続けている人類のリアルです。

戦争を肯定するわけではない、でも人類自らの恥部として認めなければならないのです。

だから「戦争反対」ばかりを叫んでいる人は、無自覚なお花畑か、きれいごとを並べて、影で悪いことを企んでいる共産主義者かどちらかです。

ただ、そんな愚かな戦争にも守るべきルールはある。これは少しだけど重要な人類の進化です。お互い正義や利益が違うのだから戦うのは仕方ないけど、「これはダメだ」というのが、近代に至りジュネーブ条約、ハーグ陸戦条約をはじめとする国際法に規定されています。そうでなくても、人間の心の問題、倫理の問題、宗教の問題としてダメなこともある。

ただそれでも、「ダメなことが分からなくなる」「ダメだと分かっててもやってしまう」戦争にはそういう部分もある。そこに振り返るべき人類の業がある。

今回は戦後80周年の終戦記念日特集として、そのような「戦争犯罪」映画について特集したいと思います。特に今まで日の当てられていない角度からの犯罪に焦点を当てたいと思います。

 

<第二回>
原爆という戦争犯罪~負けたからって黙っててはいけない
『ヒロシマ・ナガサキ:75年前の真実』

8月6日は日本人にとってどういう日でしょうか?
広島にある原爆死没者慰霊碑には、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれていますが、過ちは誰の過ちでしょうか?

このへんふわっと一般論化するのは日本人の良さでもあると思いますが、実際はアメリカ軍です。彼らは太平洋戦争末期に、東京、大阪、名古屋、神戸、福岡、そして広島、長崎など日本の66の都市を焼き払い、40万人もの一般市民を殺しました。日本は80万人の民間人がこの戦争で亡くなりましたが、その半分は空襲です。特に1945年3月10日の東京大空襲では一晩で10万人のもの犠牲が、8月6日の広島では14万人、8月9日の長崎では7万人が死にました。

これは戦争犯罪とは呼ばれないのか?
科書も日本の新聞もテレビ局も、原爆を落としたアメリカを責めませんが、これはどういう意味でしょうか?多くのニュース番組や新聞の社説、偉そうに国民の声を代表している割にマスコミはだらしないんじゃないでしょうか?それとも日本が過ちを犯したので罰(ばち)でも当たったということでしょうか?

「そんなこと考えたこともなかった」「日本はもっとひどいことを諸外国にしたんだから、しょうがない」
そんな考えの方は実は洗脳されています。
「負けた国だから、しょうがない。」
犯罪とはそういう理屈じゃないのはわかりますよね。こういう当たり前のことがわからなっている人は、これはGHQの戦後教育、80年前の亡霊に洗脳されているのです。

これは明確で歴史上もっとも大規模な「戦争犯罪」です。
アメリカ軍は空から無抵抗の日本の民間人を殺しまくったのがファクトです。
何故か?

アメリカ人が建国以来現在に至るまで最も怖いと思った敵国は間違いなく大日本帝国です。もはや制空権もなく、サイパンを落とされフィリピンを奪還され、沖縄を血に染めてという状況になればなるほど日本軍の抵抗は頑強で、白旗をあげるそぶりもみせず死ぬまで戦い続けます。特にカミカゼという体当たり攻撃と、徹底したゲリラ戦を挑んで全滅した硫黄島の戦いは、参戦していた米兵たちにとって悪夢で、「日本人を全員殺さないとこの戦争は終わらないのではないか?」という幻想を米国人全体に抱かせました。

だから、普通のプロペラ機だと到達できない、高度1万メールの高みから爆弾を落とせるB29による作戦が大規模に行われた。いきなり地上戦みたいなリスクの高いことをせず「高い所から落とすだけ」の爆撃の方が安全。「民間人の虐殺?といっても日本人だろ」そんな感じだと思います。

さらに、フランクリン・ルーズベルト米国大統領はなりふり構わず、この世で最も残酷で狡猾な共産主義者のリーダー、ソ連のスターリンに日本本土上陸作戦について北と南から挟み撃ちにしようと助けを求めた。いわゆるヤルタ密約で、ルーズベルトはスターリンに、ドイツ降伏から3か月後の対日参戦を約束させ、見返りに北方領土をくれてやると言った。スターリンは日ソ中立条約を破って参戦するメリットを得た。(東ヨーロッパのように、我々が進軍した土地は我々のものだ。日本も半分くらいはもらってやろう)きっとこのように考えていたのだと思います。

ところが、ルーズベルトが帰国後すぐに死にました。
そして、4月5日にナチスドイツ降伏。
副大統領から大統領になったトルーマンはそのあたりの事情を全く知らずにいたのですが、前政権からの申し送りでそれを知ってひっくり返ります。
「ソ連の対日参戦を許したなら、東アジアは共産圏になってしまう」
ドイツの降伏から3か月後に対日参戦。。もはやカウントダウンの針は止めることは不可能でした。
密約を交わし日本を共産主義者に売ったルーズベルトは本当にクソだと思いますが、その後トルーマンの取った道もまた修羅過ぎました。
(スターリンを出し抜いて、日本を降伏させなければならない。)
それこそが原爆への道だったのです。

原爆というのはどういう爆弾かご存じでしょうか?
世界初の原子爆弾「リトルボーイ」は広島に飛来したB29爆撃機エノラ・ゲイにたった一発だけ搭載されていました。高度約1万メートルで爆弾投下。エノラ・ゲイはそこから必死に逃げます。爆弾は高度約600メートルでさく裂しました。広島型原爆の威力は、TNT火薬に換算すると1.5万t相当B29に通常爆弾を積んだとすると、一度に3,000機分のB29に爆撃されたことになります。爆発と同時に「火球」が生じ、1万分の1秒後には30万度の光は半径約14mまで広がった。この範囲は一瞬に何もかもが消滅。さらに爆発により強烈な熱線と放射線が放射されるとともに空気がものすごい力で膨張し爆風となった。爆心地から半径約2kmの地域はことごとく焼失。放出されたエネルギーの約35%が熱線に、約50%が爆風に、残りの約15%が放射線となったと考えられています。

原子爆弾と一般爆弾との違いは、放射線による障害。爆発後20~30分ごろから市域の北西部地域に放射能を含んだススやホコリ等の放射性降下物を多量に含んだ「黒い雨」が降り、遠隔地まで放射能の影響が及んだ。爆発による初期放射性物質に止まらず、地上に降った核分裂片や中性子により誘導された放射性物質の残留により、長時間にわたって地上からも放射されたため、後々までも広島は後遺症に苦しめられました。原爆により死亡した人数は正確につかめていないが、昭和20(1945)年12月末までに約14万人が死亡したと推計している。

日本人はこのあたりをよく勉強して、いざとなったら米国人に言ってやるといいと思います。
「おまえが、戦争犯罪を語るな」と。
それが現代日本人の責任です。

 

原爆の被害に対する認識と関心を、世界に呼び起こしたいと考えたスティーヴン・オカザキ監督は、日本を訪れ500人以上の人々に会い、取材を重ねた。14人の被爆者、原爆投下に関与した4人のアメリカ人の証言を軸に、原爆がもたらした悲劇に迫る。想像を絶する体験を語る彼らの言葉から、反戦へのメッセージが浮かび上がる。広島、長崎への原爆投下がもたらした悲劇を見つめ、核兵器の脅威を訴えるドキュメンタリー。14人の被爆者と、原爆投下に関与した4人のアメリカ人の証言に貴重な記録映像や資料を交え、ヒロシマ・ナガサキの真実を描く。25年の歳月をかけて本作を完成させたのは、日系3世のアカデミー賞受賞監督スティーヴン・オカザキ。原爆によってその後の人生を変えられてしまった被爆者たちの姿に、戦争のない平和な日々を願わずにはいられない。

監督:ジェームズ・エルスキン
制作:October Films(英国)、A+E Global Media、HISTORY、日本Hulu
製作年/公開:2020年制作、2025年8月15日(金)HISTORYにて放送/配信
上映時間:約82分
公式サイト:https://jp.history.com/rec/hiroshima_nagasaki/
配信先:https://www.hulu.jp/hiroshima-and-nagasaki-75-years-later

 

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