【第35回東京国際映画祭】「何だか分からないがカッコいい!」樋口真嗣が語るウルトラセブンの魅力とは?
第35回東京国際映画祭
「ウルトラセブン」
55周年記念上映シンポジウムレポート
本日10月29日、MARUCUBEにて東京国際映画祭にて実施されている「ウルトラセブン」55周年記念上映のシンポジウムが開催され、映画監督の樋口真嗣、評論家の樋口尚文、アニメ・特撮研究家の氷川竜介が登壇した。
今年2022年はウルトラセブン放送55周年という節目の年。10月上旬にはウルトラセブンの中でも厳選されたエピソードの4K上映が実施され、今年の東京国際映画祭でもいくつかのエピソードが上映されるなど、大きな盛り上がりを見せている。
イベント内では登壇者たちがそれぞれのウルトラセブン体験を語り、樋口監督は「『ウルトラマン』は自分たちの目線に近いところがあった。隊員たちの行動も少し子供っぽいというか、近所にいたら仲良くなれる気がするみたいな。でもセブンは違うんですよね。厳しい感じがあった」と語り、さらに「音楽がカッコ良かった。ウルトラホーク発進の時のような、金属的な感じの音楽。何がカッコいいか分からないけど、そこにあるものはカッコいいものだって思ってました。何がカッコいいか分からないのが、カッコいいんだろ!って(笑)」と語った。
イベント内では氷川氏が持参した少年マガジンの話で盛り上がったり、さらにはウルトラシリーズの数多くのエピソードで監督を務めた実相寺昭雄氏の話で語り合うなど、各陣それぞれが抱くウルトラセブンについて熱く語っていた。
さらにウルトラセブンから受けた影響について樋口監督は「デザインすることが許されると言うことを知った。宇宙人に限らず、それまでの子供向け番組で使われていなかった音楽だったり、物語もデザインしている感じが凄いと思った。デザインされた物語だし、デザインされた映像。手抜きしちゃいけない。そこまで細部に気を配らないといけないんだって思いました」と細部にこだわりぬかれたウルトラセブンという作品が、今にも大きな影響を与えていると語った。
シンポジウムの後半は観客の方からの質問に答える場面も。ウルトラセブンと同時代に放映されていた番組や、冬木透の音楽の話などマニアックな質問に対して、さらにマニアックなトークを繰り広げ、大盛り上がりの内にイベントは終了した。
- 【第35回東京国際映画祭】『バルド』 「この作品は作らざるを得なかった」アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督来日記者会見レポート
- 【第35回東京国際映画祭】「ウルトラセブン」55周年記念上映で森次晃嗣が名セリフを披露!「「西の空に明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く。それが僕なんだ。」